星屑
深呼吸をして、私はゆっくりと口を開いた。「あなたは…一体何者ですか? アトランティス文明の…影…と聞いていましたが…。」
鳥の姿をした存在は、私の言葉に反応し、ゆっくりと羽ばたいた。その動きは、まるで悲しみに暮れる魂の舞のようだった。 羽ばたきの度に、無数の星屑が舞い上がり、楽園を幻想的な光で満たした。
しばらくの間、沈黙が続いた。鳥は、私を見つめ、その大きな瞳には、言葉にならないほどの苦悩が映っていた。 そして、やっと、かすれた声が響き渡った。
「私は…アトランティス…の…最後の…記憶…です。」その声は、まるで遠い過去のこだまのように、かすかに、しかし確実に私の心に届いた。「我々は…宇宙の法則に…逆らった…その罰として…消滅…する…はずだった…」
鳥は、さらに羽ばたき、その姿は、次第に輝きを増していった。 それは、消滅していくのではなく、昇華していくかのようだった。
「しかし…創世の言葉…それは…宇宙の…調和を…取り戻す…力…だった… 我々は…間違っていた… 宇宙を…支配しようとした…のではなく…理解しようとした… その…理解への…渇望が…我々を…滅ぼした…」
鳥の言葉は、アトランティス文明の滅亡の真実を語っていた。それは、野心や悪意によるものではなく、宇宙の法則への理解不足、そしてその理解への行き過ぎた渇望が原因だったのだ。
私は、鳥の言葉に衝撃を受けた。 アトランティス文明は、悪の帝国ではなかったのかもしれない。 彼らは、宇宙の真理を探求する、純粋な科学者集団だったのかもしれない。 彼らの失敗は、人間の傲慢さ、そして自然への畏敬の念の欠如にあったのかもしれない。
「あなたたちの…失敗を…繰り返さないように…」鳥は、かすかな光を放ちながら、言った。「創世の言葉…それを…正しく…理解し…使い…なさい…」
鳥の姿は、次第に薄れ始め、まもなく、星屑となり、消滅した。 しかし、その言葉、そしてその存在感は、私の心に深く刻まれた。 楽園は、静寂に包まれた。 しかし、その静寂は、悲しみや絶望ではなく、希望と新たな決意に満ちた静寂だった。 アトランティス文明の影との戦いは終わったが、真の戦いは、これから始まるのだ。 私は、残された「創世の言葉」の謎を解き明かし、宇宙の調和を取り戻すため、新たな旅に出なければならない。 私の竪琴は、再び、宇宙の交響曲を奏でる準備を始めた。




