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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
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136/360

守護者

海の守護者の言葉が、今も耳に残る。責任……世界の未来を左右する、と。重すぎる言葉だが、逃げ出すわけにはいかない。私は、この星影の鉄を使って、世界樹と共鳴する楽器を作る。それが、私の使命だと感じている。


海岸の焚き火の火は弱くなり、冷たい夜風が肌を刺す。星影の鉄は、私の膝の上で静かに光っている。その光は、深海の闇を思わせる深い青色で、まるで宇宙の星々を閉じ込めたかのようだ。


「さて、何を始めようかしら……」と呟くと、さっきの海の守護者が姿を現した。彼女は、いつの間にか私の傍らに立っていた。まるで幽霊のように、静かに、そして素早く。


「世界樹への旅は、容易ではありませんよ」彼女は静かに言う。「世界樹へは、様々な試練が待ち受けているでしょう。あなたは、その試練を乗り越える準備ができていますか?」


「試練……ですか?」私は少し緊張しながらも、答える。「どんな試練でも、私は乗り越えます。世界樹の旋律を奏で、この世界の未来を救うために」


彼女は頷く。「素晴らしい決意です。しかし、世界樹への道は、一つではありません。あなたは、どの道を選びますか? 一つは、古の賢者たちが辿ったと言われる『風の道』。それは、危険と隣り合わせの険しい道ですが、最も早く世界樹へと辿り着けるでしょう。 もう一つは、『水の道』。こちらは、穏やかで安全な道ですが、時間がかかります。そして、最後に『地の道』。それは、迷宮のような複雑な道で、多くの謎を解き明かさなければなりません。」


彼女の言葉に、私は地図を思い浮かべる。風の道は、険しい山脈を越える道だ。水の道は、果てしない大海を航海する道だ。そして、地の道は、地底深く広がる迷宮を進む道だ。どれを選べばいいのか……迷う。


少し考え込んだ後、私は答える。「私は……風の道を選びます。時間は大切です。世界樹の運命は、刻一刻と変化しているかもしれません。迅速に行動することが、この世界の未来を救う鍵だと信じています。」


海の守護者は、私の決意を静かに見つめる。「風の道は、あなたの勇気を試すでしょう。強大な風魔や、その領域を支配する精霊たちとの戦いを覚悟しなければなりません。しかし、あなたがその試練を乗り越えれば、世界樹への道は開かれるでしょう」


彼女は、私の前に小さな貝殻を置く。「これは、風の精霊の導きとなるでしょう。この貝殻が指し示す方向へ進めば、世界樹への道は開かれます。ただし、この貝殻の導きは、常に正しいとは限りません。あなた自身の判断も必要になるでしょう。」


貝殻を手に取ると、かすかな温かさを感じた。それは、まるで希望の光のような、温かさだった。


「ありがとうございます」私は、海の守護者にお辞儀をする。「必ず、世界樹の旋律を奏で、この世界の未来を救います」


夜空には、満月が輝いている。その光は、私の決意を照らしている。私は、深呼吸をして、貝殻を頼りに、風の道へと足を踏み入れる。世界樹への旅が始まったのだ。

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