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瀧川兄妹異世界転移する!  作者: 大石次郎


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57話 ジャバウォック

→→→→→兄ターン



「スケベ心十倍ワインだって?! トルチャ〜〜〜っっっ」


「いやいやいやっっ、事故! 俺、被害者! 軽いボディタッチだけだしっ」


姫将軍との話の後、一旦用意されたテントに入ると、唐突に『断罪チクり』が発生した。


「ウチ、さらしをペロンって剥かれた!」


「ボクのウンディーネの顔に『百裂舐め』をされました。2割程感覚がフィードバックされますから!」


「おもむろにショートパンツ(トルチャは夏のビーチみたいな簡単な格好をしている)を脱いでからヒップアタックされたわ···」


「トルチャーっ!! ディノ(爆破魔法)!!!」


「ぎゃあああーーーっっ!!!」


取り敢えず、テントに穴が空いたので別のを用意してもらったさ···



毒対策にニンフの指輪! 炎対策に吉田さんから水属性の『雨蛙の指輪』も借りてる!


準備万端っ。

ボルッカの駆る飛行絨毯に乗った俺達は直接参戦しないザセウ王と負傷しているミリーとさっき負傷したトルチャに見送られ、飛行能力の無い数百の兵を難民の護衛に残した姫将軍率いいる大飛行部隊と共にジャバウォック狩りに飛び立った!!


「800はいる飛行部隊だ! オイラも上から発破玉落とすくらいはできるしな。『殺せる武器』もあるなら案外余裕じゃないか?」


「そうね。不死性を克服できるなら、上位竜でも討伐できそうな戦力ね」


「ボクは今回ウンディーネでブレス対策に専念しましょう」


水属性の『ブルーポーション』をウンディーネに飲ませ、ブルージェムも食べさせてるナンクゥー。


確かに戦力的には···でも、


「その、ぶくぶくフード、てのが意味不明過ぎるな。なんなんだ?」


「ネーミングセンスが妖精界った感じだよね」


「ようわからんけど、出てきたら、きゃーん言わしたんでっ」


「魔法的には妖精王が衰えて封印が弱くなってるようですし、その遠雷の主という邪霊の眷属かなにかが活動しているのかもしれません」


「あり得る話ね、やたら封印の魔獣達の解放しようとしてるみたいだし」


「うーん、見た目と行動以外、あまり聞けてないからもうちょっと聞き込みしたかったんだけど、いきなり討伐になっちゃったからなぁ」


俺は携帯し難いから取り敢えずペーパーナイフ型に戻したヴォーパルの剣を手に取って見てみた。


変わらず淡い虹の光を放ってる。


案外簡単にいけそうな? いや不確定な? どっちつかずな気分のまま、俺達は大飛行部隊と共に輝きの森の西へ西へと進んでいった。



→→→→→妹ターン



とうとうきたぞ? ドラゴン退治! ファンタジーの王道だっ!


と密かにワクワクしてたんだけど、


「プフポハッシュシュムッッ!!!」


森から変な声で鳴きながらヌッと姿を現したヌメヌメしてるナマズのような、トカゲのような、蛇のような、とにかく結構気持ち悪いソイツはっ、


「おっきくないっ? いや、おっきくないっっ?!」


大事だと思ったから2回言っちゃったよっ!!


山っ。小山ですよ! 小さな山がウネウネと暴れてらっしゃるよ!!


「育ってはいるが、怯むなっ! 攻撃開始っ!!」


姫将軍の号令に合わせるようにボッ!!! と初手のとんでもない規模の毒の炎のブレスが吐かれっ、これは数百の防御兵が魔法の壁を張って防ぎ、百は越える遠距離攻撃兵が反撃! 同じく百は越えるバフ兵の支援を受けた残りの数百の近接攻撃兵が一撃離脱で攻撃する!!


「プフボボゥゥッッッ!!!」


巨体をズタズタにされ、苦し紛れに周囲の森を毒の炎で焼くジャバウォック!


「あれ? ヴォーパルの剣とかなくてもいけそうだよ??」


「カズネっ、まだだ!」


ジュルルルッッッ!!


動画の巻き戻しをされたみたいにっ、あっさり再生、いや『復元』するジャバウォック!


「反則じゃん?! ヒロ兄がんばるしかないじゃんっ」


「俺以外もがんばってくれよ···」


「復活するにしても、攻撃が通る段がある! そこ狙おうぜっ」


「何度もはできないけど、近くならテレポートもできるから!」


私達は攻撃できるタイミングを探りだした。


姫将軍の軍勢の攻撃は、2回、3回、4回···


中々タイミングが合わないっ!


眼下の森はすっかり毒の炎で焼かれてしまってる。


ジャバウォックのめちゃくちゃなブレスの反撃も繰り返されていて、防御兵の損耗が激しい···


「ヴォーパルの剣の一撃に繋げろ!!」


「ぼぉ、ぼーばぁある!!!」


姫将軍の号令に反応するジャバウォック!! 復元した側からヌメヌメした翼を広げ、ブレスによる反撃ではなく『飛行』を選択した。


ジャバウォックはまずその巨体でっ、防御兵達に思い切り体当たりをして守りの結界を破って散り散りに吹っ飛ばすと、他の兵や姫将軍も無視して、私達を追い始めた。


「プフポハッシュシュムッッ!!!」


この子っ、結構賢いよ?!

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