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36.振り返る(るぅ・メグミ編)

 商業ギルド員になった二人はギルドを出て歩きながら話を始める。


 今後の冒険者ギルドの対応に関してや、商業ギルドの件をポツポツ話始めるが、歩きながらもどうかと言う事で行きつけのパブに立ち寄って、いつも通りのシードルとウェッジポテトをオーダーして、飲み食いしながら話をする。


「けど、今日はやっちゃったねぇ…けど、あれ位で機嫌損ねるってどーなのあの子?」


「…あれ…めぐがわるいでしょ…?」


「そりゃ、悪いかもしれないけどさぁ…」


「…きょうも…たぶん、めぐが来たから、おごる事ができなかったんだよ…?」


「どーゆう事?それ?」


 るぅは奢る事に関しての経緯を簡単に説明する。

 ムーノからコークへの帰路の事は話しているので、その御礼に食事を奢ってくれようとしたけど所持金不足で割り勘になった事と、それに付随して今日は奢ると言う話でメッセージで呼ばれたのに割り勘になったのは、メグミが勝手に付いて来る事になった為に所持金に不安を覚えたのでは無いかという事。

 あまつさえ勝手に奢られようとした挙句に「甲斐性が無い」だの「器が知れる」だのと軽口を叩きまくったメグミに対して、ミズキが腹を立ててしまったのではないかという事…これらは、るぅの想像でしかないのだが。

 対してメグミはそれらを理解出来ない事もないのだが、どうしても自分に当てはめて考えてしまっていた為の疑問を口に出す。


「はぁ…でも、3人分の食事代位は持ってそうなもんじゃない…?」


「…ミズキちゃんは…はじめたばかりなんだから…」


「あ…あぁ…そっかぁ…余りにも常識外れな体験ばかりさせてくれるもんだから、あの子がレベル1なの忘れてた…僕があの子の機嫌を損ねまくってた訳だよねぇ…相当やらかしちゃったねぇ…こりゃ。」


「…むりに…つっかかったりも…だめだよ…あぁいうの…?」


「あれは…あの子が調子に乗って挑発して来るから…」


「…それでも…むりはダメ…」


「ごめん…でも、尻尾の件は酷くない。僕は触られ損だよ?」


「…じごうじとくだよ…あと、ごめん…は、わたしにじゃ…ないでしょ…?」


「そうだね。でも…まだ機嫌を直してくれるかな?…僕と話をしてくれると思う?」


「…おこらせたから…あやまるんでしょ…?」


 現実世界なら、中学生が大人を怒っている様にしか見えない状況でも、この世界なら普通にあり得る事なので回りの誰が気にするわけでもない。現実世界でも二人の関係はこの調子で、るぅはいつも何かをやらかしたメグミを諫める役なのだ。

 自分が悪い事をなかなか素直には認めずに相手に責任転嫁しがちなメグミを、るぅはいつも納得させてきているのだ。自己主張が下手な分、相手がどう考えているかを考える事が多いるぅは、妄想…とでも言うのかそう言う方面の想像に長けており、今回は偶々ピタリと状況を当てている。


「…それに…あぁなったのは…わたしの為でしょ…?」


「えー?なんの事かなぁ?」


 るぅはクスっと笑い、トボけているであろうメグミに助け船も出しておく。


「…ありがとね…こんど…わたしもいっしょに謝ってあげるから…」


「るぅー……ほんとありがとね。よしっ!それじゃ今度は僕が奢ってあげればいいよねっ!」


「……だめだよ…それ…ぜったい…」


 今度は溜め息交じりに注意を促す…ミズキとメグミの次の対面に不安を覚えつつも、次の話へと話題を変える。


「…それで…ぼうけんしゃギルドは…どうする…?」


「るぅは辞めるんでしょ?僕も…僕の意志でやめるよ?」


「…それでいいの…?」


「僕は、るぅと遊びたいんだよ?るぅは…僕と遊ぶの嫌なの?」


「…いやじゃないけど…」


「じゃ、いっしょに遊ぼうよ♪」


「…うん…」


 ただ真っすぐに思った事をぶつけてくるメグミに、これ以上何か言うでもなく黙って頷いた。


「よーーっし!その為にも、それまでにやれる事片づけちゃいますかぁ。」


「…そうだね…」


「じゃ、明日はチャチャっとギルドで手続きだねっ。」


「…めぐはげんきだね…いつも…」


「終わった事はどれだけ考えても仕方ないって、次に何するか考えなきゃ。過去は変わんないじゃん?でも、未来は自分次第ってね!」


「…はんせいは…しようね…?」


「…そうだね。」


 最終的にはお説教で〆る様な形にはなったものの、ギルドの脱退を決定事項に決めて明日も共に行動しようと、靄が晴れた様にすっきりした表情で宿泊所に並んで向かう。

 次にあの子に会うまでに、自分たちがやれる事をやってしまおうと。

 今度会ったらどんな不思議な事に巻き込んでくれるのかを想像しつつ、二人で尻尾を左右に揺らしながら。

自称保護者は、被保護者に諫められると言う(笑)

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