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瀧川兄妹異世界転移する!  作者: 大石次郎


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76話 焦げたケープと肉

→→→→→ミラリカターン



3層まで水晶通信機を抑えた状態で制圧できましたね。1層、2層の班とも3層で合流できました。


物凄く疲れましたね! ボルッカさんとレンテさんはかなり消耗してますし、私以外のソーマセノの選抜隊員も継戦できそうなのはあと28人だけです。


正直、私は地元ギルドに氷穴の祠を見せてもいいと思ってます。今後もこんなトラブルはあるでしょうし。でも、


私の兄が切っ掛けなのでなにも言えないのです!!


トホホ···


「ミラリカ、3層手強かったそうですね。ジンジャーティーを使ったアイス乗せ滋養円盤です。どうぞ」


わりと元気そうな1層担当のナンクゥーさんから労って頂きました。


「ありがとうございます」


焚き火の前ですが、アイス食べてる私とナンクゥーさんを大体の人達から微妙な顔で見られてますが、美味しいですねコレ。


「眠ってくれたぜ? あとで怒られそうだが」


ボルッカさんは一番ダメージが酷いレンテさんに睡眠薬入りのお茶を飲ませて眠らせていました。


穏やかな顔で寝てらっしゃいます。


「撤収隊員はレンテ教官も脱出の鏡でソーマセノ郷まで帰してやって下さい。現地ギルドにもよろしく。ボルッカはいけるのか?」


指示は中々的確なヒロシ君。来訪者なのだそうですが、ギルドの手続きなんかは世話好きなボルッカさんがサポートしてくれてるみたいです。


「援護と飛行絨毯くらいだな。前衛はキツい」


「ウチは元気やで! 今、『宿の豪華弁当』を食べて元気モリモリやっ」


「フルパワー1回分ですね。ボクもまぁ、移動中もノッコに運んでもらって仮眠を取れたので」


「私、ディフェンドウィップ壊された〜」


でしたね。それでしたら。


「予備の品ですが、私の『ガードワンド』を使って下さい」


私は守りの障壁を張れるワンドを差し出しました。


「いいんですかミラリカさん?」


「どうぞどうぞ。攻撃はできませんが守りの力はディフェンドウィップと同じくらいです。魔力の底上げや魔法の基点にもなりますよ〜」


「ありがとうございます。お借りします! やった〜。杖だー。魔法使いっぽい」


「いや、魔法使い職だからな? カズネ」


一先ず仕切り直しですね。


小休憩後、私達が祠に突入してから約2時間半が経っていました。


「では、ゆきましょう。ここからが本番ですからね!」


焦げてしまってる防寒ケープを羽織った私は、水門のオーブを手に浮き上がり、皆に呼び掛けました。



→→→→→ノッコターン



4層さっむ〜っ!! カズネとナンクゥーは寒いの苦手やからアクセサリーと防寒具着込んでも足らんくて、ガタガタしてるわ。


「ひ、ヒロ兄っ、ユケンの拠点に着く前に遭難するっっ」


「眠くなってきました。思い、出を、ありが、とう···」


「あんまり多用はよくないらしいが、ボルッカ、『レッドポーション』飲ませよう」


「おう」


ヒロシとボルッカが火属性の栄養ドリンクレッドポーションを2人に飲ませやった。


「「ぷはーっ?? 熱ぅーっ??」」


2人とも復活や!


「ええなぁ、ウチもほしいわ〜」


「いやあとで胃がもたれたりトイレ大変だったりするみたいだし···」


「やめとけやめとけ」


ウチ、胃、丈夫やのに···


て、そんなこともありつつ、ウチらずんずん、ミラリカさんに水門オーブを使ってもらってユケンの拠点の近くまで来たんや。


3層までの拠点に比べるとまだしっかり作られてなくて簡素。規模も手狭で、元々あった緊急避難用の魔除けの野営地をちょっと広げて作ってる感じやった。

でも拠点警備に『レッサードラゴン耐寒亜種』2体置いてる! ド〜ラ〜ゴンっ! 美味しそう!!


「おかしいですねぇ。気配があまり···探索に出てるのでしょうか?」


ミラリカさん、あんまりドラゴンに興味なさそうや。めちゃ美味しいのに···肉、コリコリしてるのに···


人魚の人らの探知系の人らがこの距離から念入りに調べ始めやった。


「ノッコ、よだれが凍りつつありますね」


「ハッ?!」


ナンクゥーにバレたっ。


「ドラゴン食べたいって思ってたよね?」


「うっ」


カズネにもバレたっ。


「前リラキアの高い店でウマいウマい言ってたかんな」


「あ〜、なんか『コリコリしてる』て連発してたな」


観察されてる〜〜っっ。


「ウチ、そんなドラゴン肉興味ないしっっ。語彙も一杯あるしっっ」


言った側からお腹がグ〜っ、て鳴った!


皆に笑われたぁっっ。近くの人魚の人達にもぉっっ。『この子食いしん坊さんやなぁ』て思われてる〜っっ。


ウチが真っ赤になってると、


「ノッコさん。ドラゴン肉はまた今度です! 拠点に残ってる数名の会話や彼らの攻略資料を探知観測した結果、ユケン達の本隊は5層への直通ルートを見付けてしまったようですっ。それは我々の知るルートと合致してます!! 5層は祭儀的な階で、正規ルートは吹雪の中を直進するだけですっ、非常にマズいです!」


慌ただしくなる皆は、拠点はスルーで出発に掛かりだすっ。えー??


「お、お肉···」


「諦めましょう。あのドラゴン達の幸運に乾杯、です」


ナンクゥーに促され、ウチも泣く泣く皆についてったわ。


またな、肉!!

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