聞いて欲しいから
???side
私は彼を呼び止めた、
(どうしたキュウビ?)
彼は不思議そうに私を見ている、
改めて見ると男の子のくせに綺麗な髪ね、
羨ましいわ、
女として少しだけ自信を無くすわ、
まぁ、そんなことは今わいいわよね、
私は無言で彼に近ずく、
顔立ちも化粧をしたら女に化けるわね、
それに、
おいしそうね、
経験はないけど思わず食べたくなる、
私は彼の頬に手を添えた、
幽霊だから冷たいわね、
なぜか彼は驚いている、
どうしたのかしら、
そのまま私は彼に口付けをした、
おいしいわ、
彼は固まっている、
緊張しているのね、
可愛いわね、
私は調子に乗って深い口付けをした、
甘い刺激が私を襲う、
彼が後ろに後ずさりをしそうだったので頭を固定して逃さないようにする、
本当に美味しいわ、
私は口付けを堪能してから離れる、
(どういうつもりだ)
彼が言う、
意外、
私のような妖怪のキスを受けて理性を失わないなんて、
かなり彼の理性を削ったと思ったけど、
(俺をなめるな、
昔師匠に経験だって言われてマッパの女の子しかいない怪しい店に連れられた時にそこの女の子にキスされていろんなところ舐められてそこで色々と初めてが奪われたわ、
師匠曰く色仕掛けにかからないようにする訓練と言われたがその師匠は他の若い女の子とハッスルしてたし、
毎回強引に連れられて舐められ跨られたら慣れたわ、
それどころか反撃もしたし、
なぜか最後には女の子は幸せそうにベットで横になってるし、)
最後あたり嫌なことをおもいだしたというような顔をする彼、
意外にもかなりのテクニシャンね、
(それで、何個か質問だが、
なんで俺に触れるんだ?)
まずはそこなのね、
「簡単なことよ、
霊体であるあなたと妖怪である私、
妖怪も幽霊も大体の同じ霊体なのよ、
霊体が生きているものに触れることができないけど霊体同士なら触れられる、」
(そうなのか、
確かによく考えたらキュウビは妖怪だったな、
久しぶりに触られたから驚いたんだ、
もう一つ、
なんでこんなことをする、
初対面の男にそんなことをすると危ないのはしっているだろ?)
そうね、
確かに初対面にあんなことをしたら誘っていると思われるわね、
あるいは痴女と思われているのかしら、
そんな軽い女ではないけど、
仕方ないか、
説明しないと納得してくれないかもしれない、
「そうね、
いきなりあんなことしてごめんなさい、
一応は訳があるの、
聞いてくれる?」
私がそう言うと彼が呆れた顔をする、
あれ?
なんで呆れられてるの?
(なら先に言えよ、
いきなりあんなことされたら危ない女にしか見えないぞ、
事情があるならそれを言わないといきなりされたら混乱しかないぞ、)
あぁ、
彼はあくまで善人なのね、
あのまま私を食べてくれれば若さゆえの過ちで済むのに、
「そうね、
私が浅はかだったわ、
今から説明するわね、」
私は一度間をおいて、
「あなたにあんなことをする理由、
私の最後のわがままかもしれないわね、」
(最後?)
ふふ、驚いてる、
わがままで痴女まがいなことをしてるから、
(どういうことだ、)
普通はそうきき返すわね、
だから私は答えるの、
「なんであなたの世界の神様がいなくなっているのかわかる?」
私がそう言うと彼は戸惑っている、
当たり前よね、
いきなりそんな変なことを言われたらすぐには答えられないわよね、
「答えは人々の信仰がなくなったからよ、」
私は彼の反応をみた、
少しだけ考えているようね、
私は続けた、
「信仰って大事なのよ、
人々が祈り崇めてくれるから神様も存在し続けていられる、
少しだけ人々の願いも聞ける、
でも信仰がなければ神も存在し続けられない、
そのままきえるのよ、」
こっちに来るまでに何人もの神が消えた、
消えるだけでまた信仰が戻れば現れる、
でもその時の神は不機嫌なのよ、
都合のいい時だけ神頼み、
それが終わればまた信仰がなくなる、
(それとさっきのことになんの意味があるんだ、)
「私はこっちに来るまでにただの妖怪で家族と一緒にワイワイ過ごしていたわ、
でも私だけこっちにきた、
なぜかこの狐地蔵と一緒に、
その時から私は神の仲間入り、」
私は狐の地蔵を撫でた、
苔がついてたりして朽ち果てている、
500年、
私にとっては長いような短いような時間、
「初めは神様の真似事をして楽しんでいたわ、
みんなも喜んでいたし、
でもね、」
私は彼の周りを歩く、
「昔はね、
この辺りにも村があったの、
当時は貧しかったけど活気があったわ、
私も見ていて楽しかったわ、
でも、
魔族との戦いが激しくなりその村も戦いに巻き込まれる前にこの村の人々は他の町に移ったの、
戦いが終わっても誰も戻ってこなくなり、
