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呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第四章~

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【第117話】家族として

俺の生活はあの『真なる宗一郎の物語』を強制的に見させられて以降は平穏そのもので私生活、ダンジョン攻略共に順調で結果として今現在レベルが目標としていた45に到達する。

まあ問題とまでは行かないが環境が変わったのはトレゴブの戦利品として手に入れた『おしゃべり魔術師の指輪』だろうか・・・。

やはり無詠唱では強制的に全ての魔法が50%の威力が減衰するというデメリットもあるが完全詠唱の半分を詠唱すれば今まで通り使え、更には完全詠唱をすれば50%威力が増すというとんでもないピーキー性能に振り回されていた。

まあ、半分詠唱は以前のファイアボールとほぼ同じ様な状態なのでこれを応用した使い方をすれば問題ないわけだし、緊急時での無詠唱の使用も元々他の装備で威力の底上げがドンとなされていたわけだからよほどの強敵でなければ特に問題はないのではないかと考えた。


レベルが45を迎えたことで、幸運の女神ヴェリティアより授けられた『鍵』の条件を満たしている状態だ。

俺はこの『ダンジョン』ではなく『クエスト』となっている『鍵』を開けるとどうなるかわからないため、入念に準備をしている最中であった。

親しい人間、または仕事を任せている人間たちには自身の状況を余り大きな話にはしないが必要な情報だけを抜粋し説明をした。

神からの依頼となるため『時間』の関係がどうなるかがわからない。

もしかしたら自分では一瞬だったのに戻ってきたら2年後という事も無くはない状態だ。

それを踏まえての説明を行う。

心配する者たちもいたが、元々俺が仕込んでいた様々なことが軌道に乗り出し、最近ではほぼ俺の指示はなくても勝手にフェーズが進んでいることもザラにある。

そのためスラム街については問題はないだろうとのことだったし、前伯爵からも「任せていってこい。」と送り出される事となった。


自宅に帰り、この家の住人たちへもしっかりと説明を行うことにした。

「知っているとは思うけど、僕は明日早速このヴェリティア様から託された『鍵』を使って、ある人を助けに行ってきます。」

「うん。」

「頑張ってください。」

言葉ではそう言うがアリスとサーシャは非常に不安げな表情を浮かべている。

内心ではかなり焦燥しているに違いないというのは目に見えてわかっている。

そこで俺は二人の前に跪いた。


「話の通り、今度この家に帰ってこれるタイミングというのは良くわかりません。入った瞬間に出てくるのか。それとも2年後などに出てくるのかがわかりません。」

二人は無言で聞いている。


「ですので、お約束します。まずは必ず帰ってきます。」

二人は僕の眼を見て頷く。


「そして、帰ってきたら、・・・その・・・。僕と正式に結婚して頂けませんか?」

俺はそう言い懐からそれぞれに「指輪」を差し出す。

自分としては思うところがあったが、自信が倒れた時は献身的に介護をしてくれ、生活を支えてくれていた。

それに俺がどんな仕事をしていようとしっかりと理解してくれる。

こんなにも素敵な女性は今後逃したら俺は恐らくこちらの世界であっても結婚することは出来ないだろう。

それを十二分に身にしみて思うことができたための「行動」であった。

指輪は例の如くジーニスに依頼し用意してもらっていた。


サーシャとアリスは顔を見合わせ涙を成し喜んでくれた。

「受けて頂けますか?」

俺が再度の確認をすると「「喜んで!」」と元気な返事が返ってくる。

過去から指輪を取り出し二人の左手薬指につけてもらう。


「わぁ!サイズぴったりだよ!」

「本当ですわ!よくご存知で!」

「あはは。実はフィルルとセリルさん、ナナリーさんに協力してもらっていたんだよ。」

『協力しました!』

そう言いながらフィルルはくるくる回っていた。


俺は二人を一緒に抱きしめる。

「約束します。絶対に帰ってきます。待っていて下さい。」

「うん。」

「本当に気をつけて。」


その後二人と色々と話をし結婚するという報告は『クエスト』から戻ってきた後にし、そしてしっかりとした式を挙げようと言うことになった。

サーシャの方は身分の関係上色々手続きなどが大変なのではないかと思っていたがそんなことはなく、親とはほぼ縁が切れている状態な上にヴォルフガングからもいつでも結婚できるように手続きはしておくと言われ、いつでも『貴族』から『庶民』へとなる手続きは可能だということだ。

こういう部分のフットワークの軽さはもしかしたらヴォルフガング譲りなのかも知れない。


アリスはアリスで兄のパックよりさっさと結婚して子供を作れと言われている様で、結婚については何の問題もないとのこと。

「あはは・・・。パックらしい。」

「本当にデリカシーってものがないよね!」


二人は俺が戻ってくる間に報告や式などをどうするかを話し合うという。

「ススム君のことだから私たちが作ったもので構わないー、とか言いそうだしね。」

「ええ、こんな素敵な贈り物を用意してくださるのに、そういう所は結構大雑把ですからね。」

「はい・・・。すみません・・・。」

言い返せない自分が少し情けなくなる。


翌日、俺はしっかりと準備を整え見送りをしてくれる「家族」に向かい挨拶をする。

「それじゃあ、行ってきます。留守を頼みますね。」

「いってらっしゃい!しっかりね!」

「いってらっしゃいませ。怪我などされぬよう。」

俺は再び二人を抱きしめ、「うん」と頷いた後、ヴェリティアから託されし『クエスト』の『鍵』を取り出す。


【クエスト】

『空間の神の救出』

目的:囚われし空間の神の救出

LV45~


『クエストを開始しますか?はい/いいえ』


俺は『はい』を選びポチとともに開いた異空間へと歩を進める。

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