約束25ー茶会の真意ー
ミリアー❗
「皆、茶会は楽しんで頂けたかな?」
陛下の問いかけに、貴族の娘達がこぞって声を上げる
「陛下!ありがとうございます」
「とても素敵なものばかりでございました!」
「えぇ、とても!どこか懐かしいような」
「そう!私もどこか懐かしく」
「私もです!」
「いえわたくしのほうが!」
「いいえいいえ、真に私は胸がくるしいほど懐かしく!は!これがまさか・・・」
ある程度、親の財力や伝手を使いこの茶会の趣旨を理解している令嬢方が熱くアピールをしだす
それをほほ笑みながら流し
「そうか、それは良かった、楽しんで頂けたようでなによりだ」
と陛下は茶会を終わりへと導く
「では最後に、最初に用意してあったモノと同じ状態を用意しよう
君たちが思う一番懐かしく感じたもの、あるいは・・・心を打たれたものを茶会場よりこの場へお持ちいただけるかな?」
はっとして何人かの貴族女子が駆け出し
困惑を乗せてのろのろと移動するものがその後を追う
そして、優雅に会場内を歩くのはクルルとニーナ
その後をミュレが続き
最期にミリアだ
そしてそれぞれ持ち寄ったモノを陛下へと献上する
と、それをもっての帰宅を促された為、たいていは宝石類を選び閉会を待つ。
場の雰囲気か、最期まで候補者3人とミリアが残った
最初はニーナ
「私はこちらを」と差し出したのは美しい蝶の刺繍がされたもの
「・・・よろしい、ではそれを差し上げよう、退城の希望も受け入れよう、気を付けて帰りなさい」
「ありがとうございます陛下、御身健やかなる事をお祈りしております・・・その、私の様な小娘が言う事ではありませんが、前例が1例のみであればそれは確実なる証拠にはなりえません事を聡明なる陛下に」
といったニーナはカテーシーをして後ろへ下がった
(前例が一例のみ・・・とは、父上の事か?)
「・・・では、次の者」
ついでミュレ
「はい・・・じゃぁ、私はこれを」と差し出されたのは大粒の緑の宝石が入ったネックレス
「よろしい、そなたにもそれを、持って退城を許そう」
「え・・・で、でも私は!まだお城に居たいです!だってだって私はっ」
「貴女はフィオレンティーナではないわ」
すっと前に出て来たのはクルル嬢
「貴女は分からなかったようですが・・・この茶会はフィオレンティーナの好むものが置かれていたのです、そんな中あなたは食べ物と宝石ばかりを見てテーブルを回りすらしなかった・・・」
「な!だ、だって誰もそんな事教えてくれな」
「教えるものではないのです」
すぱっとミュレの言葉を切るクルル
陛下は二人のやり取りを見て
「宰相、この娘を下がらせなさい」命をだす。
「私!私はっ」
どこかいつもの精彩がない様子の宰相が騒いでいるミュレを連れて下がる
=はぁ、あまり役には立たなかったか・・・=
(ん?)ミリアがどこからか聞こえたため息に気を取られたがすぐに次の者がもってきたモノに視線が奪われる。
「ではクルル嬢・・・君が選んだものは何かな?」
「わたくしが選んだものは・・・こちらです」
陛下は不思議そうにそれをみる
「クルル嬢、それは・・・」
「はい、金平糖でございます・・・全王陛下アウレンティーニ様が下さるとおっしゃられた約束の」
(・・・なんで)ミリアは眉間に皺を寄せる、が
目を見開くアルレシオ
「なに!?」
クルルの持つ金平糖を見るアルのその表情をみて
ミリアは思った
(・・・少し疑ってしまいました、申し訳ありませんアウレンティーニ陛下、やはり貴方は)
自然とミリアの表情が崩れ、頬を染め笑みの形をとる
(アルに話した訳では無かったのですね・・・)
確かにミリアは平凡な容姿であるが、この場にいて尻込みせず背筋を伸ばしてたたずむ姿はどこの貴族令嬢より美しく、醸し出す雰囲気は王族に劣らないとまで思う者までいた。
そして今、ふと崩したその表情を壁際へと立つ侍女や警備の騎士の何人かが見て頬を染める
「それが、我が父アウレンティーニとフィオレンティーナがした約束の品だと言うのか?」
「はい」
にっこりと優しげにほほ笑むその姿は、嘘を付いている様には見えない
だが
「すまないが約束の内容は父上から教えて頂けなかった、私ではそれが約束の品かどうかわからない、よって、今しばし待ってほしい、父上もそろそろいらっしゃる頃だろう」
(どこにいるのですか?!父上!)
