その2
- 艦隊配置 -
スワン島
LC EC
C1
C2
LC:クライセン西方艦隊、EC:エリオ艦隊
C1:ワルデスク艦隊、C2:フランデブルグ艦隊
(マジなんでしょうか?この状況?)
エリオは、珍しく頭の整理が出来ないでいた。
完全に虚を衝かれたと言うとかっこ良く聞こえる。
だが、明らかに常軌を逸していると感じていた。
「閣下、西方艦隊との合流の前に、敵艦隊と接触しそうですが……」
マイルスターは、地図上に各艦隊の駒を配置しながらそう進言してきた。
エリオにとっては、その位の事は瞬時に分かっていた。
だから、頭の整理が出来ないでいたのだった。
ここで、我々と戦って何になるのだろうか?という疑問である。
戦略上、何の意味もない。
そんな戦いを望むのは常軌を逸しているという事だ。
ま、あくまでもエリオから見ればの話であるが……。
「艦隊の足を速めて、西方艦隊との合流を急ぎますか?」
マイルスターは、決断を下さないエリオに責っ付いた。
これは明らかに、こっちの世界に戻そうという意図があった。
「いや、それより、もう一方の艦隊は?」
エリオは、現実に戻ってきたので、確認を取った。
「はい、バルディオン第1艦隊から離れて、ワルデスク艦隊に合流を目指していると思われます。
これまでの報告と変わりはありません」
シャルスは、エリオの質問にそう答えた。
「う~ん、そうなると、先に合流してしまうと、2個艦隊を相手にしなくてはならないな」
エリオは、困ったように腕組みをした。
(いやいや、合流して戦った方が、数的不利を補えるでしょうに……)
マイルスターは、呆れながら和やかにそう思い、それを口にしなかった。
普通は、マイルスターのように考える。
だが、エリオは海戦が大きくなる事懸念していた。
もう見ているものが違うとしか言いようがなかった。
恐らく、サラサ艦隊との戦闘をリアルタイムでモニターしていたので、攻略法を見出したのだろう。
「う~ん、取りあえず、停船指示を出してくれ」
エリオは、悩みながらもまずはそういった答えを出した。
「よろしいのでしょうか?」
シャルスは、珍しくエリオの命令を止めた。
「逆効果では?」
シャルスに続いて、マイルスターが懸念を表明した。
その表明は、水兵達の同意を誘った。
「えっ、どうしてだい?」
エリオは、思わぬ事を指摘されてびっくりしていた。
「……」
「……」
エリオの反応の対して、マイルスターもシャルスも、水兵達もが唖然としていた。
どうして、それが分からないのか、分からないといった感じだった。
「どちらにしても、何もしないでいきなり戦うという訳には行かないんじゃないかな。
敵の意図が今一分からないし……」
エリオは、妙な空気になっているのが理解できないでいた。
「確かに確認は必要かも知れませんね。
万が一という事もありますから」
マイルスターは、呆れながらも和やかにそう言った。
そして、シャルスの方に視線を向けた。
「分かりました」
普段、表情を変えないシャルスだが、流石に呆れた表情になった。
が、副官らしく、伝令係にエリオの命令を実行するように指示を出した。
そして、戸惑いながらも、ワルデスク艦隊に停船指示信号を送るのだった。




