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模擬戦1

幽霊さんは周りの生徒を見回していた、


その中にわざと生徒に負ける先生や職員がいた、


(賄賂を受け取ったか、

腐ってやがる、

そんなに金が欲しいか?)


悪態をつく幽霊さん、


幽霊さんの嫌いなタイプの1つが賄賂を受け取る者と渡す者だ、


賄賂は金ではなく情報の時もある、


その情報で人を陥れられる時がある、


幽霊さんは元の世界では足で情報を調べたが絶対に金は絶対に払わなかった、


チップくらいなら払うが賄賂はしなかった、


(マクスウェルも全ての職員に目が向かないのか?

それによく見たら何回かギルドで見た冒険者もいる、

冒険者だから賄賂しやすいからな、)


ランクの低い冒険者は万年金欠だからだ、


そのため貴族からの賄賂は懐を潤すのに十分だった、


だんだんと周りには模擬戦をする生徒と職員が消えていき周りの見物席で生徒や職員と話している、


そして、


「シルフィード、」


シルフィードの後ろから声がかかった、


シルフィードとアスカレイヤは後ろを振り向く、


巨大な斧を持った男、


バーボルトがいた、


「バーボルトさん、

お久しぶりです、」


「おう、

久しぶり、

そして初めましてアスカレイヤ姫、

自分はバークリートのギルドマスターをしていますバーボルトという者です、」


「ご丁寧な挨拶ありがとうございますバーボルト様、

私はアスカレイヤ・ライトニング・レイクリードです、

ここではただのアスカレイヤですので改まった口調をしなくても大丈夫です、」


「そう言ってくれるとありがたい、

正直王族と会うのが数年ぶりでな、

この話し方は俺でも気持ち悪いと思ってしまってな、」


アスカレイヤに言われて口調を元に戻すバーボルト、


「さて、

シルフィード、

次は俺とマクスウェル様だ、

正直俺らは勝てる気がしないがいい勝負できるように努力する、

すなわち、

全力で行く、」


バーボルトは真剣な目でシルフィードを見る、


「はい、

私も全力で行きます!」


シルフィードの返事を聞くとバーボルトは少し嬉しそうに唇を釣り上げる、


「それなら準備をしてこい、

アレク!

シルフィードに更衣室の場所を教えてやってくれ!」


バーボルトが模擬戦を終えたアレクに言う、


「わかりました、

シルフィード殿、

こちらです、」


アレクはシルフィードを連れて廊下を歩いて行った、


アスカレイヤはバーボルトを少し睨む、


「バーボルト様、

大人が子供相手に大人気ないと思います、」


バーボルトは小さなため息を吐いた、


「俺もそう思ったが俺だけでは絶対に勝てないとわかっているからな、

マクスウェル様もそう思っている、

正直、

言っちゃ悪いがあいつは化け物クラスだ、

その上俺を教育しやがった、

それだけ余裕があるってことだ、

本人が俺とマクスウェル様の2人を相手することを承諾したからいいがもし承諾しなかったら俺は前回よりいい戦いができるようになった程度で終わってしまう、

それだとあいつに失礼だからな、」


「失礼ですか?」


アスカレイヤはよくわからないような顔をする、


「あぁ、

マクスウェル様も言ってたがあいつは本気を出していなかった、

マクスウェル様に聞いたが本気を出したのはレイクリードの魔族との戦いだけだと言っていた、

本気で戦えないから溜まるものもたまってしまうかもしれない、

せめて負けてもいいからシルフィードの溜まっているものを全て吐き出させたいと思っている、」


バーボルトの言いたいことがわかったアスカレイヤ、


しかしバーボルトは勘違いしていた、


シルフィードは特に何も溜まっていない、


毎日修行と依頼をしていて溜まるものはなかった、


毎日本気で修行と依頼をしているからだ、


アスカレイヤは本人がそんなものを溜め込んでいないとわかっている、


毎日本気で生きているシルフィードはそんなものを溜め込まないのは知っていた、


アスカレイヤはそう言おうとしたが、


「さて、

俺は定位置につくするか、」


バーボルトは歩き出した、


そして試合場の中央に立った、


見物席の人達はバーボルトの出現に驚く、


そこに、


「バーボルトよ、

準備は良さそうじゃのう、」


マクスウェルが歩いてきた、


「はい、

シルフィード相手だからな、

前の俺とは違うことを見せないとな、」


「そうじゃな、

わしも前回より強くなったこと見せんとな、」


2人のオヤジは笑いあう、


そして、


シルフィードが着替えて試合場に入ってきた、


シルフィードは浴衣に着替えた、


レイクリードで着たときにシルフィードは腕周りが変と幽霊さんに言ったら幽霊さんは浴衣の肩を裂いて縫い肩出し浴衣に変えた、


露出は増えたがその分戦いやすくなっている、


見物席の人達は珍しい服に興味を持ったがシルフィードを見ると興味をなくした、


逆にバーボルトを哀れそうに見た、


ギルマスがシルフィードのような子供を相手にするからだ、


「お待たせしました、」


「大丈夫だ、

そんなに待っていない、

それにしても綺麗な服だな、」


「師匠が作ってくれました!」


シルフィードは嬉しそうにそう言う、」


「そうか、

シルフィード、

入学式が終わったらギルドに来て欲しい、

頼みがある、」


「えっ?

いいですよ、」


「ありがとう、」


バーボルトはそう言い少し後方に下がる、


「シルフィード殿、

今回はありがとう、」


「気にしないで、

私は気にしてないよ、」


シルフィードが笑顔で言うとマクスウェルは笑いバーボルトの横に着いた、


シルフィードも定位置に着いた、


見物席の人達は驚きの顔になった、


バーボルトに続きマクスウェルも戦う位置に着いたからだ、


この国の最強が2人揃って少女を相手するからだ、


今度はシルフィードにかわいそうな視線を向けた、


「さて、

審判よ、

合図を頼む、」


マクスウェルは中央壁際に立っていた男にそう言う、


「は、はい!

それでは・・・」


男が手を挙げると、


「待ってください!」


突然声がかかった、


皆は声のする方を見ると、


「私も戦います!」


アスカレイヤがいた、


「アスカレイヤ様、

これは真剣な戦いじゃ、」


「私も真剣です、

1対2ではなく2対2で戦いましょう、

それでしたらマクスウェル様とバーボルト様は卑怯とは言われません、

それに私の実力もわかりますので次の模擬戦をしなくてもいいです、」


アスカレイヤのとんでもない申し出、


「アスカレイヤ様、

正直に言いましょう、

アスカレイヤ様は俺より弱いです、

それはシルフィードの足を引っ張ることになるかもしれない、」


「そうかもしれません、

しかし私もシルフィのお師匠様に手ほどきをしてもらいました、

簡単には負けません!」


バーボルトは驚いた、


シルフィードに戦い方を教えたと奴がアスカレイヤに戦いを教えたと知ったからだ、


マクスウェルは考えて、


「バーボルトよ、

いいんではないか?

アスカレイヤ様が戦っても、」


「本気ですか?」


「うむ、

それに、

わしもアスカレイヤ様の成長が気になるからのう、」


マクスウェルの真剣な顔にバーボルトは小さなため息を吐く、


「わかりました、

いいでしょう、

アスカレイヤ様、

準備をお願いします、」


「ありがとうございます、

シルフィ、

更衣室の場所を教えてください、」


「うん、」


シルフィードはアスカレイヤの手を握って歩き出した、


審判の男はあげたてを下ろせずにいた、

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