12.はじめての食事
色々と機能有れど使いこなしていない自分が居ます。
変更点ですが、前日に予定投稿出来る時は朝8時に投稿しようと思います。
それとも7時位の方が良いのでしょうか?
そんなこんなで外に出ると、すっかり朝になっている。「次元収納」で色々と遊んでいる内に朝になってしまったと言う訳だ。
(なぁなぁ、寝てないのに全然眠くないんだけど?)
『プレイヤーは現実世界できちんと睡眠を取っていれば、DREAM内での1回程度の徹夜は特に問題ないわ。』
(NPCだっけ?エマさんとかは寝るのか?)
『こっちの住人は普通に毎日寝る様に設定されてるわよ。プレイヤーに合わせてギルド施設なんかの常時空いてないと困る施設はフルタイムで空いているけど、日中開いてる店もあれば、夜しか開かない店もあるから、気が向いたら色々回ってみればいいんじゃない。』
(夜の店が開くのを待つとか面倒だな。)
『そういう時は、自分の簡易宿泊所でショートスリープ出来るわよ。現実で寝るのとは少し違うけど、DREAMで6時間、現実時間で15分飛ばせる…と言うか、休めるわ。』
(ふーん…でも、疲れないんなら6時間分歩き回った方がいいな!時間が勿体なくね?)
『良い、悪いを判断するのは貴方よ。本来NPC同様に24時間の内に1回休む位が良いわ。』
(りょーかいっ!)
そんな会話をしながらテンの案内で乗合い馬車の発着場に向かう。現実で言えば、高速バスのターミナルみたいな場所だ。そこでムーノ行のバスについて係員に聞くと「1日3便、8時間おき、乗車時間は1時間、価格小銀貨2枚」…と言う話が聞ける。因みに次の出発は2時間後だった。気付いていなかったが助かったのはムーノ迄の往復運賃が手持ちで足りた事だ。
(しかし、2時間ただ待つのも暇だな。テンは時計持ってんの?)
『私は解るわよ。ミズキもステータス開けば確認出来るわよ。』
(テンが教えてくれるなら、それでいいよ。)
『とことんマイペースね。』
(テンは俺を助けてくれるんだろ?それに話のネタがあるのは良い事だ。)
『…モノは言い様ね。』
(テンは何の用も無い時に声掛けないじゃん。だからこれでいいんだよ。)
DREAMでは時計は普及している。とりあえず発着場にはアナログ時計がある。
こんな会話をしつつ…時間を潰すと言う事で、なんとなしに商業ギルドに行く事にしたんだが、商業ギルドに着くと、偶然エマさんと出会う。
「あら、ミズキさん。お早いですね。」
「夜通しで、スキルの練習をしていたんですよ。」
「勤勉なんですね。」
「遊んでただけなんですけどね。エマさんは仕事が終わった感じですか?」
「えぇ、軽く朝食を取って帰るつもりですよ。」
エマはふと気付く。目の前で目を輝かせ始めてエマを見つめるミズキを。
そして昨日の出来事を思いだす。米の話だけで暴走しまくったミズキを。
その事から暴走し始める前に先手を打つ事にする。
「あの…ミズキさんも朝食、御一緒しま「是非っ!」…す!?」
「は、はい…御一緒しましょう…」
昨日一度経験していただけに、急に手をつかまれたり、至近距離でのぞき込まれる事は回避したものの、この人の前で食べ物の話をするのは控えよう…と、心に刻む。
ミズキもミズキでこの世界で食事をした事が無い為に「朝食」…と言う言葉に好奇心が顔をのぞかせ、さもあたり前と食い気味に二つ返事で快諾する。こうして、エマはミズキを連れてすぐ近くの行きつけのカフェに赴く。
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「いらっしゃーい。お?エマちゃん、今日は一人じゃないんだね。」
「えぇ。昨日入ったばかりの新人さんなんです。」
「女の子じゃなくて、今度は彼氏でも連れてきなよ。」
「勤務時間がバラバラで、そんな暇はないんですっ!モーニング2つお願いしますねっ!」
「あいよっ」
エマと店の親父さんが常連だと感じさせる会話を耳にして、なんだか和む。
因みに代金は大銅貨4枚の先払いである。
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「あっ、私と同じもので良かったですか?」
「大丈夫ですよ。けど、エマさんも大変ですね。」
「昨日はちょっと色々ありましたので遅くなりました。リチャードさんとも話をしてましたし。」
「そうですか。体を壊さないに様にして下さいね。」
「ありがとうございます。」
実は会話はすれ違う。ミズキが昨日と思っているのに対し、エマと出会ったのはここでは一昨日なのだ。
そんなこんなの話をしていると、目の前にワンプレートの朝食とマグカップに入ったホットミルクが運ばれて来た。プレートにはバターの乗った固めのパン・豆の煮物・ソーセージ・目玉焼きが乗っている。これで400Pなら安いんじゃないだろうか?
白米を食べる事叶わず、DREAMで初めて口にする食事をドキドキしながら食事を口に運ぶ。食べ慣れない食事ではあるが不味くない。むしろ、ここが現実では無いというのが解らないと感じていると、エマが話しかけてくる。
「お口に合いませんでしたか?」
「いえ、美味しい…そう、美味しいですっ!」
「そ、それは良かったです。この店は私のお気に入りですから。」
相変わらず食べ物の事で興奮するミズキを見て少しひくエマ。それでも、自分が普段口にするものを褒められて悪い気がする訳でも無い。もくもくと食べるミズキをみつつ軽く微笑み返す。
食べている最中のミズキとエマとの会話は先日の話程度だったが、裏でミズキはテンとの会話をし始める。
(そう言えば、俺って人形じゃん?今更だけど味を感じるんだな?)
『今更!?その辺は仮想現実だと受け入れなさいよ。簡単に言えば、味をデータ化して与えているのよ。』
(…その言い方は、飯が不味くなる。)
『貴方が聞いたから答えたのよ。ありがたく味わいなさい。』
(はぃ。)
そうこうしている内に二人共が完食した処でテンが声をかけてくる。
『そろそろ馬車に向かわないと乗り過ごすわよ。』
(さんきゅ。)
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「では、ごちそうさまでした。私はそろそろ時間なので先に出ますね。」
「はい。私は帰って休みますけど、ミズキさんはこれからお出かけですか?」
「えぇ、卵の仕入の為に、乗合馬車でムーノに行く予定です。」
「そうなんですね。道中お気をつけて下さいね。」
「ありがとうございます、行って来ますね。」
ありきたりの言葉を交わして席を立ちながら会釈する。
この世界で初めて食べた食事に満足しながら、米の事で悩んでいた事もどこ吹く風、目的地に向かう為に店を出て歩き始めた。
やっと食事が出来ました。




