春の絵
久々に筆がのったので。
春雨、白く細く線を描いた。
隣に覗き込むあなたがいた。
叩かれた葉、千切れた花、
セメントに遺った面影を、
カンバスに写して。
縁側、物干し竿の向こうの、
雲間に見える太陽。
段差の下、小さな花。
横切っていく蟻の群れ。
全て線で台無し。
傘の肌のホワイトノイズ。
地面を撃つ透き通った弾丸。
散る命、跳ねる鏡、
セメントに遺った面影を、
かんばせに映して。
ペンキ塗りたてのベンチよりも、
カビだらけの鏡がいい。
敷き詰められたレンガよりも、
素肌が露わな壁がいい。
咲き誇った花よりも、
舞い散る花弁よりも、
あなたが踏み締めたそれがいい。
それを描いていく。
春雨、白く細く線を描いた。
隣に傘をさすあなたがいた。
叩かれた葉、千切れた花、
セメントに遺った面影を、
かんばせと写した。
春の雨が好きです。
降り注ぐ雨に打ちつけられ、散った花弁が濡れて、コンクリートにくっついているのをよく見ます。
そういう姿を前までは汚いと思っていました。
汚くて、見たくなくて、でもやたらと気になってしまう。
気にしているのだと思いました。
汚いからこそ、気にしているのだと。
だから、こういうのを書く気になりました。
自分語りでした。




