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瀧川兄妹異世界転移する!  作者: 大石次郎


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75話 雷剣

→→→→→ずっと妹ターン



3層、雷剣のオーランの拠点が見える物陰まで来た。ここ寒〜っ。

でもヒロ兄、「やり辛い」とか言ってミトンを取って下に付けてる指抜きグローブだけにしてマフラーも取っちゃったよ。


オーラン対策に装備してる雷耐性の『(つづみ)の指輪』に加えて冷気耐性の『灯火(ともしび)の指輪』も装備してるけど、ヒロ兄は冷気弱耐性スキル取ってるからだろうね。

見てる方が寒いけど。


でもって、この層は普通に攻略したら徘徊してるモンスター強いみたいで、拠点の周りに配置してるユケン一味の使役モンスターも強い!


背に岩を背負う超大型のワニ型のモンスター、『ロックアーマークロコダイル』を数十体配置してるっ。モンスター資料によればこのワニ、トロルも捕食しちゃうヤツだよ! 強っ。


「では、手筈通りミラリカと鍵師の技を持つ者1人以外の我々は『遊び女(あそびめ)のワンド』を基点に、拠点全域に誘惑効果を狙います!」


「頼むよ」


「頑張ってね」


「お願いしますね」


11人のアクアピープルの皆さんが、1人が持つ誘惑効果のワンドに魔力を集め、


「「「ティンリ!!」」」


誘惑魔法を発動した。シュワワ〜ン、て感じの強力な魔力の波動が拠点を包むと、


「「「ッッ??!!!」」」


ロックアーマクロコダイル達は一斉に錯乱して同士討ちを始め、拠点でも大騒ぎになりだした。


こっから私の仕事!


「パフオ(浮遊)!ムート(念力)!」


私、ヒロ兄、ミラリカさん、鍵師人魚の人、の重さをゼロにして浮かせてから超高速でワニさん達をスルーして拠点にGO!!


「思ったより速いかも?!」


「いいなコレ」


「うわわっっ?」


「元々浮いてるから変な感じですぅ??」


拠点の城壁を越えてから大混乱の敷地内の上空で事前の調査や探知の情報ベースに、


「オーランの私室はあっちだよね?」


なんて確認してると、


バリィッッ!!!


私室の屋根が電撃で吹っ飛びっ、軽装だけど一応防具を身に着け雷属性の小振りな大剣を持った岩魚型魚人オーランが飛び出してきた!


『帯電浮遊』スキル持ちのオーランが笑って構えると、ヒロ兄はエアステップで、ミラリカさんは『水生成』スキルと『流水(りゅうすい)飛行』スキルで突進! 私は慌ててややこしくなるから2人の浮遊と念力を解除っ。


それに合わせてオーランも『帯電加速』スキルの併用で急加速で突進して三者は宙で激突した! ヒロ兄はエアマスター、ミラリカさんは水属性の三叉槍『サハギンキラー』を打ち込んでるっ。


「カズネさんっ、守備魔法を! あとあの広場は訓練や大型の獲物の解体に使ってるようだからトラップはないはずですっ」


鍵師の人魚の人提案的確ぅー!


「うんっ。ドガラ!」


私は全員に守備魔法を掛けつつ一先ず自分と鍵師の人魚の方を着地させる。

同時に浮遊と念力を解除された鍵師の人魚の方は自力で地表を滑るように浮遊しながら『ツインクロスボウ』で支援のタイミングを伺いだす。


「んん??」


自分だけは浮遊と念力を解除せずに浮きながら、私も援護のタイミングを計るけどもう3人が速過ぎて···

ただどうも、ヒロ兄とミラリカさんは有利になる広場に着地させようと誘導中。


オーランは空中戦のままだと不利だとは見てるみたいだけど、広場は避けて拠点の屋根に着地しようとしてる。調査資料だとここの屋根にもトラップがあるから利用したいんだろね。


一進一退。でも高度はジリジリ下がってる。


「カズネ! ミラリカさんに回復をっ、電撃が水越しにちょっと通ってる!!」


これは事前に危惧されてたっ。でも守りが堅くてもオーランの機動性にノッコはついてけないだろうから、ていう配置だった。


「サティマは結構ですっ、動きが止まるので!」


「は、はい。大丈夫かな?」


見知ったミラリカさんの気配に発動を合わせるっ。


「アティ!」


ミラリカさんが治癒の光に包まれる。でも麻酔してないから絶対超痛いヤツっっ。


「っっっっんー! 痛くないですっ!!」


ド根性で堪えて回復してっ、突っ込んで槍を打ち込むミラリカさん! 凄い冷や汗っ。


ガードされたけどちょっと隙! ヒロ兄が作業ナイフを投げ付けて牽制してからホップリングを『頭上』に発生させて真下にオーランを吹っ飛ばした。しゃっ。広場に向けて落ちてる!


