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短編置き場  作者: 渋音符


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23/23

震音


 唐突な揺れ。

 ゆさゆさ。

 目蓋離れ。

 ぱさぱさ。

 眉毛が抜ける。


 目、痛み。取れない。

 ごしごし。

 欠伸が頬に引っ掛かる。

 すっかり目が冴える。


 揺れている。

 ベッドの上。

 ちょっと怖い。


 濡れている。

 布団の中。

 結構暑い。


 消えた冷房。

 タイマー通り。

 回るのはサーキュレータだけ。


 どく、どく。

 熱い音。

 身体の真ん中。耳の裏。

 僕の音。


 揺れているのは、ベッドじゃない。

 僕だ。

 僕が揺れている。


 薄い身体が、どく、どく、と。

 揺れて、震えて、それを勘違いして。


 目を閉じて、僕の音を聴く。

 横向けになって、耳を枕に押し付ける。

 胸と脇の中間に痛み。

 僅かに跳ねる身体。

 どく、どく。

 ふる、ふる。

 音と震え。

 同時。


 心地良い。けれど、寝苦しい。

 夏の暑さの所為。

 音と震えも、眠気を誘うリズムじゃない。

 だから、目を瞑ったまま、一夜を明かす。

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