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蜜珠の禁書  作者: mutuminn
2部
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108/360

私の指が、アトランティスの竪琴の弦に触れる。同時に、鏡の世界の混沌としたエネルギーが、私の全身を駆け巡る。それは、言葉では言い表せない、強烈な感覚だ。まるで、太古の宇宙の創造と破壊が、同時に私の体内で繰り広げられているかのようだ。 しかし、恐怖はない。私は、宇宙の交響曲を理解した。そして、その法則性を、この混沌の力にも適用できる確信がある。 竪琴の弦は、私の指先に応えて、微かに震える。私は、深呼吸をして、ゆっくりと、旋律を奏で始める。それは、宇宙の交響曲とは異なる、より複雑で、より原始的な旋律だ。しかし、それは、無秩序な音の羅列ではなく、明確な法則性に基づいた、壮大な音楽である。 最初は、かすかな音色だった。しかし、徐々に、それは増幅され、鏡の世界全体を満たしていく。植物たちは、その旋律に反応し、より激しく形を変え始める。まるで、狂騒のダンスを踊っているかのようだ。 図書館長と歴史家は、私の演奏を、息を呑んで見つめている。彼らの目には、驚きと畏怖が混じり合っている。 「…これは…!」図書館長は、呟く。「混沌の力が…秩序を帯びている…まるで…制御されているかのようです…」 「…その通りです。」私は、演奏を続けながら、答える。「混沌の力も、宇宙の法則に従っています。その法則性を理解し、それを音楽として表現すれば…制御できる…のです。」 しかし、演奏は、容易ではない。混沌の力は、時折、私の意識を揺さぶる。まるで、私の魂を飲み込もうとするかのように、強烈なエネルギーが押し寄せてくる。私は、不死の力を駆使し、その波に抵抗する。 私の額には、汗が滲む。しかし、私は演奏を止めない。宇宙の交響曲の理解が、私を支えている。私は、この混沌の力を、新たな音楽へと昇華させる。 演奏は、クライマックスを迎える。鏡の世界のエネルギーは、ピークに達し、そして、静かに、落ち着いていく。植物たちの動きも、穏やかになり、その形は、美しく、神秘的な輝きを放つ。 演奏が終わると、静寂が訪れる。しかし、それは、先ほどの混沌とした静寂とは異なる。それは、秩序と調和に満ちた、静寂だ。鏡の世界は、その姿を大きく変えつつあった。

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