33.北の国、アスタノースへ
俺たちは王宮での夜をゆっくりと過ごした。
緊張もしたが、さすが王宮のベッドだ。
気が付いたら死んだように眠っていて、あっという間に朝を迎えた。
王様と王女様にお礼を言って城を後にする。
「また何か困ったことがあれば、城を訪ねるとよい」
王様が言う。
全くありがたい話だ。
「お心遣い感謝いたします。
父にも宜しくお伝えください」
「3人とも、また絶対に会いましょうね」
イリーナ王女が言う。
「はい、是非また」
「あの話の続きをしようね、アリス」
とイタズラっぽく笑う。
「は、はいっ」
妙に赤い顔をしてアリスが返事をした。
さぁ、これからまた3人の貧乏旅のスタートだ。
王城に泊まるという滅多にない経験もしたし、俺、異世界満喫してるなぁ~・・・・
「さてと、次の目的地はどこにしようか?」
ロランがたずねる。
「うーん、そうだなぁ。
もう少しレベルを上げたら、行ける範囲も広がるんじゃないか?」
俺は提案する。
「それは、その通りだな。
またギルドで情報を仕入れることにするか。
昨日は幸運にも王城で一晩過ごせたけど、この街に長居は無用そうだし」
そうなのだ。
王都なので、宿代が高い。
俺たちの拠点にするには、ここはあまり向かない。
ギルドに行ってみる。
前の街よりさらに大きいギルドだ。
冒険者も多く、にぎわっている。
ガイドにたずねると
「そうですね・・・・
王都の北のアスタノースを目指してみてはいかがでしょうか?
北国ですから寒いところなのですが、今はアスタノースも夏にあたりますから、過ごしやすいと思いますよ。
道中も街が点在していますから、物資の調達には困らないかと。
アスタノースにはエルフやピクシー等が住んでいる場所もあると言われています。
冒険者でしたら、一度はお目にかかりたい!とおっしゃる方も多いですよ」
アスタノース・・・・・エルフやピクシーかぁ。
いいねぇ、いいねぇ、異世界って感じだな!
「いいんじゃないか?
俺も興味あるし」
ロランとアリスを見て言う。
「そうだな、ギルドが勧めてくれるなら、間違いないだろう。
そうしようか」
「うん、私も賛成!」
決まったな。
よっしゃー、楽しみになってきたぜ。
俺たちはアスタノースを目指すことに決め、旅支度を整えた。
道中での、ダンジョンやモンスターの情報も仕入れた。
アスタノースまでは、街を2つ経由することになる。
やや長い旅になりそうだが、レベルを上げながら行けば心配ないだろう。
イリーナとの出会いはなかなか鮮烈だったな。
だけど、ここを離れたら次にいつ会えるかはわからない。
ロランのことがちょっと気になるけど・・・・・
まぁ、浮かれた様子も落ち込む様子もないから、大丈夫だろ。
思いがけない経験をした王都とも、これで一旦お別れだ。
今日は早く寝ることにしよう。
明日にはアスタノースを目指して、新たな冒険の旅が始まる。
ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。
続編となる、第二部も完結しております。
※ 新しい作品の連載を始めました。
是非お読みいただけたら嬉しいです。




