↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
PR
120/360

消滅

鳥の消滅後、楽園は静寂に包まれたままだった。しかし、その静寂は重苦しいものではなく、むしろ、新たな始まりを予感させる清々しさに満ちていた。図書館長と歴史家は、言葉を失ったように、ただその光景を見つめていた。 私は、ゆっくりと竪琴を拭い、静かに息を吸った。アトランティス文明の影、いや、その最後の記憶と呼ぶべき存在との会話は、多くのことを明らかにした。彼らの滅亡は、野心や悪意ではなく、宇宙の法則に対する理解不足と、その理解への過剰な執着が原因だったのだ。


「ミタムさん…信じられない…」歴史家が、やっと口を開いた。彼の声には、驚きと深い感慨が混じっていた。「アトランティス…彼らは…悪の帝国ではなかった…」


「そうみたいね」私は、静かに答えた。「彼らは、宇宙の真理を探求する、純粋な…科学者…だったのかもしれない。しかし、その探求は、制御不能な力へと発展し、彼らを滅ぼしてしまった」


図書館長は、ゆっくりと杖を握り締めた。「創世の言葉…それが、鍵なのかしら…宇宙の調和を取り戻す鍵が…」


私は、頷いた。「鳥…最後の記憶は、そう言っていたわ。創世の言葉…それを正しく理解し、使いなさい…と」


しかし、創世の言葉とは何か? どのように使えばいいのか? その答えは、まだ私の手の中にはなかった。 「無限本」には、数式が音楽として記されていた。アトランティスの竪琴は、宇宙のエネルギーと共鳴する力を持っていた。そして、私の体内には、古代遺物が宿り、宇宙全体を感知する能力を与えてくれていた。 これらの断片的な情報が、私の脳内で交錯し、新たな謎を解き明かす糸口を探していた。


「まず…何をすれば良いのでしょう?」歴史家が、尋ねた。彼の言葉には、焦燥感と希望が混ざっていた。


私は、ゆっくりと空を見上げた。楽園の空は、鳥が消滅したにも関わらず、依然として星屑の輝きに満ちていた。それは、アトランティス文明の最後の記憶、そしてその残された叡智が、私へと受け継がれた証なのかもしれない。


「…まず…私たちは、創世の言葉を理解する必要があるわ…そして…それを正しく使う方法を…見つけ出さなければならない」私は、静かに宣言した。 その言葉と共に、新たな旅の幕が、静かに上がった。 楽園の静寂の中、未来への希望と、未知なる挑戦への覚悟が、私の胸に満ちていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。