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追放された鍛冶錬金師は、数値を信じるギルドを見限って静かに最強になる 〜評価されなかった生産職ですが、使った人だけが違いに気づきます〜  作者: 神崎タクミ


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第71話 条件戦

 「本日中に」


 その言葉が、まだ空気に残っていた。


 監査官は動かない。


 ただ見ている。


 五人の兵士も動かない。


 動けない。


 ミレアが息を吐く。


「……時間、どれくらいですか」


 エルザが即座に答える。


「日没まで」


「短いですね」


「はい」


 短い。


 圧倒的に。


 カイルは静かに訓練場の中央へ歩いた。


 五人の前に立つ。


「やります」


 兵士たちが顔を上げる。


「何をですか」


「証明です」


 一拍。


「ただし」


 全員を見る。


「条件を決めます」


 監査官の視線がわずかに動く。


「条件?」


「はい」


 カイルは言う。


「このままでは不利です」


 ミレアが小さく笑う。


「言いますね」


 監査官は何も言わない。


 カイルは続ける。


「評価は結果です」


「その通りです」


「ならば」


 一拍。


「結果が出る形にします」


 エルザが理解する。


「……条件戦」


「はい」


 カイルは頷く。


「対象を限定します」


 監査官が言う。


「詳細を」


 カイルは指で地面を叩く。


「三対三」


 ミレアが目を細める。


「少数戦」


「はい」


「環境は?」


「固定します」


 一拍。


「同じ場所で」


 エルザが記録する。


「比較可能条件」


 カイルは続ける。


「装備は混合」


 ミレアが言う。


「ヴァルディアとこっち」


「はい」


「つまり」


 兵士が言う。


「両方使う?」


「はい」


 一拍。


「選択させます」


 監査官がわずかに興味を示す。


「……選択」


「はい」


 カイルは言う。


「同じ人に」


 一拍。


「二つを使わせます」


 比較。


 それは、最も分かりやすい証明。


 ミレアが笑う。


「シンプルですね」


「はい」


「だから強い」


 監査官が言う。


「時間内に準備できますか」


「できます」


 即答。


 迷いはない。


 監査官は一歩下がる。


「許可します」


 一拍。


「ただし」


 視線が鋭くなる。


「操作は禁止です」


「はい」


「条件は公開」


「はい」


「記録はすべて残す」


「はい」


 完全な公開試験。


 逃げ場はない。


 ミレアが兵士たちを見る。


「聞いた通りです」


 一拍。


「やります」


 五人の兵士が頷く。


 恐怖はある。


 だが。


 引けない。


 エルザが言う。


「対象は三名に絞ります」


「はい」


「残りは補助」


 カイルが言う。


「適性で決めます」


 ミレアがすぐに動く。


「さっきの動き、もう一回」


 短時間で判断する。


 速さが必要。


 兵士たちが動く。


 押す。


 流す。


 見る。


 選ぶ。


「この三人」


 ミレアが指す。


 即決。


 迷いなし。


 選ばれた三人が前に出る。


 残り二人が下がる。


 悔しさ。


 だが納得。


 エルザが配置を整える。


「位置固定」


「記録準備完了」


 監査官が静かに言う。


「開始まで三十分」


 短い。


 だが十分。


 カイルは三人の兵士を見る。


「使います」


 一拍。


「最大層」


 兵士が息を呑む。


 ミレアが笑う。


「ここで来ますか」


「はい」


「再現は捨てる」


「はい」


 エルザが低く言う。


「……数字で勝つ」


 カイルは頷く。


「はい」


 選ばれた三人が剣を握る。


 カイルの剣。


 まだ慣れていない。


 だが。


 それでいい。


 カイルは言う。


「合わせます」


 一拍。


「今から」


 時間はない。


 だが。


 それでいい。


 ミレアが小さく笑う。


「面白くなってきましたね」


 監査官は、何も言わない。


 ただ見ている。


 その目は。


 すでに評価していた。


 そして――


 試験が、始まる。

ここから一気に「証明フェーズ」に入ります。


条件を作り、土俵を変え、そこで勝つ。

この作品の核心に入っていきます。


次は――結果です。


ブックマークと評価、してもらえると嬉しいです。

続きを楽しみにしていてください。

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