家は朽ち果ててそこから森ができたの、」
昔が懐かしい、
もう戻れないけど、
「その頃からシルフと友達になったの、
よく遊びに来て話し相手になったりして、
あの子が私の支えになってたの、」
あの子には色々と救われた、
明るくて裏表がないため安心できた、
長い話はここで終わり、
ここからが本番、
「あなたたちがお供えをするまで消える覚悟をしていたの、
信仰がなくなったからね、
でも、
心残りがあったの、」
(心残り・・・)
そう、心残り、
「私のお父さんとお母さん、
それにやんちゃな弟のこと、
もう帰れないからせめて伝えたいの、
私は幸せだった、
今までありがとうって、
あなたならいずれ、
何年かかろうと帰るつもりなんでしょう、」
彼はゆっくり頷く、
「だから伝えて欲しいの、
私が生きていた証拠として、」
ずっと考えてた、
私がいなくなってみんながどうなっているか、
もう会えないけどせめて伝えて欲しいから、
「もう一つあるの、」
私は彼に近ずいて正面から彼を見る、
彼の目には希望がある、
私と違い眩しく輝いている、
生き人から死人になっても消えることのない希望の光、
きっと消えない光、
私はそこに惹かれたのかしら、
毎日来る彼と小さい子はいつも楽しそうだった、
その輪に入りたいとも思った、
「私を抱いて欲しいの、」
彼は驚いた様子はない、
面白くないわね、
「まだ経験してないから、
最後に女の喜びを知りたいの、
悲劇のヒロインを演じているつもりはないわ、
それにあなたなら優しくしてくれそうな気がしたから、」
私の心の中にあるものを言ったって彼の迷惑になるだけ、
だからせめて、
最後は1人の女として消えたい、
(・・・キュウビはそれで満足か?)
私は頷いたわ、
(なら、もう何も言わない、
できるだけ優しくする、)
そう言い口付けをしてきてくれた、
初めは優しく、
少しずつ激しく、
私は小さく術を唱えながら彼に私の全てを捧げた、
幸福の時間はすぐに終わるとはよく言ったのもね、
私たちは地面に横になりながら見つめあっていた、
服と着物を体にかぶせて、
すると違和感があった、
私は悟った、
もう時間なんだと、
「お別れね、」
私は身を起こした、
その時に私を中心に優しい光の魔法陣を出した、
「ありがとう、
私のわがままに付き合ってもらって、」
(気にしないでくれ、
それに、
約束は果たす、
必ず元の世界に戻りその言葉を伝える、)
本当に心強い、
私は彼を信じてよかったと心の底からそう思える、
ふと、
自分の足を見ると、
足から光の粒子になって消えていく、
「あなたに出会わなければただ消えていくだけだった、
感謝しきれないわね、
何も恩を返せれなくてごめんなさい、」
(気にしなくてもいいさ、
俺は久しぶりに人肌に触れることができて嬉しかった、
こっちこそありがとな、
キュウビ、)
そういえば私の名前を教えてなかったわね、
私は彼の胸に顔をうずめながら自分の名前を言う、
「葵」
(えっ?)
「私の名前は葵よ、
妖怪は親しい人と家族以外には名前を教えてはいけないしきたりなの、
ねぇ、
あなたの名前も教えて、」
彼は悩んだような顔をした、
でも決心したような顔になる、
「俺の名前は・・・」
その瞬間一筋の風が吹いた、
まるで私以外の人には聞こえないようにするために吹いたような風、
私は満足した、
もう会えないから、
最後に聞けてよかった、
「バイバイ、」
私も彼だけにしか聞こえないように言って消えた、
(バイバイ、
葵、)
彼はそう言ってくれた、
そして、
ふよふよと浮いて森の入り口に消えていった、
えっ?
なんで私が話しているかだって?
もちろん消えたわよ、
彼の前から、
今はその近くの木の陰に隠れている、
今着物を着ている最中、
どういうカラクリか、
彼の周りを歩いた時に土魔法で魔法陣を描いたの、
彼に気づかれないか心配だった、
そして伝えるだけ伝えて彼から種をもらい消える、
すると近くから風が吹いてきた、
「本当に女狐だね、
葵は、」
私の親友のシルフがきた、
「そうかしら、
私のことより覗き見していたあなたは性格悪いと思うわ、
さすがいたずら好きの精霊ね、」
「はいはい、
・・・・・・それで、
本当にもう幽霊さんに会わなくていいの?」
もう、
そんな顔しないで、
「私の気持ちを伝えたって彼には迷惑なことなの、
だからそれっぽく言って消えた方が彼の背負う荷物がなくて済むと思ったの、
自己満足かもしれないけどそれでいいのよ、
それに、」
私はお腹を撫でた、
「私はこれから1人ではないから、」
行為中に私自身にかけた魔法、
確実に赤子を作るための魔法、
「本当に女狐だね、」
シルフは困ったような、
それでいて優しげな表情で私を見ていた。




