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38番目の魔女  作者: シーグリーン
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l9ms5

※惑星エスクベルの話を読了済だとより意味が分かる回

 




 ああ、御機嫌よう諸君。

 本日は少し面白い報告がありまして。



 これは我らが休眠期に移行しそうな場合、より効率的にエネルギーを補い合うための実験をしていると以前報告を上げていたものの続きになりますね。



 君は管理している人型をそのまま別の惑星に預けたんですよね。その人型にエネルギーを集めさせている、と。

 私の管轄では、別の惑星のエッセンスを加えた知的生命体を通して予め全体に行き渡らせる方法を選択しました。



 いやはや私の運営歴も随分と長くなってしまいましたから正直刺激がね?

 複数の惑星のエネルギーを混ぜ合わせてみるのも一興。



 この方法ならそのままダイレクトにエネルギーを受け渡しても拒絶反応が出にくくなるのではないか、といった仮説から始めた実験なのですがねえ。



 最初のプロトタイプ、それに力を与え過ぎてしまったのは皆様ご存じでしょうが――そうです、実験体にはメンタルケアが必要だと判明した事例ですね、近頃そのプロトタイプが変えてしまった方向性を元に戻したプロトタイプがいましてね。

 いえ、正確には元に戻したわけではないのですが、私の新たな実験をうまく流用されたと言いますか。

 転生という概念を現実にしていましたよ。



 君のところの言葉でありましたかな?

 『雨垂れ石を穿つ』とはよく言ったものですねえ。



 君のエッセンスも数滴加えたからか、君の管理する人型が生み出す物語のような流れになり面白く感じていたところです。



 人型はいつも名称をつけて定めたがりますねえ。暇を持て余すと自滅に向かい出しますし。

 自分に都合の良いものは聖なるもの、悪ければ魔のものにして排除したがる、そんな要素まで似てしまいました。

 実体である人型な時点でどちらの要素もないと存在できはしないのに。



 自らに寄せるのではなく、肩書に自らを寄せにいき自滅しそうになる性質までそっくりでして。

 人型の言う“魔”や“邪”の濾過も今回の実験に含まれていたのもあり、そちら方面の成分を多めに配合していたのでねえ、そもそも成り立ちからして“邪”なのですが。

 しかしながらここまで似た構造の発展を遂げたということは、君の休眠期には私も大いにお役に立てそうです。



 バックアップも複数用意してありますし何なら直接送り込んでも良いデータが得られそうです。

 現状、男性型にしてしまうと高確率で“王”になってしまうので女性型のバックアップしか用意できておりませんが。

 これではデータに偏りが発生してしまいますかね。



 ああ、捻じ曲げられたエネルギーの作用の仕方についてはそこの君と同じ身体強化の形で現れましたよ。

 既存の人型の上位種といった力を誇っていました。

 そう言えば、君たちは過去エネルギーが強引に混ざり合ってしまっていましたか。

 運が良いのか悪いのか。

 ――ほほ、落ち着いて落ち着いて。



 なら今回の結果は君の世界であり得た、上位種の今後あり得るかもしれない世界線、といったところですかな?

 それはそれで面白そうですね。

 違う実験結果を楽しみにしております。



 私の管轄では従来の人型の時代は上位種と共に終焉を迎えそうなのですが、まあこれも()()元に戻るだけですね。





 今回はここまでに致しましょうか。



 それでは御機嫌よう。

 また近いうち(数百年)に。











おわり


最終話タイトルの意味については活動報告に

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