「はい・・・」
少し悲しげに見えるクルルをみつつアルレシオは考える
(それが約束の品だとすると、やはりクルル令嬢がフィオの魂をもつ者・・・報告書を見てもクルル令嬢が選ぶモノは皆生前フィオが好んでいたモノばかり・・・)
陛下とクルル令嬢の間で交わされる会話や、その真剣な表情
周りの者達は考える、フィオレンティーナ様が決まるのではないか?と
「その、フィオレンティーナ…なのかい?」
問いかけられたクルルは感極まった様に返事を
「っは
「はい!!」
(は?)
答えようとした声が後ろから響く大きな返事にかきけされる
誰もが驚きで目を開くなか、注目を受けるミリアは何て事もなく前に出る、と
困惑のアルレシオ
ポカンとしたクルルを残し
雰囲気をぶち壊すミリアが意気揚々と前へ
次は自分の番ね!と前へ出たミリアの腕には・・・収まりきらないほどの大きなものが
騎士にてつだって貰いどうにか陛下の前へと降ろす
フワリと覆いを外すと
そこにあるのは、大きなドラゴンが描かれた絵であった。
(あぁ、なんかデカイの持ってると思ったんだ…)
と会場の隅でジークが考え
(ぶふぅ!めちゃくちゃいい返事だなおい!)
騎士の、一人が吹き出す
しかもドラゴンの胸の位置に飾られた鱗は本物のドラゴンの鱗、逆鱗と呼ばれるもの
「な、それは会場には出していなかったはず」
「いいえ?確かに陛下の指示の中にございました、金縁の大広間にある絵を・・・と」
「それは!
「はい、陛下のご指示です」とにっこり笑うミレア
「では、私はこの絵を頂きとうございます陛下、よろしいですよね?」
「そ、それは(王家の宝だぞ!?その逆鱗にどれほどの価値があると思って)」
ふふふと笑って
「あぁそれに・・・最初から思っていたのですが、陛下?私達の誰かがフィオレンティーナであるかどうか、それがどうして心を震わせるもので判断がつくのでしょう?だって私達は生まれ変わっておりますのよ?趣向や好みなど、変わるものではございませんか」
(何を言い出すのだこの娘は、そんな事をいったら、この茶会の意義もなくなるではないか!それに今!まさにフィオレンティーナと思われる者が出て来たと言うのに!!)
が、そんな陛下の心をよそに
まだチャンスがあるかもと貴族たちが声を上げる
「さようでございます陛下!」
「そうですとも!そこの娘の言う通りです!好みとは変わるもの」
「ましてや生まれ変わって、育ちも違うのですから!」
「そうです!陛下」
「約束の品も、アウレンティーニ様でないと分からないモノではありませんか!」
「その様な菓子がそうだなどと!ありえませぬっ」
(なんてことだ・・・やっと収まりそうだったのに)
「ね?そうでございましょう陛下?」とミリアはほほ笑む、どこか意地の悪い笑みを
「陛下!もう一度チャンスを!」
「そうです陛下今一度!」
「えぇ、何度でも、たとえばそれが貴方方の大切なご息女の婚期が盛大に遅れることになろうとも、何度でもあきらめない事が大切です!大切なものを得るための代償など少ないものですわ!」
「・・・」誰もが心で思った(いや、それはちょっと・・・と)
ラストまでの道が混迷してます。少々お待ち下さい( >Д<;)