鍵師の人魚の方がツインクロスボウを撃ち、私は当て易くて速い風魔法のズマを放ったっ。


「邪魔臭ぇ!」


拡大した電撃の剣で風の刃と2本の矢を打ち払うオーランっ。

そこへヒロ兄とミラリカさんが追い打ちに掛かるっ。


「せぇあっ!」


「えい!」


オーランはついに広場に叩き付けられたっ!


鍵師の人魚の方はツインクロスボウを捨てて、『金属の投網』をオーランに投擲! 切断の一手間を掛けさせ、ヒロ兄とミラリカさんにさらに追い打ちさせるっ。

けど、爆発的な踏み込みで2人を突っ切ってっ、ボーラ(捕獲用分銅)を構えていた鍵師の人魚の人と守備魔法ごと交錯し斬り捨てた!


マズいっ。


「サティマ! アティ!」


慌ててまだギリ生きてる鍵師の人魚の方に、麻痺魔法と回復魔法を掛けて応急処置だけはしていたら、どんどん加速するオーランがヒロ兄が旋回して投げたジャベリンやミラリカさんが放った水の刃を軽々避けて私に迫ってくるっ。


浮かせたままの方がまだやり易かったじゃんか!


私は守備魔法の障壁とディフェンドウィップを斬り裂かれながら、浮遊&念力の高速回避でどうにか後ろに回避したっ。

コレは頭使った方がいいかも?!


「海老かよっ、テメェ!」


「海老じゃないもん! ラスタ!!」


めちゃくちゃに無属性弾を撃って牽制しながら、考えろ考えろ考えろ!! ヒロ兄達も攻めあぐねてるっ。

待って、なんかこういう速いヤツ前にもいたよね!


「カズネ! 浮かせるアレっ」


「それだぁーっ!!」


なんだけどっ、広場結構綺麗にしてあるから目立つのは霜柱と端に氷がちょっとくらい。


賊なのに綺麗好きかーいっ。いやでもっ、凄い水の渦を纏ってるミラリカさんが目に入った!


「ミラリカさん! 水の粒を広場にバラ撒いてっ」


「っ!」


「チッ」


舌打ちして、オーランはミラリカさんに襲い掛かったけどこれはヒロ兄がガード! 速さについてけなくて、斬撃は受けても電撃はくらいまくってるっ。アクセサリーなかったら3手くらいでジ・エンドだねっ。それでも、時間は作れた。


「撒きますっ!」


ミラリカさんは水の粒を広場全体に撒いた!


「パフオ!!」


全部浮かせる! 寒さに速攻霜付きだしてるけど、広場は浮遊する水の玉に覆われたっ。


バババッッ!!


霜付いた水玉に激突して減速するオーラン。機神の指個体程は硬くないからダメージも受けてるっ。


ヒロ兄は山刀を投げ付けつつ銀のバックラーを電撃斬りで斬らせて、感電しながら槍の石突を相手の右膝を内側打ち込んでボキッと折った。痛そっっ。


踏ん張り効かなくなった相手をホップリングで浮かせる! 私は、


「ムートっ!」


邪魔になった水玉を念力魔法で退かせるっ。


エアステップで真上を取ったヒロ兄に電撃斬りを打とうとするが、ミラリカさんに水の刃で大剣を弾き飛ばされるオーラン!


「こりゃ景気悪ぃぜ」


「せぇああっっ!!!」


石突の方でドラゴンハントを打ち込み、広場に激突させて地面を陥没させ、ヒロ兄はオーランを昏倒させた。

解除してもう凍った水玉もとい氷玉は広場に落とした。ここだけ見たら映えそう。


「対策して奇襲して4人掛かりでどうにかこうにか、だな」


跳ねて着地するヒロ兄。よし、私は大怪我した鍵師の人魚の人のレスキューに向かうよ。


「大捕物でしたね〜」


ミラリカさんもさすがに疲れて、浮遊せずに槍を杖にして地面に魚の身体を接地させてた。


「怪我、大丈夫そう!」


鍵師の人はハイポーションとブルージェムを触媒に回復魔法を使えば、助かりそうだった。


拠点の同士討ちの混乱も収まりつつあった。3層の制圧は成功だね! 他の層の皆は上手くいったかな?

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