ここでもゴタゴタ、そしてギルドマスター、
シルフィードは冒険者ギルドの扉を開けた、
一斉に注目を浴びた、
中には鎧をつけた男や大剣を背負った男、
ローブを着た男に弓を背負う女がいて一斉にシルフィードに視線を向けた、
シルフィードはたじろぐ、
でも足をがんばって前に出す、
皆がシルフィードを目で追う、
シルフィードは受付まで来た、
受付越しには女性が立っていた、
「いらっしゃい、
今日はどうしたの?」
女性はシルフィード相手に優しく尋ねる、
シルフィードはマクスウェルに渡された紙を受付の女性に渡す、
女性はそれを受け取ると内容を確認する、
その表情はだんだんと険しくなっていく、
そして、
シルフィードに返す、
シルフィードは何が何だかわからない顔をする、
受付の女性は無理やりニコリと笑いシルフィードに言う、
「冒険者ごっこはお外でやってね、」
シルフィードはさらに何が何だかわからない顔をする、
「えっ?
どういうこと?」
シルフィードは口にすると受付の女性はため息を吐いて言う、
「あのね、
こんなよくできた偽物を持ってこられたも困るの、
マクスウェル様が君みたいな女の子を本気で冒険者にさせるわけがないでしょ?」
どうやら推薦状を偽物と思っているらしい、
「それに君がマクスウェル様を負かすなんてありえないのよ、
今回は見逃してあげるから帰りなさい、」
(マクスウェル、
何書いたんだよ、)
幽霊さんはボソリと言う、
シルフィードはおろおろする、
受付の女性はそんなシルフィードを見てイライラしたのだろう、
近くの男の冒険者に向かって話す、
「ごめん、
この子を外に連れて行って、」
男の冒険者は頷きシルフィードに近づく、
シルフィードは男の方を見る、
男はシルフィードの前に来る、
「お嬢ちゃん、
おとなしく帰るんだ、
もう来ちゃダメだぞ、」
そう言ってシルフィードの肩に手を置こうとした、
その時シルフィードは消えた、
男と受付の女性は目を見開く、
ざわついた空気が静かになる、
男は辺りを見渡していると後ろから視線を感じた、
振り向くとシルフィードが立っていた、
「い、いつの間に・・・」
男はそう言いながら次は捕まえんとばかりにつかみかかる、
しかしシルフィードは消える、
次は少し距離の離れた机にいた、
その近くにいた冒険者は驚きの顔をする、
「えっ?」
受付の女性は驚いている、
机の近くにいた冒険者がシルフィードにつかみかかる、
しかしシルフィードはきえる、
冒険者は机に頭をぶつける、
次は掲示板近くに現れた、
今度は3人の冒険者が捕まえようとしたがシルフィードは消える、
3人の冒険者はぶつかり掲示板も巻き添えに倒れる、
大きな音がギルド内に響く、
すると、
「これはなんの騒ぎだ!」
受付の奥からガタイのいい男が現れた、
「ギルマス!」
受付の女性はそう言う、
それを聞いたシルフィードはガタイのいい男の前に瞬間的に移動して推薦状を渡す、
ガタイのいい男は驚くが推薦状に目をやり受け取る、
初めは険しい顔をするが推薦状の文面に手を置き魔力を流し始めた、
すると文面が光り出す、
ガタイのいい男は紙をたたむとシルフィードに向かって言う、
「マクスウェル殿はどこだ?」
シルフィードは答える、
「ここから3件隣の宿屋です、」
ガタイのいい男はそれを聞くと受付の女性に向き直って言う、
「聞いたな、
今すぐマクスウェル殿をお連れしろ、」
「ギ、ギルマス?
