アスカレイヤ、
少女とシルフィードは向かい合ったまま見つめ合う、
改めて少女の特徴を言うとプラチナブロンドの髪で背はシルフィードより高い、
顔つきは幼さを感じさせるが将来美人になるだろう、
瞳は焦げ茶色である、
白いドレスで身を包んでいる、
胸は成長途中だろう、
シルフィードより少し大きい、
時間が経つにつれて少女の方に焦りの色が見えてきた、
明らかに目が泳いでいる、
足が無意識に動かす、
額から汗が出る、
無言が嫌になったのか少女が口を開く、
「あ、ああああああなたはどちら様で?」
(動揺しすぎだろ、)
少女の対応に幽霊さんは小さくため息を吐いた、
「私はシルフィード、
マクスウェルおじいちゃんに誘われてここに来たの、」
シルフィードは自己紹介する、
「マクスウェル様のご家族の者でしたか、
私はアスカレイヤ・ライトニング・レイクリード、
この国の王女をやっています、」
(見てわかったわ、)
少女改めアスカレイヤは自己紹介をする、
幽霊さんは呆れる、
「アスカレイヤちゃん、
それじゃあアスカちゃんでいいかな?」
シルフィードが笑顔で言うが幽霊さんは驚きとアスカレイヤの反応に目を言ってしまう、
王族にそのようなことを言って不敬罪に当たらないか不安なのである、
アスカレイヤは驚いた顔をする、
「王族と聞いてもあまり態度を変えないのね、
それに家族以外にそう呼ばれると何か不思議な感じ、
いいわよ、
そう呼んで、」
アスカレイヤが微笑むと幽霊さんはホッとした、
「アスカちゃんはどうしてここにいるの?」
「私ですか、
ここ1ヶ月ずっとお部屋に閉じこもらせられたため今日脱走したのです、」
アスカレイヤの言葉にシルフィードは驚いた顔をする、
「大丈夫なの?
勝手に抜け出すと怒られるんじゃないの?」
「いいのです、
ずっとお部屋に閉じ込められていたのです、
たまにはこうやってお外に出たいのです、」
隔離されていたからストレスが溜まっていたのだろう、
「このことは秘密でお願いしますね、」
アスカレイヤは人差し指を自分の口元に持って行きウインクをする、
「うん、」
シルフィードは素直に頷く、
「ありがとう、
それでは私は行きますね、」
アスカレイヤは街方面に向かおうと歩き出す、
(シルフィ、
アスカレイヤについて行こう、)
(わかりました、)
「アスカちゃん、
私もついて行っていい?」
「いいですよ、
でも私のお話相手のなってもらうわね、」
あっさりと了承するアスカレイヤ、
2人はそのまま街に歩いて行った、
歩いている最中、
(師匠、
お伝えしたいことがあります、)
(どうした?)
(実はお城の兵士さんの巡回経路が変です、
見取り図で見た経路と先ほど見たときには全く違いました、
いるべきところにいなかったのです、
まるでわざとその場所に兵士さんがいなかったようです、)
幽霊さんは顎に手を当てて考える、
瞬間記憶能力を持つシルフィードが間違えるようなことはない、
兵士の巡回経路が違う、
(それともう1つ、
気のせいかもしれないですけど重装備の兵士さんが一言も喋ってません、)
(それは変だ、
俺とシルフィみたいに念話ができる人はいない、
その他のコミュニケーションは身振り手振りや筆談や空書だがそこようなことをしていない、)
幽霊さんは考える、
そして1つの可能性を導き出した、
(もしかして、
敵国の刺客が混じっているのか?)
シルフィードは顔に出さなかったが驚いた顔をする、
(俺の想像だが話さなかったのは相手に声を聞かれたくなかった、
あるいは喋れない、
重装備の意味は体を隠すため、
顔までフルフェイスで隠しているからな、
巡回に関しては・・・)
幽霊さんはアスカレイヤを見る、
(そこの姫さんを外に出すための工作、
考えてみたらこの姫さんの部屋の前に兵士が最低1人はいる、
そいつが仕事をサボっていない限りはすぐにこの城の兵士が総動員で動き出すはず、
それなのに兵士が動かないなんておかしい、
まだある、
姫さんが一度も兵士に見つからないなんておかしい、
シルフィほどの身体能力があるわけでもない、
兵士が見て見ぬ振りをしているかもしれん、
そうなるとマクスウェルが危ないな、
俺は一度マクスウェルの元に行く、
シルフィはこのまま姫さんと一緒にいてくれ、
何かあったら念話を頼む、)
(わかりました、
師匠、
気をつけてください、)
幽霊さんは城の方に戻った、
シルフィードは幽霊さんが言ったことを横目で確認する、
「シルフィードさん、
聞いてますか?」
アスカレイヤがシルフィードに声をかけていたらしく少し大きめな声で話しかける、
「ごめんなさい、
アスカちゃん、
ちょっとぼーっとしちゃった、
それでどうしたの?」
「私、
1人で街に出るの初めてなのです、
シルフィードさんが案内してもらっていいですか?」
シルフィードは頷く、
「うん、
いいよ、
でも私はこの街の人じゃないから細かいところは案内できないよ、」
「構いませんわ、
行きましょう、
シルフィードさん、」
「私のことはシルフィって呼んで、
親しい人はみんなそう呼ぶの、」
「そうですか、
ではシルフィ、
改めて行きましょう、」
シルフィードはアスカレイヤの隣に行って楽しく話しながら街に向かった、




