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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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王都レイシア

ガラガラ……


ゆっくりと馬車のスピードが落ちていく。

行き交う人々や馬車が多くなってきたことから分かっていたけれど、王都へ到着したようね。

門での検問を別の入り口から通り抜けると、そこは大都会だった。


「わぁぁぁ!凄い街並みですよ!大きな建物がいっぱいです!」


「あんまりはしゃがないで、アシュ様たちの前よ?」


「し、失礼いたしました……」


「いや、自分の都を褒められるのは悪い気はしない。大いに感想を言ってくれたまえ」


私の言葉にしゅん…としたサリナだったけどアシュ様の返答で笑顔を取り戻す。

そしていいですかと訴えかけるような私を瞳で見てきた。


「ふふっ、お許しがあったのだからお話ししましょうか」


「はい!とても高い建物がいっぱいあって凄いですね!」


「ああ、建築技術は大陸一と心得ているからな」


「それにそれに!通りを歩いている人たちのファッションもいいですね!人それぞれが個性を出しているというか!」


「そうね。オルフェリアでは民たちには制服のような決まった服しかなかったから」


「はい!こう見ていると全員が貴族のようですね!」


「さすがにそれは言い過ぎです。この辺りは一般の方たちの店舗や住まいがある場所ですので。驚くのはこれからですよ?」


「ほ、本当ですか!?」


「ええ、期待してください」


興奮するサリナに向かってまだまだ期待感をあげていくリアス。

サリナの反応が面白かったのだろうけどあまりからかわないでほしいのだけど。


そうして窓からの風景を楽しんでいると、


「ここからは王都の中心部、高級住宅街や大型店舗、それに国の施設などがある場所だ」


「わぁ……」


転生者としての私であってもさすがにこれは驚くしかなかった。

大きな屋敷が整然と並び、それらが白色で統一されている。

白の街並みが続く道のりは街路樹や花々が植えられており、神聖さすら感じられてしまう。

先ほどまで騒いでいたサリナも言葉を失い、ただ呆然と流れていく景色を見送っていた。


「素晴らしい空間ですね。まるで絵画のように思えます」


「ああ、先人から受け継がれてきたものだ。それらを大切に守っている。だからこそ、戦火にさらすことなど絶対にあってはならないのだ」


「もちろんです」


真剣なアシュ様の眼差しに私もまっすぐに返す。


「これから、君の力を借りることになるな」


「いいえ、こちらもこの王国の力を借りることになりますので、おあいこですね」


「ああ、そうだな」


「ですが、国王様は承認していただけるでしょうか?」


リアスが悩ましげに表情を曇らせて、発言した。


「それは、説得次第だな」


「国王様は、やはり平和主義なお方なのですか?」


「平和主義というか……流される人だな。自分の発言をほとんどしない。言うなれば現状維持主義だな」


自分の父親だというのにあまり評価はしていないご様子。


「ですが、維持することも大切です。その点では統治を上手くなさっているのではないでしょうか?」


「そう言ってくれるのは君だけだ。一部の貴族からは影で昼の灯りのような存在だと言われているからな」


つまり、あってもなくても変わらないと言いたいみたいね。

ひどい言われようだわ。


「不敬罪で罰したりしないのですか?」


「私もそう思うのだが、父が全く気にしていないのでな。のんきなものだ」


「ふふっ、あまり権力を振るわない。そんなお人柄は羨ましいと思いますよ」


「うむ。君の父上は、その……力の象徴のような方だからな」


「はっきりおっしゃって構いませんよ。暴君なのですから」


「これ手厳しい」


「本当のことを言っているだけです」


「ははは!オルフェリアの軍神とも呼ばれるダクトレス陛下も形無しだな!」


「うふふ、そうでしょう?」


私とアシュ様が笑い合う中で、サリナとリアスは少し困惑した表情を浮かべていた。


そうして会話を楽しんでいると、馬車が停止した。


「どうやら到着したですね。降りましょう」


リアスがサリナをエスコートして先に降りると、アシュ様が私に手を差し伸べてくれる。

その手を掴み、石畳の上に降り立つと、


「……凄い」


巨大な白磁の城があった。


「王城レイシアス。大陸一美しいと呼ばれている城だ」


透明度のある堀の周囲には花々が彩り、門にはユニコーンの彫刻が施されている。

ここから全貌は見えないけど、その荘厳さは十分に伝わってきた。


「さあ行こうか」


「は、はい」


ぼんやりとしていた私に声をかけてくれたアシュ様のおかげで意識を取り戻すと、一歩を踏み出した。


すると、門が開いた。

まだまだ距離はあるのだけれどと思っていると、開いた門の中から人影が見える。


「……様ぁ!お兄様ぁぁぁ!」


長いスカートをふわふわとさせながら一直線にこちらに向かってくる少女は、アシュ様に思いっきり抱きついた。


「アイーナ……少しは大人しくしておけ」


「お兄様が居ない間寂しかったですわ!」


苦言を呈するアシュ様だったけど、少女にはまるで伝わっていない。


「紹介いたします。殿下の妹君であられるアイーナ様です」


やっぱりそうだったのね。


「初めましてアイーナ王女。私はディフェルナ・レス・オルフェリアと申します」


私の言葉を聞き、抱きついたままこちらを向くアイーナ様。

アシュ様と同じ金髪は二つで結び、くりくりとした大きな青い瞳を持つ愛らしい少女、なのだけど向けられた視線からは敵意しか感じない。


「あなたが泥棒猫ね!私は絶対に認めないんだから!」


あらあら、仲良くなる道のりはかなり遠いようね。

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