どういうことですか?」
「その通りの意味だ、
早く連れてこい、」
ガタイのいい男は有無を言わさない言葉の圧力を受付の女性に向けた、
受付の女性は冷や汗を出して急いで外に駆け出した、
受付の女性があそこまで取り乱したのが初めて見るのだろう、
周りの冒険者達がざわめく、
ガタイのいい男はシルフィードを正面から顔を見る、
シルフィードは正面から視線を受け止める、
しばらく睨み合っていると入り口が開いて受付の女性が戻ってきた、
その後ろにはマクスウェルとアレクが付いてきている、
更にギルド内がざわめく、
「バーボルトよ、
呼び出してどうしたのじゃ?」
マクスウェルはシルフィードと睨み合っているとガタイのいい男に向かって言う、
ガタイのいい男、バーボルトがシルフィードと睨み合いながら言う、
「マクスウェル殿、
推薦状を持参させる場合あなたも付いてきて欲しい、
推薦状を持ってくる者が偽物と言われる、
実際にここに書いてある内容が未だに信じられない、」
バーボルトは推薦状をマクスウェルに見せる、
「この少女がマクスウェル殿に勝った、
それを誰が信じますか?」
バーボルトはシルフィードから視線を外してマクスウェルを見る、
「そう言われてもわしが負けたことには変わりないからのう、」
マクスウェルがそう言うと周りの冒険者達が更に騒めき出す、
「本当だったのか、」
バーボルトは小さくため息を吐く、
そしてシルフィードを再び見る、
「まずはギルドの非礼、
そしてギルド員の教育不足、
誠に申し訳ない、」
バーボルトがシルフィードに頭をさげる、
「あ、あの、
私は気にしてません、
どうか頭をあげてください、」
シルフィードはわたわたしている、
バーボルトは未だに頭を下げている、
マクスウェルは愉快そうに笑う、
「ホッホッホッ
ではバーボルトよ、
お主が力量測定するがよい、
本気でのう、」
バーボルトは勢いよく頭を上げる、
その顔は険しい顔をしている、
「マクスウェル殿、
俺に少女相手に本気を出せと、
さすがに・・・」
「ここにいる皆に申し訳ないがバーボルト以外のここにいる全員が相手をしてもシルフィード殿はすぐに終わってしまうじゃろう、」
マクスウェルはニヤッとして続ける、
「バーボルトよ、
お主でも相手にならぬだろう、」
その瞬間何かが切れる音がした、
「そこまで言うのでしたら俺が相手しましましょう、
本気で、」
バーボルトはそう言ってシルフィードを手招きする、
シルフィードは黙って付いていく、
マクスウェルとアレクも付いていく、
なぜか冒険者達も付いてくる、
少し歩いて、
壁に囲まれた広い場所に着いた、
冒険者達が壁沿いに並んでいる、
「俺は準備してくる、
お前も準備しておけ、」
バーボルトはそう言って戻っていった、
シルフィードはとりあえず準備運動をする、
周りのギャラリーがボソボソつぶやいている、
「まさか龍殺しが本気出すのか?」
「だが聞こえただろう、
ギルマスの切れたところ、」
「だからってあんな少女相手に大人気ないだろ、」
「だがマクスウェル様が負けたと言っていた、
それほどの実力があるんだろう、」
「魔法使いって事だろう?
だったら接近されて終わりだろ?」
などと言っている、
(龍殺し?
あの人すごい人なのか?)
幽霊さんがそう思っていると入り口が開いた、
縦も横も使用者の倍以上の斧が背中に背負われている、
「ギルマスがあの武器できたって事は本気だ・・・」
「あの子大丈夫かな?」
周りの冒険者がボソボソつぶやいている、
「・・・何をしている?」
バーボルトがシルフィードに尋ねる、
「準備運動です、」
そう言うとバーボルトが切れた、
「準備しろと言ったがその準備じゃねーぞ!
早く武器を持て!」
「私、
武器を使いません、」
シルフィードは準備運動を終えて構える、
疾風の型、
シルフィードが盗賊に向かって使った構え、
相手に視認させない速さで相手の死角から攻撃する構え、
拳の威力は速さで調節する、
車がスピードを出すと衝突時の衝撃が強く相手に行くような感じ、
「なら魔法で戦うのか?
言っておくが俺は詠唱させないぜ、」
「魔法は使いません、
私が使うのはこの拳です!」
シルフィードはバーボルトに向かって拳を突き出す、
「ふざけるな!
拳で戦うなんざ認めん!」
「バーボルトよ、
それがシルフィード殿の戦い方じゃ、」
マクスウェルはバーボルトに向かってそう言う、
「わしもこの目で確認したんじゃ、
ウインドウルフも拳と足で討伐していたからのう、
盗賊も拳で殺していたのじゃ、」
マクスウェルが言うとバーボルトは少し驚くがすぐに真剣な顔になる、
「俺は得物を持たない者にこの斧を向ける気はない、」
バーボルトは踵に返そうとするとシルフィードは体に巻いている鎖を伸ばして腕に巻きつけるその際にワンピースの裾がめくれ上がったが本人は気づいていない、
「これでいいですか?」
シルフィードは首を傾げながら聞く、
バーボルトは小さく舌打ちをする、
「わかった、
相手してやる、」
バーボルトは斧を構える、
そして、
「そう言えば名乗ってなかったな、
俺はバーボルト、
元Sランク冒険者にして龍殺しの二つ名を持つ者だ!」
「私はシルフィードと言います!
宜しくお願いします!」
2人はそう言うと受付の女性が白い旗を上げた。




