90.人間不信…?
ブックマーク>話の数…位なら良いなぁ…程度の中の人です。
話ものんびり進みます。
家にたどり着いたミズキは、部屋着に着替えてひと段落した後にログインをする。
そして宿泊所のベッドの上で目を覚ますと、すぐにテンからお声が掛かる。
『たった今、あんたがログインした事を伝えといたから。』
(手際の良い事だな…ったく。)
『呼びつけられてるんでしょ?ちゃんと早く来るなんて偉いのね。』
(まぁ、リチャードんとこはプロデューサーから伝わるとすると、どうせ説明はしなきゃなんねぇしな…丁度いいんだよ。)
『じゃ、いつもの広場ね。』
(はいはい。)
いつもと変わり映えのしない部屋の中で伸びをする。人形の体に筋肉の収縮等が関わるかは知らないが、現実世界での癖みたいなものだ。そうして巨大な飴玉に触れ外出する。
ギルド服着用だったり、女装?だったりと、以前には色んな待ち合わせが有ったものだが、今回は何がある訳でもなく普通の待ち合わせなのがある意味寂しいのか、詰まらなかったりする。
「お待たせ。」
「えらいね~、ちゃんと早く来たじゃん?」
「…こんにちわ…」
「聞きたい事があるんでしょ?長くなるかもだから、早く来たんですよ。」
「そうだよねぇ…説明して貰おうかぁ。」
「その前に…何でメッセージは、るぅねぇじゃなくて、メグさんからなんですかね?」
「だって、るぅは別に気にしてないんだもん。」
「…なるほどね…納得しました。」
「じゃ、行こっか。いつものパブで良いよね?」
「何処でもいいですよ。」
そんなやりとりの後に、いつものパブでいつものオーダーを入れる。
ミズキ自身は言うほど離れていない時間に丼を平らげていた為か、食欲自体はさほどないのだが、これはもはや習慣の様なオーダーの仕方である。
オーダーが終わると品物が来る前にメグミは話を始める。
「先に言っとくと、泡だて器の方は多分うまく片付いたよ。量産される予定の物とは違うけど、試作品を一本貰ったのと、るぅ専用のをもう一本貰う予定かな。」
「へぇ…やりますねぇ。メグさんが仕切ったんです?」
「いや…あの…るぅがほとんどやりました…」
「そっか、るぅねぇ頑張ったねぇ、ありがと。」
そう言って、るぅを目を合わせて笑う。
「…わたしは…よういされてたものを…えらんだだけだから…」
と、困った様に謙虚に振る舞うのと、実際に何をしたのかがわからず判断に苦しむミズキは、メグミに状況説明を求めてあらましを理解した上で再びるぅに話しかける。
「要は、るぅねぇが一番使いやすい組み合わせを決めたって事でしょ?ちゃんと期待に応えてくれた訳だ。ありがとね。」
そう言って手を伸ばし、無造作に頭を撫でると、
「…ふふっ…♪」
…と、るぅも素直に受け入れて、試作品を実際に見せてくれた。
実際には量産を前提に持ち手の部分は平らで簡易なものにするであろう事、ロッタが普及に向けて大量に生産を希望している様だったとの私見を述べてくれた。そして、これより更にるぅ用に調整された泡だて器が作られるそうなので、こう付け加えた。
「色々と料理も教えてね、楽しみにしてるから。」
「…うん…」
「じゃあ、るぅねぇ専用品が来るなら…もう一本注文します?…っていうか、メグさんも料理出来ます?それとも、俺と同じで習う側?」
「えー?僕は見る食べる専門でいいよー。」
「お嫁に行けませんよ?」
「ここと違って、現実には便利な物が色々あるから、多分大丈夫だよー。」
「るぅねぇは、きっといいお嫁さんになりますよ…あんな風になっちゃダメですよ?」
「…なれるかな…?…お嫁さん…?」
「あんな風って…僕…?」
そこでふと思った事を口に出す。
「そう言えば、二人は普段の休みとか何をしてるんです?」
その質問に対する二人の返答を聞いて唖然とするミズキ…休日は愚か、平日の仕事の後も結構な時間をDREAMに費やしているらしい。メグミに至っては休日にるぅの家に行って、ご飯を作って貰ってる有様だ…
「るぅねぇ…今のままじゃ、いいお嫁さんにはなれないよ…」
「…えっ…なれない…?」
「ねぇねぇ、僕はどうかなー?」
「論外でしょ…今のままだと、俺より家事出来なくなるんじゃないですかね?」
「家事だけが、お嫁さんのする事じゃないだろうさー?僕が稼ぐよ?そして主夫見つけるもーん。」
「まぁ…そう言う道もあるんでしょうかねぇ…俺、考え古いんですかね?」
「そう言う君は休日何してるのさ?」
そう問われたミズキは、休日はふらふらと散歩しての食べ歩きをしたり、休みが纏まればちょっとした旅行に出たりする事や今日もふらりとショッピングセンターに行った事と、その帰りには海鮮丼を食べた話なんかをする。
「…おもしろそうだね…」
と、羨望の眼差しでミズキを見る犬娘が居るかと思えば、
「海鮮丼ずーるーいー、何でそーゆーのに誘わないのさ?」
と、訳の解らない事を言い始める猫娘。
「るぅねぇもちょっと危ないと思ってましたけど…メグさんも大概ですね…」
「…わたし…あぶない…?」
「んー、なにがさー?」
「え?今の話って現実世界で誘えって事でしょ?大丈夫なんですか?」
「あぁ、君は安全でしょ?間違いなく。いくら僕でも誰にでもは言わないさ。」
「はぁ…俺が猫被ってたらどうするんですか…」
「その時は、僕の見る目が無かったって事かな?」
「…俺…人間不信側なんですかね…?それとも、メグさんがひとが良すぎるんですかね?」
「んー…ちなみに僕は今迄にオフでプレイヤーに会った事ないよ?でも、君は面白そう。」
そうした言葉を聞いて、ミズキはますます理解が追い付かなくなる。自分に男としての何かが足りないのか…確かに合った処でどうこうしようとは思わないが、危ないとすら思われないのか…そして、どう返答すべきなのか…そして、
「まぁ、今の処は必要も無いんで、必要があればですかね…?」
「…あいたくないの…?」
「そう言う訳でも無いんですけど…ちょっと…」
自分の感覚的には無い事を問われる。友達の定義の話の時と似てはいるが、犬娘の素直な問いに、自分の常識感覚や気持ちも良くわからなくなるミズキであった。
泡だて器の事を忘れてて話を入れたら、思った以上に変な方向に…
蜥蜴達が出るのはちょっと先になりそうな…感じです。




