老狩人
老狩人の後を追って、私は荒涼とした大地を進んでいます。ゴツゴツとした岩が足元を覆い、風が容赦なく吹き付けます。老狩人は、杖を突きながら、ゆっくりと歩いています。彼の背中は丸まり、まるで風に吹かれる木のようです。
「この辺りは、昔はもっと緑豊かだったんだ。」老狩人は、時折、過去を懐かしむように呟きます。「風の神の恵みを受けて、人々は豊かに暮らしていた。しかし、いつからか、風の神の怒りに触れ、大地は荒れ果ててしまった。」
私は、老狩人の言葉に耳を傾けながら、周囲を観察します。確かに、ところどころに、かつて緑があった痕跡が見られます。風化して崩れかけた石造りの建造物や、枯れ果てた木の根などが、かつての繁栄を物語っています。
「古代遺跡は、この先にあります。」老狩人は、そう言うと、足を止めます。「しかし、そこへ行くには、危険な場所を通らなければならない。」
私は、老狩人の言葉に、緊張感を覚えます。「危険な場所とは、どのような場所ですか?」
「かつて、風の神に仕えていた精霊たちが、今では、邪悪な存在に変貌してしまったんだ。」老狩人は、重々しく語ります。「彼らは、風の神の聖地へ向かう者を阻み、その魂を奪おうとする。」
私は、老狩人の言葉に、覚悟を決めます。「それでも、私は行きます。風の神の聖地へ辿り着き、風の都を救わなければならない。」
老狩人は、私の決意に、頷きます。「わかった。ならば、私が案内しよう。ただし、油断は禁物だ。奴らは、いつ、どこから現れるかわからない。」
老狩人は、再び歩き始めます。私は、彼の後を追って、慎重に足を進めます。周囲の景色は、ますます荒涼としていきます。岩の隙間からは、不気味な風の音が聞こえてきます。
突然、私の背後から、鋭い風の刃が飛んできます。私は、間一髪でそれを避け、アトランティスの竪琴を構えます。
「来たな!」老狩人は、杖を構え、臨戦態勢に入ります。
目の前に現れたのは、黒い風を纏った、異形の精霊です。その姿は、かつて風の神に仕えていた精霊とは、かけ離れたものでした。その瞳は、憎悪に満ちており、私たちを睨みつけています。
「人間どもよ、風の神の聖地へは、行かせぬ!」邪悪な精霊は、低い声で唸ります。「ここで、お前たちの魂を奪い、風の神の怒りを鎮めるのだ!」
私は、アトランティスの竪琴を奏で、聖なる旋律を放ちます。その旋律は、邪悪な精霊の纏う黒い風を打ち払い、その動きを鈍らせます。
「その音色は...!」邪悪な精霊は、驚愕の表情を浮かべます。「まさか、アトランティスの竪琴を持っているとは...!」
老狩人も、杖を振るい、精霊に攻撃を仕掛けます。しかし、邪悪な精霊は、風を操り、老狩人の攻撃をいなします。
私は、アトランティスの竪琴を奏で続け、邪悪な精霊を鎮めようと試みます。しかし、精霊の力は強く、なかなか効果がありません。
このままでは、老狩人が危ない。私は、竪琴を構えながら、精霊に近づき、直接攻撃を仕掛ける決意をします。




