93.無意識に目立つ人形
相変わらずの誤字脱字のご指摘、本当にありがとうございます。
そうしてミズキと関わった殆どの現実世界の面々が商業ギルドに集まる事になる予定だ。
今後の商売や方針に関しての共通認識を持ちたかったり、相談したかったりとミズキが自分の都合で集めたと言っても間違いではない。
ミズキと犬猫コンビはお昼より多少早めに到着し、リチャードからワールドレイドの件を問われるも、リザードマンが来てから話をする事を伝えた上で、泡だて器の進捗に関して報告し逆にリチャードの意見を伺う。
ロッタが主導で販売経路を作りそうと言う話に対しては。彼女の方が料理人に対しては顔が利く事と、実演販売までやろうと言うなら任せれば良いと言う判断だ。
この街での普及は任せて、首都に対しての新製品の登録とギルドへの紹介はリチャードがやると言うので、これまたミズキ達の出番はない。首都で登録すればグランドでの登録は終わる認識だそうで、この街で普及する前にリチャードが対処するらしい。
他国に対しては、首都の商業ギルドにしてもらい、ライセンス料をもらう形になれば労せずして稼げる事になるかもしれないが、過剰な期待もするなという事らしい。
「泡だて器で儲ける気は無かったんで、リチャードさんに任せますよ。」
「欲がねぇなぁ。」
「それとは別に確認しておきたい事と、お願いがありますよ。」
そう前置いて、貴族の依頼の扱いと報酬に関してを問い詰める。
「プロデューサーに何か聞いたか?」
「運営主導で俺に何かさせたかった様に感じましたかね。」
「その上で、お願いってなんだよ?」
「あぁ…この二人にギルド服を支給出来ませんかね?あと可能なら米も。」
「へ?あぁ…勿論やるぞ。お前、わかってて言ってるよな?」
「何の事でしょうねぇ…貴族に売る恩が存在するかって話ですかねぇ?」
「うっわぁ…まぁ、助かるけどな…」
「なら、何も言いませんよ。リチャードさんも大変なんだろう…ってとこでしょ?るぅねぇもメグさんもコレでいいですよね?」
「…ありがとう…ございます…」
と、るぅは素直にお礼を言うが、メグミは怪訝そうに問う。
「何もしてないのに貰っちゃっていいのかな…?」
「そこの人形に礼を言っときゃいいよ。依頼通りに貴族の娘さんは無傷なんだから…って事でいいだろ?」
「えぇ。依頼は完了って事で。」
「わりぃな…でも、いいのか?」
「俺もプロデューサーに妙な依頼を出してますから。それの実現を期待しているんで。」
「…お前、今度は何をやらかすつもりだ…?」
その問いに、テンの未来に関しての状況をリチャードに簡単に説明すると、何を言われたかを直ぐに理解出来なかった様だが、捻り出した言葉は…
「…それ、実現しそうな訳か?」
「プロデューサーの話しぶりからは、最低でも立体映像になら…?」
「お前、それ実現しても余り人前で目立つなよ…って、あーーーーーっ!」
話の途中でリチャードはいきなり叫ぶ。そして、ミズキに怒鳴りつけ始めた。
「お前っ!その格好で教会に死に戻ったろう?」
「ん?えぇ…エディンから馬車で戻るのが面倒で、フレンドに殴り殺されたんで。」
「「「……」」」
その場の三人がそろって呆れる…何とかリチャードが話始める…
「な…な…何してんだ…お前…」
「いや、俺って一生…ってんですかね?レベル1らしいんで、活用しただけですよ。」
「はぁ…!?」
理解出来ていないリチャードと呆れる二人に向けて説明をする。
自分の存在がバグらしく自分に経験値が入らない事、そして、レベル1未満に下がる事は無いのだから死んで戻っただけだと。
「お前の思考は理解しがたいが…理屈は理解した…その上で、その格好では今後死ぬな…わかったか…?」
「わかりませんよ…なんでなんですか?」
「あのな。その服は基本的にプレイヤーは所持してねぇんだ。ギルド服を着た奴が教会で復活したのを見た奴が服を売ってくれって訪ねて来たんだよ。」
「あぁ…それで、ジロジロと見られてたのか…」
と、教会で妙に視線を集めていた理由を今になって理解する。
「そんな訳で、そこの二人もソコは徹底してくれよ。」
「…はい…」
「わかったよ。」
「一番やべぇ奴の返事が聞こえねぇぞ?」
「あ、すいません。気を付けます。」
「とりあえず、お前が一番気を付けなきゃならねぇのは、目立たねぇ事だろうな…」
「人前で空中を歩いたりしない様にはしますよ。」
「お前は…何をどこまで出来るんだ…頼むぜ…マジで…」
「君は…一体…」
「…わたしも…そらを…あるきたいな…」
呆れる二人を他所に、自分も空を歩きたいとの希望を口に出す犬娘。
そんな話をしている処にエマから報告が入る。
「お約束のリザードマンの方々が到着しましたよ」…と。
リチャードが中間管理職の様な苦労を背負っている感じをわかって貰えれば。
ミズキを扱うのは…気苦労絶えないな…と。




