42.フレンド?友達?
平日の仕事を終えて週末を迎え、日課ならぬ週課とでも言う散歩で日中を過ごし終えたミズキは、、早めの晩御飯を取り終えた後にDREAMにログインすると、すぐさまテンに話しかけられる。
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何となく低い声で話しかけてくるテンに違和感を感じつつも話を聞く。
「…今すぐ、るぅなり、メグミなりにログインした事を伝えるメッセージを出すわよ。」
(ん?あぁ、いいぞ。二人はログインしてるのか?)
「えぇ…会う時は少し覚悟しなさいよ。あと振込があるから確認してね。」
(覚悟?なんのだよ?)
「会えば…わかるわよ…ほら返事が来たわよ。いつもの広場に行きなさいな。」
(返事はっや…まぁ、んじゃ行きますか。)
出掛けるにあたっての準備なども特に無く、例のギルド服のまま部屋を出る。
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ログイン早々、何を考える間も無く予定が決まってしまったミズキは、テンに言われるままに広場に向かうと、ミズキを見つけた小柄な犬人が走って駆け寄り→抱きつき→しがみ付いてくる…のコンボを喰らい、理解も出来ぬまま慌てふためいてしまう。
「るぅねぇ、何かありました?」
「…よかった…」
その直後に猫人も寄ってきて、安堵したような口調で話し出す。
「君がもう来ないんじゃないかと、冷や冷やしてたんだよ…」
「はぁ…?」
二人が何を思っているのか、何の話をしているのか理解が出来ないので、とりあえずは落ち着いて会話の出来る場所…と、言う事でいつものパブに向かうとメグミがさっさと全員分の注文を済ませて支払いをすませてしまう。
「自分の分位、出しますよ?」
「あー、僕のオススメ料理を食べて貰いたかっただけだから、こっちが持つよ。美味しかったら今度は自分でオーダーすればいいさ。」
「まぁ…そういう事なら御馳走になりますよ。」
「…めぐ…」
るぅがすぐ横で不安そうな目になっている事にも気が付かずに話は進む。
駄目だと伝えた内容すら忘れているメグミと、奢られたミズキのやり取りに不安を覚えたのだが、問題も起きない事に安堵すら覚える。
「それで、二人とも何か違和感を感じますけど、何かあったんですか?」
「…こなかった…」
「え?」
「…もう…こないかもって…」
「僕が君を怒らせちゃったから、辞めちゃうんじゃないかって心配してたんだよ…」
「はぁ?」
今ひとつ要領を掴めないので話を聞くと、平日5日間続けてミズキがログインしなかったので、辞めてしまったのではないか…と考えてしまったそうだ。その理由を二人で考え進めると、メグミがミズキを怒らせてしまったからなのではなかろうか…と先走って結論付けそうになってしまったのだと言う。
ミズキからすればDREAMは週末に遊ぶ感覚のシロモノだったのだが、二人にとっては毎日ログインして遊ぶモノだったので、お互いの感覚に非常にズレがあるのだ。
「別にもう怒っていませんよ。俺も大人げなかったですかね。」
「よかったぁ…」
「…うん…よかった…」
「それに、別に俺が居なくても、この世界は回るでしょ?」
ミズキが何の気なしに発した言葉に対して、るぅの口調が珍しく荒げてミズキの言葉を否定する。
「…ちがう…それ、ちがうっ!…止まるんだからっ!」
「君さぁ…もちょっと考えようよ?」
呆れ口調でメグミも同調する。それでもミズキは理解出来ていない。
「んー、るぅねぇ…説明してくれる?俺、前にも言ったでしょ?人が何を考えているとか言われないと考えるのって苦手なんだよ…あと、もし悪い事を言ったのなら…1回目だから許して貰えないかな?」
「…そうだったね…ゆるしてあげる…」
そう言ってたどたどしくもゆっくりとした口調で話し出す。
ミズキがログインしない間に悪い方、悪い方に考えてしまって心配をし続けていた事、自分の中でミズキは知り合いと言うよりも友達なんだと言う事、そしてミズキの勝手に自分が必要とされていない様な発言に悲しくなった事…説明し終わった後に、質問をぶつけてきた。
「…ミズキちゃん…わたしたちは…ともだち…?」
「えっと…フレンド…でしたっけ?それ?」
「だーかーらー…違うって!僕達って、もう友達じゃないの?…って聞いてんの!」
脇で聞いていてイラついたメグミが口を挟む。
「現実世界だったら、友達になれそうですけどね。この世界でも友達でいいんじゃないですか?」
「…そっか…それならいいよ…♪」
「なら、友達相手みたいに接してよ、君も。」
「はぁ…そんなに簡単でいいんですね?友達になるのって?」
「僕らが良いって言ってるんだから、それでいいんだってばぁ…」
「…ともだち…♪」
「おねえちゃんなのか…友達なのか…よくわかんないですけど、仲良くしてくれるって事でいいんですよね?」
「君…ほんとに理屈っぽいなぁ…そんなんじゃ、モテないよ?」
「あぁ…確かに先月、彼女に振られましたし…そこらが悪かったんですかね?」
あっけらかんと放つその言葉にその場の空気が一瞬凍り、どうすれば良いか解らなくなり混乱するメグミは必死で謝罪の言葉を絞り出すが、そんなものはどこ吹く風と受け流す。
「え…あ…ご、ごめん…ね?悪い事…聞いちゃった…かな…?」
「ん?別に大丈夫ですよ。まぁ、振られてなかったら、多分これやってないし。DREAMは楽しいし、メグさんが言う様に俺が何かしら悪かったんだと思いますよ。」
るぅは友達と認識された事だけをもって満足し、ミズキは彼女の振られた事に何の未練もなく振る舞う中、メグミが一人困惑している処に、ミズキは二人に対して感謝を伝える。
「でも、ありがとね。二人共、俺の事、心配してくれてたんでしょ?」
…と、さも何もなかったかの様に。
自分の常識、他人の非常識的な話です。
やっとミズキが出てこられました(笑)




