約束28ー再会はもっと静かにー
はっとするアルレシオ
「剣を抜くな!そこの者治療師を呼べ!!」
「アル!通常では落ちないはずよ!」
はっとしてミリアを見ると「そうだった・・・確か固有の種と、」
「魔術師とキキリクの種だ、すぐに用意を!」アウレンティーニからの指示に
「「は!!」」騎士が駆けていく
「思い出した、お前たちがおじじちゃまと呼ぶのは私が王であった頃の魔術師長であるガートルードか」
懐かしそうに目を細め記憶をたどるアウレンティーニ
「アウレンティーニ様・・・いったい何が」
困惑をその表情へ乗せるクルル
「その紅をどこで手に入れた?クルル嬢」
「何のことでございましょうか?私は・・・侍女たちが用意したモノを身に着けているだけにすぎませぬ」
「王宮の侍女がそれを用意したと?」
「はい」
眉根を寄せるアウレンティーニ
「詮索は後にしよう、とにかく今はその紅を落とす事が先決だろう」
「あの・・・アウレンティーニ様、いったい私には何の事だか・・・それより、その娘は恐れ多くも陛下の御名を呼び捨てにしておりますれば早急にとらえるべきでございます。」とミリアを見る。
「・・・そのことも後だな」
「そんな!はっ!あ、あのでは私との約束の・・・こちらを?」
すっと捧げ持つのは金平糖である
(あれは・・・)アウレンティーニが手をだそうとしたが、そっとその手を両手取るミリア
「アウレンティーニ様・・・」
と近寄ろうとするクルルへ
「近寄らないで」
キッと睨みつけるミリア
(もう我慢しない!この方に触れさせなんてしない!)
「それは約束の品ではありません」
アウレンティーニの前へ出て、彼を守るかの様に背に庇うミリア
「何を言ってるの?!騎士達よ!早くその娘を!」
「アウレンティーニ様との約束の品?知りもしないで・・・金平糖ではないわ」
ふつふつと怒りを胸に秘め低く断定するミリア
怪訝そうにミリアを見るクルル
そんなクルルをまっすぐ見つめながら、ミリアは声を張る
「アウレンティーニ様が私にくださるとおっしゃったのは、流れ星、それも私の為に特別あまぁい星を捕えて下さると言う約束です!」
皆がぽかんとした後
「は?だから金平糖でしょ!」
と叫ぶクルル
「いいえ!金平糖は私の独自回答です、あの夜陛下が約束してくださったのは夜空に輝く星です!」
(なんていう公開処刑だ・・・)頬を染めるアウレンティーニ
「ティーナ、今はそんな事を言っている場合ではないと思うのだが・・・」と苦笑するアウレンティーニ
(陛下があの娘をティーナと!?)と貴族たちが驚愕する
「あ・・・申し訳ありません」
フワリとミリアの頭へ片手を乗せるアウレンティーニ
「大きくなったな・・・」
「ふふ、同い年ですのよ?」
「そうか・・・」
甘い雰囲気を醸し出す二人
あっけにとられる周囲
そこへ、あわただしく魔術師と治癒士がやってくる
あっと言う間にクルルは結界の中へ
内側より拳で結界を叩きつつ叫ぶクルル
「いったいどうして!なぜ私を!!」
無事が確認された後、ルルシルが下がる
アルレシオが前へ出ると、クルルへ語りかける
「ギンジースタリスの花は禁忌の花だ、その発色は何より美しい赤、だがその赤は人を壊す」
「え・・・」
「クルルよ、その紅はどこで手に入れた?侍女が用意できるものではない」
スッと目を細め断じるアルレシオ
「あ・・・?ど、毒?い、いやっ」
「その花の香りは神経をむしばむ、最初に挨拶をした際も茶会の際もそなたの口にはその色は無かった・・・いつつけたのだ?」
「いやっ誰か!いやぁ!」必死に唇を擦るクルル
その様子は先ほどよりもどこかおかしく
「話が違うっ私は!私はフィオレンティーナよ!金平糖だって!この唇だって!私がっザーク!ざーくぅ!!」
焦点がおかしくなっているクルルを見つめるミリア
(あと少し遅かったら)
「陛下・・・念のためこちらを」
治癒士たちが陛下と近衛騎士達クルルの近くにいた者達へ解毒剤を渡していく
「あと少し、気づくのに遅れればこの場にいる者達も危うかったでしょう」
魔術師が報告する
「それにあの娘を覆った布についていました香が付近への香りの散布を中和しておりました為他の者への影響はほぼございません」
「そうか・・・」
そんな魔術師と治癒士の報告を聞きながら、アルレシオは見えぬ部分で盛大に冷や汗をかいていた
何故なら
その娘を愛しいそうに見つめる、いや見つめあう二人が
二人だけの空間を作っているからだ
しかもその二人を守る様に
第三騎士隊を筆頭に第二第一の騎士達が並ぶ
(近寄れない・・・)
「ティーナ・・・」
「はい、アウレンティーニ様」
「やっと、やっと見つけた」
「・・・私(もうフィオの様な・・・)」
「あぁ、君だね、その強い瞳も人を想って動く姿も・・・私は本当に愚かだ、こんなに近くにいたのに、君は変わらない、ほらこんなに多くの騎士達が君を守る為に動いた」
「っ、アウレンティーニ様」周りを見てアウレンティーニを見る
ミリアの傍には、ミリアを守る様に立つ騎士達が多くいた
剣を向けるどころか己の身を盾になるような配置、それはアウレンティーニがミリアをかばうのと同時に
自主的に騎士達が動いた現状だった。
「上から見ていたんだ、不思議な動きをする娘がいるなと」
「え?」
イタズラを白状するかの様にほほ笑むアウレンティーニはコレでと片手に双眼鏡をもつ
「侍女服を着ているのに会場の中ほどにいて、会場のセッティングに目を光らせつつ、騎士や侍女への指示をだし、それでいて石などに興味を持っていた」
「あ・・・それは、その、懐かしく」
「そうだね、その絵も・・・あげられないって言ってしまったのを少し後悔したんだよ
あんまり熱心に、よく見に来ていたのを知っていたから、あと数年したらあげようと思いなおしたんだ、 あの頃はそこにいる愚息を頼む意味もかねて、プレゼントしようとね、でも自分で手に入れてしまうとは」
苦笑するアウレンティーニ
「その・・・」
「あぁ、今はもうあんな爺に君を任せることはしなくてすむ」
フワリと頬に手を当てる
「抱きしめてもいいだろうか・・・」
アウレンティーニとミリアは見つめあう
頬を染めたミリアがこくんとうなずき小さな声で
「はぃ・・・」
答えを飲み込むくらいの勢いで
その腕の中へミリアを抱きしめるアウレンティーニ。
完全に二人の世界である
「爺・・・」そりゃ、今の父上たちから見ればそうだろうが・・・
「陛下・・・お覚悟を」
ルルシルが幸せそうに二人を見つつアルレシオへ声をかける
「ルルシル、私は疲れていたのだな、よくよく考えればそなたが誰かに王城でのことを話すはずがなかったか・・・」
「さようでございますね」
「はっ」苦笑し頭をかきむしりたくなるアルレシオだったが、なんとかグッと堪える
やらかしたが、自分は今でもこの国の王だ。
ルルシルに庇われつつ前へ出る
「父上・・・」
遅くなりました❗少しでも楽しんで頂けてれば幸いですっ(* ´ ▽ ` *)
さて次回はシスコンの影が少し…




