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74.それぞれの行動

暑い…暑すぎる毎日です…立ち眩みが酷い一日でした…

 そんな交渉と言う名の脅しで戦争を回避したミズキは、まず最初にやる事が有る。


「ちょっと黙るぞ。運営に報告しとかねぇとな。あ、後出しでわりぃけど、次のワールドレイドは多分面倒な事になると思うぜ?」


「ちょっ…どういうことだよ?」


 声を掛けるマイクに対して、ミズキは立ち尽くしたまま黙り込む。


「本当に黙りましたね…何をしているんでしょう?」


 今迄静かにしていたリズが久し振りに声を発する。


「わかんない…でも…始めはあんた達が折れるとは思わなかったんだけどなぁ…」


「いや、こいつヤバイだろ?」


「本来は触っちゃダメな人ですよ…この人は…」


 各々がミズキに対しての感想等を口に出す。自分達も自分達で普通にやったのでは面白くないと人間以外のアバターを作り、街やギルドに拘らずに色んなモンスター相手に戦ったりして強くなっていった。運営の想定した道を通らないと言う意味ではミズキと似通った部分があり、その部分にミズキは共感した訳でもある。


 ただ、ミズキの思考の方向が運営は愚か、その運営の敷いたレールの上を外れない他のプレイヤー視点から見ても斜め上を突き抜けているのである。

 それを面白いと感じる感性を犬猫コンビは持っていた。だからこそ、面白そうだとレールを外れてミズキの後を付いて来る事にしたのだ。


 変わって、この蜥蜴三人はどうだろう?

 マイクは面白がっているが、リンクは触らぬ神に祟り無しと腰が引け、リズは少し興味を持ち始めている。そんな気持ちの変遷が目まぐるしく変化する中、奴は戻って、犬猫コンビ同様に蜥蜴トリオを驚かせるのは…テンの事だ。


「わりぃ、わりぃ、ちょっとテンに頼んで、北からの戦争の放棄の話を報告して貰ってた。」


 言葉から察するに、フレンドにメッセージでも送って、運営に報告でもしたのだろうか…?だとすると疑問が湧いて来る…気が付いたのはリンクだ。


「どういうことですか?直接、報告せずにフレンドに依頼する事に意味が…?」


「ん?いや、テンはヘルプボット…だっけ?対話できる説明書とか自分で言ってたな。」


 …


 ……


「「「はぁ!?」」」


 三人は仲良くハモる。「こいつは何を言っているんだ?」…と、言うのが本音半分、驚きや理解出来ないのが半分。とりあえず、レベルやスキル、行動概念を含めて理解出来ない事が多すぎる。


「お前らもかよ…誰でも出来るだろ…何で毎回、そんなに驚かれるんだよ…?」


「いや、ヘルプボットは解るけど…対話…出来るのか…あれ?」


「一方的に質問した事しかないよ…」


 喰らいついたマイクにミズキが返答する。


「暇な時に話したり、目覚まし代わりに起こしてくれたり、ナビしてくれたり…出来る子だぞ?テンは。最近は服を着替えたりあいつも楽しんでるみたいだぞ?」


 …再びの沈黙。


「解りました。貴方が変なのは良ーく解りました。」


「ったく…俺の評価は「変」以外にねぇのか…毎回毎回…」


「いや…変だろ…ヘルプボットと対話とか、どんなボッチだよ…淋しい奴だな…」


「最近は犬猫二人に付き纏われてるから、テンとの対話は減ったぞ?」


「そーゆう話じゃねぇ…」


「ねぇねぇ、その犬猫って女の子の獣人とか?」


「ん?そうだよ。女だと何か問題ある?」


「やっぱね。リンク、マイク。私、この子についてっていいかな?」


「お?手間が省けたな、エディンの領主んとこ行くのに頼もうと思ってたんだわ。」


「そう言う意味でも無くてね…?」


「俺も行きてぇな。コイツ面白そうだろ?何するかわかんねぇし。」


 リズとマイクが勝手について来ようとする中で、リンクだけは特にミズキに興味は無いらしい。


「まぁ…マイクもリズも好きな事すればいいですよ。私は残らないと楽しめない事が有るので。」


「なんだそりゃ?」


 リンクが楽しむ為に残る理由等思いつかないマイクはリンクの顔を見て訝しがる。

 それに対して、ミズキが横から口を出す。


「次のワールドレイドだよ。仮に停戦出来たら…運営は他の敵を用意するしかねぇだろ?」


「そういう事です。私は指揮する方が楽しそうなので。」


「リンクもリズも流石だな。伊達に好き勝手にやってねぇよな。頼もうと思ってたのに解決しちまったわ。」


「俺が抜けてねぇか?」


「お前、戦う専門だろ?頭使うのはリンクの役割っぽいし?」


「うぐぅ…反論できねぇ…」


「別にいいじゃん。俺は別に戦闘したくねぇから、付いて来るなら代わりに戦ってくれよ。俺は料理するから。」


「解らねぇ…俺には、お前が解らねぇ…」


「何が?」


「いや、強ぇだろ…お前?レベル上がったら、どうなるんだよ…マジで…」


「あー、何でか知らねぇけど、敵を倒したけど経験値が入らなねぇんだわ。俺。」


 本日3回目の凍結タイムである…そして、三人同時に…


「「「はぁぁぁぁ!?!?」」」


「そんなんだし、元々別に強さに興味はねぇよ。出来る事はやるけどな。」


「貴方…存在も思考もバグみたいな人ですね。」


「人形だけどな。んで、スキルは実際にバグらしいぜ?」


「そう言う意味ではないですが…」


「まぁ、いいじゃん?わざわざ時間を費やして遊びに来てんのに、経験値貯めとか面倒臭ぇもん。」


 RPGの概念を根本から否定する発言である。まぁ…生産職として武器を作ったりしてるプレイヤーと感覚が似ているのかもしれないが、存在にスキルに思考にと色々ズレているが、三人共、そんなミズキとの会話に新鮮さを感じたのは、例の二人と似たようなもんである。

とりあえず、蜥蜴たちがミズキを理解?する為のお話。

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