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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第3巻  作者: 妄子《もうす》
29.第2次スワン島沖海戦

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その2

 - 艦隊配置 -


    スワン島


    

    LC      EC


             C1





           C2


LC:クライセン西方艦隊、EC:エリオ艦隊

C1:ワルデスク艦隊、C2:フランデブルグ艦隊


(マジなんでしょうか?この状況?)

 エリオは、珍しく頭の整理が出来ないでいた。


 完全に虚を衝かれたと言うとかっこ良く聞こえる。


 だが、明らかに常軌を逸していると感じていた。


「閣下、西方艦隊との合流の前に、敵艦隊と接触しそうですが……」

 マイルスターは、地図上に各艦隊の駒を配置しながらそう進言してきた。


 エリオにとっては、その位の事は瞬時に分かっていた。


 だから、頭の整理が出来ないでいたのだった。


 ここで、我々と戦って何になるのだろうか?という疑問である。


 戦略上、何の意味もない。


 そんな戦いを望むのは常軌を逸しているという事だ。


 ま、あくまでもエリオから見ればの話であるが……。


「艦隊の足を速めて、西方艦隊との合流を急ぎますか?」

 マイルスターは、決断を下さないエリオに責っ付いた。


 これは明らかに、こっちの世界に戻そうという意図があった。


「いや、それより、もう一方の艦隊は?」

 エリオは、現実に戻ってきたので、確認を取った。


「はい、バルディオン第1艦隊から離れて、ワルデスク艦隊に合流を目指していると思われます。

 これまでの報告と変わりはありません」

 シャルスは、エリオの質問にそう答えた。


「う~ん、そうなると、先に合流してしまうと、2個艦隊を相手にしなくてはならないな」

 エリオは、困ったように腕組みをした。


(いやいや、合流して戦った方が、数的不利を補えるでしょうに……)

 マイルスターは、呆れながら和やかにそう思い、それを口にしなかった。


 普通は、マイルスターのように考える。


 だが、エリオは海戦が大きくなる事懸念していた。


 もう見ているものが違うとしか言いようがなかった。


 恐らく、サラサ艦隊との戦闘をリアルタイムでモニターしていたので、攻略法を見出したのだろう。


「う~ん、取りあえず、停船指示を出してくれ」

 エリオは、悩みながらもまずはそういった答えを出した。


「よろしいのでしょうか?」

 シャルスは、珍しくエリオの命令を止めた。


「逆効果では?」

 シャルスに続いて、マイルスターが懸念を表明した。


 その表明は、水兵達の同意を誘った。


「えっ、どうしてだい?」

 エリオは、思わぬ事を指摘されてびっくりしていた。


「……」

「……」

 エリオの反応の対して、マイルスターもシャルスも、水兵達もが唖然としていた。


 どうして、それが分からないのか、分からないといった感じだった。


「どちらにしても、何もしないでいきなり戦うという訳には行かないんじゃないかな。

 敵の意図が今一分からないし……」

 エリオは、妙な空気になっているのが理解できないでいた。


「確かに確認は必要かも知れませんね。

 万が一という事もありますから」

 マイルスターは、呆れながらも和やかにそう言った。


 そして、シャルスの方に視線を向けた。


「分かりました」

 普段、表情を変えないシャルスだが、流石に呆れた表情になった。


 が、副官らしく、伝令係にエリオの命令を実行するように指示を出した。


 そして、戸惑いながらも、ワルデスク艦隊に停船指示信号を送るのだった。


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