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60.思考の差

 DREAMの事なら、ミズキが知っていて、テンが解らない事なんて無いと思ってはいたが、今回の事に関しては人の心理的なものとでも言うのか、テンの理解の範疇外だったらしい。


(そんなん、プレイヤーの欲なんじゃねぇのか?)


『欲?どこに欲が絡むのよ?』


(何だっけ…あれ…そうそう、貢献度だっけか?あれの有無で貰えるアイテムだか装備があるんだろ?だから、協力して相手に貢献されるより我先にと倒そうとすんじゃねぇの?他人より先に。)


『それは解るわね、でも、相手はどうなのよ?』


(そこはほれ、水棲人のプレイヤーなんか恐らく少ないんだからさ、何だかんだでNPC?モンスター?…の指揮でも取ってんじゃねぇの?貢献度の付き方とか知らんが、敗北よりも勝利の方が貢献度も高いだろうし?)


『理屈はわかるけど…』


(俺も俺でやりたい事やってるけどさ、そのプレイヤーも人類…魚人も人類なのか…?区分がよく解らんが、多数のプレイヤーの敵として立ち回る事を楽しんでるんじゃねぇの?)


『一般的にプレイヤーの敵はモンスターだけど、そのモンスター側を楽しむのもアリかも知れないわね。』


(俺的に気に成るのは…別の事だけどな。)


『何よ?』


(言葉だよ。この世界は統一言語なんだろ?翻訳されてんのかもしれねぇけど。)


『後者ね、翻訳されてるわ。でも…どの国でも会話は成り立つわ。』


(その翻訳がモンスター相手でも成りたちゃ、おもしれぇな…と。)


 その疑問はすぐさま解消される。検索の為かテンが少し静かになった後に回答してくれた。


『………それ、成り立つみたいね。表現の為に片言に聞こえる様に翻訳されるみたいだけど。』


(まぁ、るぅねぇも片言みたいなもんだしな。)


『あんたのその凄まじい平等性というか客観性…?が、今一ひとつ理解出来ないでいるわ。』


(リザードマンのプレイヤーなんて、話したら面白そうだろ?)


『…わかんないわね。』


(わかんねぇ事を、わかりたいから、話してぇんだけどな?)


『それが人間の感覚なのね。私達は…与えられた事、知り得た事を利用は出来るけど、知る…知りたい…と言う欲求は特にないわね。』


(忘れねぇ…ってのはお前らの凄さじゃねぇかな?でも、知りたいってのは人間の強さなのかもな。)


『哲学者みたいなこと言うのね。』


(やりたいから、知りたいから、欲が有るから…人間なんか基本的にそんなもんだろ?)


『そうなの?』


(んー、だと思うぞ。だから、あの二人が良くわからん。)


『るぅとメグミ?』


(そうあの二人。なぁテン、俺と居て何か得な事ってあるかね?)


『トラブルばっかりね。』


(…もうちょとマシな言い方はないのか…でも、まぁ、そうなのかもしらんが。)


 だからこそ、何故に自分にそこまで付き合えるのかが理解できないままなのである。

 トラブルを楽しむタイプなのだろうかと、これまでも良く悩む話のタネではあった。


(まぁ、本人達がやりたいってんだから、信じるしかないわなぁ…)


『あんた曰く、言わなきゃ伝わんないもんね。メグミも言った事を信じて欲しいって言ってなかったかしら?』


(そうなんだけどもさぁぁぁぁ…なんか…な?)


『私的には、嫌だと事前に解りそうな事をするあんたは矛盾してると思うけど。』


(拘束とかか…?まぁ、あれは説明の一環だろ?話はやいじゃん?)


『まぁ、余り自分基準で考えない方が楽なんじゃないの?特にあんたは。』


(まぁなぁ…でも、無欲でってのは…やっぱりわからんわ。)


『根っこは変えなくていいんじゃない。』


(人に好かれる為に自分を変える気は、今のとこあんま無いわ。)


 そんな会話を交わしながら、わざわざ現実世界で調べる事ないな…と、感じる。

 とりあえずは、攻め込まれる事を前提に考えなければいけない心構えをしなければいけない事を自覚出来たのが一番の収穫である。

 あとは、その為に一度平日にでもスキルの練習でもするかと思いながら…


(今日もありがとな。)


『気にしないでいいのよ。これが私の仕事だもの。』


 いつもの様にテンに挨拶をした後でログアウトをした。

色眼鏡を通さない…って、ある意味凄い気がしてきますね。


200804 誤字修正

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