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ゴブリン成長記〜ゴブリンに生まれ変わって〜  作者: sith


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1/7

生誕

ゴブリンが成長していく物語を書いていきます。

初投稿ですが、よろしくお願いします。

……どこだここは?


暗く、狭く、ヌメヌメしている。


なのに、不快感は無く、とても懐かしく感じる。


何か嫌なことがあったような気がしたが、そんなことどうでも良くなってきた。


どこからか、ドクン、ドクンと誰かの鼓動が聞こえてくる。


その安らぎを感じさせてくれる旋律に、意識を向けていると眠気が襲ってくる。


僕はそれに耐え切れずに、眠りに落ちた。




…………………………………………………




……ん、何か僕の体を押し出すような力が働き始めた。


暗く、感覚も鈍いので、分かりにくいが、頭のある方へと押されている気がする。


眠気に抗って、状況を把握しようとするが、寝る前と同じ場所にいるということぐらいしか分からない。


ただ、心が早く、早くと、僕を急き立てている気がする。


僕を押す力は、一定の間隔で、僕をここから押し出そうと何度も、何度も、僕を押してくる。


僕は、ただ、その力にされるがままにしていた。



呻き声のようなものが、聞こえるようになって少ししてから、抜けるようにして落ちる。


といっても、体感で10cmぐらいの高低差だ。


ただ、頭から落ちたようで、少し痛いので、頭をさすっておく。


あ、身体が動くようだ。足がまだ微妙に動かし辛く、立てそうにない。


顔が粘液塗れのようなので、拭うと、やっと少しだけ目を開けた。


周りを見回すが、薄くしか目を開けていないことや、ピントが合わないがために、薄暗い場所だということしか把握出来ない。


すこしして、徐々にピントがあってきた。



……輪郭しか分からないが、くすんだ緑色をしたデカイ何かが目の前にいる。


はっきりとは見えないのに、本能が逃げろと警鐘を鳴らしてくる。


自分より食物連鎖の上位にいる存在だと、なぜだかわかる。


そいつが動いたと、認識した時には、僕は宙に浮いていた。


強烈な痛みと同時に、呼吸が強制的に停止させられ、蹴られたのだと気付く。


空中で何回転かして、尻から落ちたようで、尻と蹴られた所が痛い。


落下の衝撃も合わさって、何十秒も咳き込んでしまう。


ただ、蹴飛ばされたにしては、痛くない気がする。


いや、蹴飛ばされたことなんて初めてだが。


僕の身体はこんなに丈夫だったっけ?と咳き込みながら、考えてしまう。


少しして、それが現実逃避なのだと自覚する。


とりあえず、今は状況を確認しよう。ここは、どっかの洞窟の中のようで、薄暗いがなんとか見える。


まず、僕がいるところが、広い広場で、小さい緑色の何かが何体かいて、組んず解れつしているのと横になっているのがいる。


この広場は、数箇所通路と繋がっているようだ。


そして、この広場の周りが段差になっているようで、いくつもの通路と繋がっているように見える。


その広場の周りの一段高いところに、20体ぐらいの少し大きな緑色の生き物がいる。


ファンタジーでよく出るゴブリンだろうか。


大きいのは1.8mはありそうだ。広場にいたのが成長したら、ああなるのだろうか。

がたいも良く、顔がすごく厳つい。


ぱっと見、太っている奴はいないが、飢餓状態のゴブリンもいないようだ。


顔の厳つさがないのが多分メスで、その中で腹が膨れてるのが何体かいる。


顔を前に戻すと、僕を蹴っただろうゴブリンと目が合った。


こっちを厳つい顔で見ててちびりそうだったけど、顔は覚えた。


絶対にいつか蹴飛ばしてやる……また、現実逃避しかけていた。あんなのとやり合うとか、僕じゃ無理だ。


とか考えていると、後ろから雄叫びが聞こえてくる。


少しびくりとして、振り返ると、子ゴブリンが、他の子ゴブリンを組み敷いている。


どちらも、至るところから血を流しているが、組み敷かれている方のゴブリンは目の焦点も合っておらず、疲労困憊のようで、ぐったりしている。


それらを見た瞬間、ドクンと、今までなぜ気付かなかったんだと思うぐらいの空腹感と殺戮衝動が襲ってくる。


身体を掻き毟らなければ耐えられない程の飢餓感と、まるで、自分の中にもう一つの意思があるかのような殺戮衝動。


全く耐えられそうにない、それらの衝動に反して、僕の目線は二匹のゴブリンに固定されていた。


視界が徐々に狭まっていき、何も考える事が出来なくなる程の酷い頭痛が、意識を遠のかせていく。。


頭痛の酷さに比例して、自分の中の何かがどんどん大きく成っていく。


そして、それに飲み込まれるかのように、僕は意識を失った。





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