13話 エルフの村へ
→→→→→兄ターン
ギムリーに戻り、冒険者ギルドへの登録はD級(駆け出しくらい)認定で簡単に済んだ。
先に教練所に通っていたのと、C級冒険者のボルッカ経由でビッグフット退治の詳細がギムリーの支部にも伝わっていたのが利いてた。メイラルの長老の紹介状も。
『試しのオーブ』ていう魔力以外のステータスもざっと鑑定できる魔法道具でメイラルでの修行の成果も認められたし。
戸籍に当たる出自や本籍地の登記はギムリーの町長が上手くやってくれた。俺達は実在のギムリーの孤児院出身で本籍地もそこ、ということにしてくれた。
色々、色んな人にありがたい。なんだかんだで来訪者対応に慣れてるんだろうけど人の世話になって生きてる俺達、って感じだ···
「ゾフとタレップが装備の買い物手伝ってくれるって! 帰りにお茶してくるからっ」
カズネは興奮気味に宿の部屋から出ていった。お、おう。
「年頃だからそういうの好きなんだろ? このコーンカウチうまっ。評価するぜ」
部屋のソファでカウチ食べながら稗のエールビールを飲んで寛いでるボルッカ。まぁ今日はギルドに登録したばかりだし特に予定無いしな。
「···俺も、装備買いに行くけど、付いてこなくて大丈夫だから」
「おう、行ってこい。スリに気を付けろよ? オイラみたいなヤツなっ、ダハハッ」
お、おう···
俺はカズネにやや遅れ、買い物に出掛けた。
元々持ってた革装備は売って、甲羅製の鎧と籠手とヘッドギア的な軽めの兜を買った。ブーツも普通の牛革から丈夫な岩トカゲの革製の物にランクアップ!
もうここで残金厳しくなってきたが、ショートグレイブと作業ナイフだけというのも厳しいので野営や山野移動でも使えそうな山刀も一本買ってベルトの腰の後ろの鞘にキープすることにした。
ポーションとマジックポーションと聖水、野営道具類、平服や下着の着替えは間に合ってる。
収納鞄で身軽さもある。取り敢えず、今の俺の範囲ではこんなもんか···
「ちょい小腹空いたな」
なんかネオ山梨風の麺類(大体スパイシー)でも食べて、あとはカズネとボルッカに菓子でも買ってくか〜。
→→→→→妹ターン
「でさっ、そこでビッグフットにズドンっ! 目玉ザクっっ、ヒロ兄が首ボンっ! ズドン、ザク、ボンっっ!! よっ」
「擬音推すよね? あははっ」
「クロスボウ撃ってもズドンとはいわないし、ふふふ」
装備の買い物後カフェで、だ〜いぶ盛ったビッグフット退治トークでゾフちゃんとタレップちゃんの腹筋崩壊を執拗に狙う私っ! 放送部の滑舌スキルがネオ山梨語圏でも火を噴くよ?
私の装備は見習い魔女の服と帽子に変わり、ブーツは岩トカゲの革に変わった。
見習い魔女シリーズは結構可愛い感じだけど、革製の防具と同じくらいの頑丈さで魔力と魔力耐性がしっかり上がる!
ただ見た目がほんと『バイト代1か月分の本気のコスプレ』みたいで私はソワソワしてた。
トークのテンション上がり気味の要因でもあったワケよっ。
「首落ちたビッグフットから、血がドワンチャっっ!! て出て、凄い報酬よかった」
「よかったんだっ」
「ふふ、でもカズネも冒険者か〜。小隊はお兄ちゃんだけ?」
「いや、ボルッカ・ティティスてC級の人も」
「? それ、あたしの従兄弟だわ」
「「えーっ??」」
世間、狭っ。
···2日後、私達3人はエルフ族の村ヤーシュ向けて出発していた。
仕事内容は村の近くで増えた下級モンスターの駆除の手伝い。
地味な仕事だったけど「主な『人間種族』とは一通り会っておいた方が、いいぜ? 参考になるだろうしさ」とボルッカに勧めらてのことね。
瀧川兄妹的に『ファンタジーと言えばエルフ!』ということで、是非会ってみたかったしっ。
「ふっふっふっ、エルフといえば美形! イケメン揃いっ。ヒロ兄、場合によっては私の旅はここで終わるかもしれないから、お父さんとお母さんと学校の友達と放送部のみんなによろしくね」
「学校の友達と放送部までフォローするのか? 俺」
「ホウソウブ、てなんだよ?」
私達は雑談しながら魔除けの街道をてくてく気長に歩いていった。




