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キツネと風精霊

「初めまして、人の子と幽霊さん、」


そこにいたのはコスプレしているお姉さんだった、


なぜコスプレと言ったのか、


まず服装、


この世界では見ることのない真紅に花の模様を刺繍した着物だ、


少し着崩して肩を露出させている、


ついでに胸の谷間も見えてしまう(かなり大きい)


きわめつけは頭、


ホッキョクキツネを思わせるような白いキツネの耳、


髪も白く、


肩より少し長い


スタイルもいい方である、


顔立ちは美人の分類に入るだろう、


しかし、


妙に色っぽい、


尻尾も付いている、


しかも9本、


(キュウビか?)


幽霊さんが思わずそう呟いた、


「そうね、確かに私はキュウビよ、

でもそれは本当の名前じゃないの、」


(じゃあ玉藻前か?)


「キュウビも玉藻前も同じよ、

日本と中国では呼び方が違うのよ、

しかもそれ名前じゃないよ、」


キュウビのお姉さんが面白そうに言う、


「あのー、師匠は何のお話をしているんですか?」


話についていけてないシルフィードが幽霊さんに尋ねる、


(あぁすまん、

俺の元いた世界の妖怪の話だ、)


「ヨーカイ?」


(魔物みたいなものだ、

けれど人に危害を加える奴は少なくイタズラや人を脅かしたりしているだけだ、)


「危害を加えない魔物ですか、

一度見てみたいです!」


「目の前に居るじゃない、

それに魔物と同じ扱いってなんか複雑だわ、」


そんな会話をしていて幽霊さんはふと思った、


(キュウビさんは何で俺たちの前に現れたんですか?)


「キュウビさんって私にはちゃんと名前があるのに、

言わない私が悪いけど、」


(教えてくれるんですか?)


「・・・やっぱりやめとく、キュウビでいいよ、」


少し悩んでからキュウビが答える、


「何でです?

信用できないからですか?」


シルフィードの問いかけにすごく困った顔をしてしまうキュウビ、


「そういう訳じゃないけど、

何て言えばいいかしら、

家庭の事情?」


(妖怪に家庭ってあんの?)


「あるわよ、

私はもともとホッキョクキツネだし、

家族揃ってキュウビになっちゃったから、」


(つまりキュウビ家がある訳だ、)


「えぇ、今では私1人だけだけど、」


キュウビは寂しそうに言う、


「話が脱線したわね、

それで私が2人の前に出てきたのはお礼をしたいからよ、」


シルフィードと幽霊さんは首を傾げる、


お礼をされるようなことをしていないからだ、


「何でって顔をしてるわね、

あなた方が作ってくれたお稲荷、

それのお礼よ、

懐かしくて初めは泣いたわ、」


(懐かしくて、

キュウビさんはもしかして、)


「そう、

あなたの元の世界、

あなたと同じ日本から来たのよ、」


(キュウビさんも魔方陣っぽいのに乗ってきたんですか?)


幽霊さんが聞いた、


「魔方陣?

私はいつの間にかこっちに飛ばされてたの、

今から500年以上も前に、」


「500年以上もですか、」


シルフィードが呟くように言う、


(キュウビさんは日本では何年にここに来たんですか?)


「確か、2000年位かな?

詳しくは覚えてないわ、

100年単位で生きているとそのあたり曖昧なのよね、

ただ、

家族で21世紀のお祝いをした記憶はあるわ、」


(妖怪が21世紀のお祝いって、

なんか複雑、

しかも2000年位って10年くらい前か、

以外と最近だな、)


「あなたも2000年代からきたの、

以外と親近感が湧くわね、

って、また脱線したわ、

その前にお稲荷ある?

あったら頂戴、

お腹すいたわ、」


妖怪ってお腹空くのか?


と幽霊さんは思ったがまた脱線しそうだったため堪えた、


「はい、どうぞ、」


シルフィードは手に持っていたお稲荷を渡した、


「ありがとう、

このお稲荷美味しいから、

でも酢飯じゃないのが寂しいわね、

でもよく作ろうと思ったわね、

油揚げもそうだけど、

お米も作ったのよね、

お米にしては変な歯応えだし、」


(小麦粉で作ったなんちゃって米だからだ、)


小麦粉を水で固めてこねてそこからお米サイズにチネって作るなんちゃって米、


キュウビはお稲荷を嬉しそうに食べる、


シルフィードと幽霊さんは作ってよかったと思いながらキュウビが食べ終わるのを待っている、


キュウビが食べ終わり、


「美味しかった、

ありがとうね、

さて、それじゃ改めてお礼をしたいけど何がいい?」


そう言うが2人は悩んだ、


「無いの?」


キュウビが2人の態度を見て思わず聞いてみた、


2人は頷く、


「うーん、

そもそも何でお供えしようと思ったの?」


「師匠がキツネさんの石があったらお供えしなさいって、

そしたらいいことがあるかもって言ってたの、」


キュウビの問いかけにシルフィードが答える、


「そのいいことが今巡ってきているのに、」


キュウビがそう言った後小さくため息をついた、


(そもそも、そのお礼って何をしてくれるんだ、)


「そうね、

男なら夜伽をすることが多いわね、

女は・・・主に呪いかな、」


物騒な事言ってる、


(前者はともかく、

後者は・・・聞くのやめとく、

怖いから、)


幽霊さんはため息をついた、


「その方がいいわ、」


キュウビも小さくため息をつく、


「師匠、夜伽って何ですか?」


(15歳になったら教えてやるよ、)


シルフィードの純粋な質問に幽霊さんははぐらかす、


一瞬、氷龍が(逃げましたね)といった気がするが気にしない、


「そう言えば、

私、あなた達の名前を聞いてないわ、」


キュウビが思い出したように言う、


「そうでした、

私はシルフィードと言います、」


シルフィードはそう言いお辞儀をする、


(俺は・・・幽霊さんでいいわ、)


「何それ、さっきの仕返し?

まぁいいわ、それにしてもシルフィードね、

シルフにあやかったのね、」


(シルフって呼び捨てですか?)


幽霊さんが呆れていると、


「だって友達だもん、」


衝撃の言葉が飛んできた、


「友達・・・ですか、

風精霊様と、」


「うん、それに今この森にいるわ、」


更に衝撃の事実が言われた、


「更に言うならこっちに来てるわ、」


空いた口が塞がらないとはこの事を言うのか、


そう幽霊さんが思っていると強い風が吹いてきた、


風がキュウビの隣に渦を巻くように流れてそして、


「ヤッホー!遊びに来たよー!」


すごくテンションの高い少女が来た、


(だから何、

この展開、)

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