表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瀧川兄妹異世界転移する!  作者: 大石次郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/90

29話 心臓、ドムドムしてきた

→→→→→兄ターン



「ナンクゥー、それ大丈夫なのか?」


「大丈夫。催眠分泌物だけ出して、『脳ミソは食べないように条件付け』しました。ふふ」


寝かせとこ、とナンクゥーがドリアードを使って『眠りキノコ』を奴隷商の頭にポコっと植えていた。

そのまま終始眠らさせてギムリーまで運び、冒険者ギルド支部に引き渡すことはできたが···


奴隷商の銀行口座(ATMとかはない)なり拠点の資産なりの支払い能力は不明。


だからブッ壊したゴーレムから採取した素材や奴隷商自身の装備や収納鞄の中の金目の物等から、街道の補修費や俺達への賠償金、ギルドの手間賃、それから最終的な後始末をする衛兵の辺境警備団への取り敢えずの支払いが行われることになった。


改めて件の奴隷商の資料をギルドで見てみると、『蜘蛛傀儡(くもくぐつ)のユーゼン』というヤツで、『人形遣い職』崩れの奴隷ハンター。


比較的脆弱な個体とみた来訪者やエルフ、アクアピープル(人魚族)、バルタン(鳥人)なんかを専門に、各地にいる裏稼業専門の情報屋を使って獲物を探し回る札付き者だった。


プロ犯罪者だ···


「災難であったが、今回のヤツ以下の雑魚はこれでちょっかい出し辛くなった。他のヤツらもリスク取ってまで大して高値で売れない無能力者を狩ろうというのはあまりおらんだろう。一先ず一段落だ! ほっほっほっ」


「「···」」


喜んでいいんだかなんだか。 


取り敢えず一通りは済んだから、久し振りに町長さんに会いにゆくことにした。吉田さんのことも相談しないと。


で、町役場へ。


「またややこしいことになったね。ザネルの村長も大概だ」


町長、安定の女海賊風だけど日報誌記者や一般町民の前ではめちゃ愛想いいらしい···


「来訪者がトラブルまみれになるのは別に珍しくもない。それよりワシの家! ここに引っ越ししたいのだ。蓄えはある。普通程度の小さな魔法家具をそっち指定の店に程々の値段で卸そう。マージンは破綻しない程度なら好きにしたらいい。町ではなく、あんた個人との契約だ」


全部とは言わないが、俺のイメージする異世界来訪者あるある『強気の実利交渉』を地でゆく感じの吉田さん。


「また随分、擦れっ枯らしな来訪者連れてきたね。タキガワ兄妹」


「いや、まぁ···」 


「面白い人ですよっ、吉田さん!」


「吉田じじ、木彫りで兎とか上手に彫るでっ?」


「超越的な異能とまでゆかなくても、優れた魔法家具職人です。もう小さいのしかやらないみたいですけど」


「ザネルじゃ貧民区の地下に隠れてたが、それもキツくなってた。なんかいいとこないですかい? 町長。小金は持ってますよ? この爺さん」


町長は溜め息をついた。


「そうだね。ちょっと待ちな···」


不動産? の資料を取り出し調べ始める町長。甘い感じじゃないが、基本的には面倒見のいい人だ。いいとこあるかな??



→→→→→妹ターン



紹介されたのはギムリーの自警団と申し訳程度にある国の衛兵分署(大きい交番くらいの物)がある敷地の中の使われなくなった管理人用の家だった。


庭や果樹園? の跡を含め、中々の荒れ具合だよ。


「結構ハードだね、ヒロ兄···」


「ああ、虫や鼠の棲み処になってるって、役場に苦情は来てるようだが···」


「植物と虫、ドリアードでなんとでもできます。大型の食虫植物を召喚すれば鼠も」


「ここの自警団と分署、共有食堂あるみたいやで?! ふぁ〜、リッチやぁ」


「まぁ、敷地自体魔除けや侵入者対策効果付与の塀で覆われてる。外出時に予備の警備ゴーレム1体なら実費で持ち出しOK。中の売店や食堂や医務室も使える。いい条件じゃねぇか? ちっと爺さん1人で住むにゃ広過ぎだがよ」


「ザネルの掃き溜めに比べれば天国天国。ふーむ。そうだ! お主ら、ここの2階を間借りせんか? 元々寮的な造りで2階にも風呂、トイレ、キッチンがある。地下の倉庫も使っていいぞい?」


ええ??


「ワシはもう階段の昇り降りは面倒だからの。家賃はワシの賃料の半分でいいぞう? ただし、家の管理は手伝ってもらうぞい? 人数も多いし、宿代も馬小屋にでも泊まらんとバカにならんであろう?」


「「「お〜···」」」


一軒家の間借り。そんな手があったんだ! 私達5人は一旦円陣を組んでミーティングを開始!!


「確かに私達、ギムリーが拠点だよね」


「ああ、村開拓する! とか宿敵倒す! とか特になかったしな。奴隷商には見付かったが···」


「家のリノベや管理の手間やコストはともかく、滞在費はかなり安くなるぜ? 風呂キッチン付きだしよ。融通利く。ここは警備もある。爺さんも家に人がいた方がいいだろ? 整備すりゃオイラ達のあとにも人入れられるしよ」


「こんな立派な家に住めるなんて信じられへん! 心臓、ドムドムしてきたわっ!」


「ノッコに備え、家の補強には力を入れましょう」


なんか入居はする方向に?!


で、結局なんだかんだで···


「「「よろしくお願いします!!!」」」


「ふむ」


私達はギムリーの一軒家を間借りすることになった。まずリノベしなくちゃだけど!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