47.タネ明かし(途中)
やたら説明な回です。しかも、続きます。
実際の処、別にメグを拘束しなくても説明は出来たのかも知れ無いのだが、一度体験して貰った方が理解もしやすいと思った事と、同じ体験をして貰った方が説明するにあたって理解が早いだろうと言う事をわざわざメグミの拘束中に話す。
「じゃ、るぅねぇにもしたんで…覚悟して下さいね…」
…と、両手をメグミに向け、指をうねらせ、ニヤ着いた顔で両脇をくすぐる…フリをする。
そうはさせじと必死で暴れて、暴れる程に拘束がキツくなるところ迄るぅの時と同じではあるが、メグミの場合は足を拘束されているので、爪先立ちにならない分だけ、るぅの時よりメグミは楽だったりする。
「やぁーめぇーろぉー!」
「解りました。やめますね。」
「えっ…?やめてくれるの…?」
「えぇ。るぅねぇにもフリだけでくすぐってませんから。」
「なんなの?ねぇ、なんなの?それ意味あるの?」
そう言われて意味はあると肯定する。暴れただけ拘束がきつくなった事を理解して貰い後の説明に繋げる為なのだと。ただ、両腕を引っ張られ続けられている感覚のメグミも地味にキツイ。
「まぁ、もう少し我慢してて下さいね。あと、腰のナイフ借りますよ。」
そう言って、メグミが腰の後ろの鞘に差しているナイフを取ろうとすると、妙に尻尾が邪魔をしてくる…それに対してミズキが軽く脅しをかける。
「そんなに尻尾を撫でられたいんですか…?俺は良いですけど?」
「ひっ…」
短い悲鳴?をあげると、両足の間に収まる様に尻尾はもぐってしまった。
そんな中、メグミの腰の後ろからナイフを取り出したミズキは、そのナイフを内側からメグミの手首辺りに手と平行に刺す仕草をしてから手を放す。
「え?何それ?」
「…あっ…ウサギ…?」
「るぅねぇ、そのナイフこっちから引き抜いて貰えます?」
メグミは宙に浮いたまま留まるナイフに驚き、るぅは以前にミズキが宙に浮かせたウサギを思い出す。そしてミズキに促されてナイフの柄を握って引き抜こうとしても抜く事は出来ない。
「るぅ…ホントに引っ張ってる?」
「…うん…ぬけない…」
「じゃあ、今度はそのままゆっくりと押して進んでみて下さい。メグさんの手の先の方まで。」
引いて駄目なら押してみるのだろうか?言われるままに押してみると普通に進むことが出来て、そのまま何事も無く通り過ぎてしまったのだが、益々理解が出来ないままに黒い板をすり抜けてしまい、振り向けば黒い板を見る事が出来る。
「…なんで…?」
「その前に…ちょっと待ってくださいね。」
そう言って、スタスタと背中を向けて歩き出すと、いきなり拘束から解放されたメグミがふらつきながらも自由を得る。
「おっとっと…動ける…なんで…?」
「俺も理屈は解んないんですけどね、出来る事は解ったんですよ。」
そう言ってから二人の元に歩み寄り、今度はメグミにも見えるように適当な大きさの黒い板を発現させる。そして今度は持っていたナイフをメグミに手渡して頼む。
「このナイフでその黒い板を刺して貰えます?」
突然解放されて、突然目の前に黒い板が現れて、突然頼まれて、何も理解出来ないまま、ただ言われるがままに目の前の黒い板をナイフで刺…せない…刃が通らない…その状態でミズキが手を添える。
「ちょ…なに触ってって…えっ?刺さった…!?なんで?」
そのままミズキは手を放し、メグミにも手を放す様に伝えて離されたナイフは…黒い板に刺さったまま停止しているので、今度は抜く様に伝える。メグミが試すも引き抜く事は出来ない…が、再びミズキが手を添えるとナイフは軽く引き抜かれた。
「君が…触れてないと出し入れ出来ない…って事?」
「そそ、正解。まだタネは他にもあるんで、残りを今から説明しますね。」
そう言ってから、順序だてて話始めるので、二人は静かにその話を聞く。
・ミズキの固有スキルは「次元収納」と言うスキル。
・現状1㎥までの不可視の直方体(3辺)の収納箱を自由に作成可能。
・可視の取出口は直方体の面のサイズ内で自由に作成可能
・容積の合計が1㎥以内なら、現状3個まで作成可能。
・取出口の開閉は自由に出来る。
・物が入っていなければ、閉じた際に容積がリセットされる。
「…と、思うんだけど、ここまでは解ります?」
「…うん…」
「で…なんで、そんな収納スキルが僕を拘束したのさ?」
「それは多分、今迄の話からするとバグだと思うんですけど…」
そう言って、自分の過程を続けて話し出す。
・取出口から物を出し入れ出来るのはミズキだけ。
・但し、ミズキが触れている間だけは第三者でも可能。
・取出口自体は、一方からしか見る事が出来ない。
・収納途中の物体は、取出口で固定される。
「ここらはセキュリティー的な制限だと思うんですよ。けど…」
・取出口を不可視の方から入れると物体は通過する。
・物が完全に収納されていない場合は取出口を閉じられない。
「これらが絡んだバグっぽいんですよね。多分…解ります?」
「…わからない…」
「それの何が問題なのさ?仕舞わないから、蓋が閉じないだけだろ?」
その回答を想定していたかの様に、ミズキは先程るぅに試してもらったナイフの話を持ち出して説明する。
「取出口に他人はナイフを刺せない。でも、反対側からなら刺せる。これ解る?」
ミズキの問いに二人は頷く。
「でも、取出口に物が触れているからか、この途中まで刺さった状態でも取出口を閉じられなかったんですよ。」
二人共、静かに頷きながら続きを聞く姿勢を見せる。
「で、手を離して…引っぱったら…?」
「…ナイフ…ぬけなかった…」
「そうっ!抜けないんだよ。多分、俺が触れていないから。」
「でも、通り抜けてたじゃん?前にすすんだら。」
「いいねっ!それを右手と左手を180度に開いて、両方を見えない方から刺してたらどうなる?」
「あ…」
「どっちも抜けなくなるんだよ。これ、一方通行なんだよ。」
「あんな間抜けなシチュエーション、言いなりにならなかったら簡単には作れないじゃん。微妙なんじゃないの?」
そう言い放ったメグミは、今回ではなく、前回四つん這いにされた屈辱をすっかり忘れている。
そんなメグミを見て、ミズキはメグミに目を合わせて、嬉しそうに話の続きを始める。
解って貰えるようにと頑張ったら…長くなったので一回切りました。
うまく説明は出来ているのでしょうか…
元々はマジックボックスとか無限収納…みたいな能力を別の著者の方の話でちょこちょこ拝見する事があったんですが「取出口を反対側から見たらどーなってるんだろ?」…と、言う処から思いついて、派生した話だったりします。




