模擬戦3
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着替え終えたアスカレイヤ、
「このユカタ、
オビが外れると下着が見えちゃいます、」
「んー、
師匠のようにできない、」
幽霊さんはそれを聞いて微笑みながら小さなため息を吐く、
(シルフィ、
貸してみろ、)
シルフィードは頷くと幽霊さんは取り憑く、
そして帯を締め直してアスカレイヤが苦しくないようにする、
「どうだ?
アスカ?」
アスカレイヤは一度クルリと回転する、
髪がふわりと上がり照明の光で輝く、
シルフィードはおもわず見惚れた、
アスカレイヤは満足した、
「なんででしょう、
さっきよりいいです、
ありがとうございます、
幽霊様、」
「気にするな、
シルフィに変わる、」
そう言って幽霊さんはシルフィードから離れた、
「アスカちゃん、
似合ってるよ!」
「ありがとう、
シルフィ、」
シルフィードに褒められて頬を赤く染めるアスカレイヤ、
「それじゃあおじいちゃんとバーボルトさんが待ってるから行こう、」
「はい!」
アスカレイヤはレイピアを取り出す、
人前で収納魔法は使えないからだ、
2人は更衣室を出た、
アスカレイヤの表情は先ほどとは違ってやる気が満ちていた、
試合場に戻った2人に見物席の人たちは驚いた、
アスカレイヤがシルフィードと同じ服を着ていたからだ、
色は違うが美しい服に見物席の人たちは魅入った、
「ほほう、
これは見事じゃのう、
わしにも1着作ってほしいのう、」
マクスウェルは2人の浴衣を見ながらそう言う、
「師匠は当分作りたくないと言ってました、
横で見てたけど1本1本丁寧に糸を縫ってました、
それもすごい集中力でした、
何度も位置を確認して失敗しないようにしてました、
その時は声をかけれませんでした、
終わったあとになんでそんなに真剣なのか聞くと着る人のことを考えて作るんだって、
すごく嬉しかったの、
私のことを思って作ってくれたから!」
シルフィードは自分の浴衣を見て嬉しく微笑む、
アスカレイヤも自分の浴衣を見て嬉しそうにする、
「ほほう、
弟子思いの師匠じゃのう、」
マクスウェルは横に浮いている幽霊さんをチラリと見る、
幽霊さんはそっぽを向く、
「マクスウェル殿、
そろそろ始めましょう、」
バーボルトがそう言う、
「そうじゃな、
シルフィード殿もアスカレイヤ姫も準備はできておるからのう、」
マクスウェルは定位置に向かう、
シルフィードとアスカレイヤも定位置に向かう、
「今回の模擬戦は特殊なルールで行う、
とは言ってもあまり変わらないかのう、
2人いっぺんにわしらのどちらかを相手するもよし、
逆にわしら2人でシルフィード殿かアスカレイヤ姫のどちらか片方を相手するもよし、
魔法も全力で放つがよい、
しかし周りの見物席の人に当てないでやってくれ、
勝敗は気絶するか降参するか、
それくらいかのう、」
マクスウェルが説明を終えると木の杖を取り出した、
バーボルトも斧を構える、
シルフィードは拳を構えてアスカレイヤはレイピアを構える、
「アスカちゃん、
おじいちゃんをお願い、
私はバーボルトさんと戦う、」
シルフィードが小声でアスカレイヤに伝えるとアスカレイヤは小さく頷く、
「そのあとは・・・」
更に小声で話すシルフィード、
アスカレイヤはよく聞いて頷く、
「それでは審判よ、
待たせたのう、
合図をしてくれぬか、」
マクスウェルが審判役の男に向かってそう言うと審判役の男は頷いて手をあげる、
「では!
これより模擬戦を始めます!」
審判役の男の声が試合場に響く、
見物席の人たちはマクスウェルとバーボルトの戦う姿を見てると思い期待せている、
また、
アスカレイヤの実力にも興味があるような顔になっている、
「よーい・・・」
見物席の人たちはじっと4人を見る、
そして、
「はじめ!!!!」
審判役の男が勢いよく手を下ろした、
それと同時にシルフィードが動いた、
バーボルトはとっさに斧を前に持って行き体を隠す、
シルフィードは勢いよく両手を突き出した、
本来バーボルトの腹部に双掌を打ち込むはずだったが斧により防がれた、
しかしその衝撃は凄まじくバーボルトは後方に飛ばされた、
シルフィードは更に追撃をする、
今のバーボルトの死角になっている背後に回る、
バーボルトは予測をしていたかのように身を低くして後方に蹴りを行う、
シルフィードは少し驚いた顔をして蹴りを避けてバーボルトのもう片方の足を足払いする、
バーボルトは見事に転ぶ、
シルフィードはバーボルトの腹部めがけて踵落としをした、
もろに喰らうバーボルト、
「ゴホッ!」
鍛え抜かれた体のためこの程度で済んでいる、
常人なら骨も砕ける威力、
シルフィードは一度距離をとる、
「バーボルトさんすごいです!
私の攻撃が見えるんですか!?」
シルフィードは何故か嬉しそうにバーボルトにそう聞いた、
バーボルトは腹部を押さえながらゆっくりと立ち上がる、
「残念ながらまだ見えないんだが予測はできた、
シルフィードは一直線に走ってくると思ったからな
シルフィードの攻撃が防がれたら次は死角から攻撃くると思ったから蹴りをしたんだが・・・
シルフィードには無意味だったか、」
長年の勘で動いているんだろう、
シルフィードの速さは幽霊さん以上の速さである、
今のところ幽霊さん以外はシルフィードの速さを目で追えていない、
シルフィードはバーボルトが自分の速さを目で追いついたと思っていたが違うとわかり少し落ち込む、
「うぅ、
勝手にはしゃいでごめんなさい、」
「いや、
謝ることはない、
さて、
今度は俺から行くぞ!」
バーボルトは走り出す、
シルフィードは鎖を腕に巻いて迎え撃つ、
バーボルトが斧を大振りで横に薙ぎ払う、
シルフィードはしゃがみ避けるがバーボルトは遠心力を利用して一回転をしてシルフィードに蹴りを喰らわす、
シルフィードは腕をクロスして蹴りを防ぐ、
バーボルトは更にもう一度斧を横一閃する、
シルフィードは片腕で斧を弾く、
バーボルトはすぐさま斧の柄の長さを変えて柄の部分でシルフィードに突き出しす、
シルフィードはそれを避けて柄を掴み自分のところに引き寄せる、
バーボルトは斧を引っ張られながらも腰に隠しておいた短剣でシルフィードに斬りかかる、
シルフィードはもう片方の腕でそれを受け止める、
そしてすぐにバーボルトの短剣の持つ腕を掴み両足飛び蹴りをバーボルトの胸に喰らわす、
シルフィードの両手が離れると同時にバーボルトは吹き飛んだ、
壁際まで吹き飛んだバーボルト、
「ダメか、
結構いい線まで行ったと思ったんだが、」
バーボルトはゆっくりと立ち上がる、
あれだけ強い攻撃を受けても立ち上がるバーボルトに幽霊さんは化け物かと思っていた、
「すごいよ!
去年より強くなってるよ!
バーボルトさん!」
「これでもあの後討伐依頼などで鍛えたんだ、
さて、
まだ俺は立ち上がる、
行くぞ!」
「はい!」
再び2人はぶつかり合った、
見物席の人たちは唖然としていた、




