Act.11 罠
目の前に突如壁が出現するが、リング・マジックで発動したからには、初歩魔術のはずなんだよね。ということは、薄いし、壁の存在してる時間は、もって10秒ってところじゃん?
「んー?目くらましのつもりなのかな?乗じて逃げるのかな?こんな小さな壁いに無いじゃん?」
聞いたところで答えてくれないのは、わかってるけど、つい、聞いちゃった。だって、間抜けすぎるじゃん。さて、どう動くのかな?従兄弟さんは、楽しいから様子見ちゃおうっと。
いくら血族とはいえ、屑でノロマな奴が何をしても無駄しね。絶望感あたえまくって、仲良しの2匹を目の前で刻んでやったら楽しいだろうしね。あー、ワクワク興奮してきちゃったよ。
壁の向こうで、ブッン!!と音がしたと同時に壁の上空からコブシ大の石が飛んでくる。
「ん~?壁使ってその程度のことしかしないの?残念だねぇ~。」
ふと、右端に人影が写り、右側に上半身をひねり、石を避けつつ人影に体を向ける。
壁で視界を奪って、石投げて、運がよければ、避けた方向と自分が現れた方向が一緒だったら体制が崩れてるところを狙っちゃいましょうって感じなのかな?なんかさっきの高揚感うせちゃうんですけどね。
俺は、そのまま、体全体を奴に向けると驚きもせず、淡々と突然の胸の前に挿している5本の投げナイフを自分の影に投げ込んだ。
ん、運が悪かった時ようも、一応考えてあったみたいって感じかな?でも甘いよ。それ知ってるし。こんな愚図でもお父様は、必要なのかな?いらないんじゃないかな?
「残念な虫だね。」
俺は、そう言うと投げ込んだナイフが影に飲まれた瞬間、後ろに飛ぶ。これで、さっきまでの俺位置にでてくる従兄弟の投げナイフは完全に避けれた。と思ったのだが、俺が着地する瞬間。俺の足の裏に何かが触れた。
「!?いてっぇ!!」
何かが触れたと思ったときには、もう遅い、そのまま自分の体重で、何かが俺の靴底を破り、そのまま、俺の両足に突き刺さり、貫通する。足を見ると刃物が、影から出ているのだ。
異能は避けたはずなのに!?なんだ?俺は先ほど投げ込んだ奴を見ると、奴の姿は、徐々に揺らぎ消えていく。
「くそったれが!!小細工しやがったな!!」
俺は、女を見た。先ほどまでとろくて無害で、俺に嬲られるのをまっているだけの糞女虫は、魔法書に手に沿え、魔法を行使したようだ。魔法の1つ。幻影を行使したのだろう。数秒間思い描いたモノを見せる魔法だが、人の動きなどややこしくて難しいはずだ。でも糞女虫はそれをやってのけたのだろう。そして、幻が異能を使う振りを俺が真に受けて後ろに飛んで避けると予測して、従兄弟は、異能を使う。そんな罠だったのだろう。実際、効果時間が切れて、崩れた壁の向こうで、最初の位置とあまり変わらないで、後ろにとんだ俺との視界を壁邪魔できないところに移動した程度だ。なにもかも計算づくってことなんだな。
「余裕こいてたら、カモになったわけか、へへっ・・。」
「スクワッシュじゃなくて、まさか、アサギと連携使うとは思わなかったけどな。」
慰めか?いやただの感想だろ?連携?そうか、連携か。俺の脳裏に1人と2匹が思い浮かんだ。そろそろ来るころだろ?なぁ、弟よ。
「ねぇ?シャトルーズ呼んだ?」
従兄弟を中心に俺と反対側の木の陰から笑んでいるシャトナークが、ひょっこり現れた。
「てぇめぇ、見てたなら手伝いやがれ!!まぁ、いい、こいつら全部くっていいぜ!!」
「ねぇ?お父様に怒られない?」
そう俺たちはお父様の命令で従兄弟の回収に来てる。だが、そんなことはどうでもいい!!俺に屈辱を味合わせた奴は、この世から消えてしまえ!!
「いなかったって言えばばれねぇーよ!!ばれても後の祭りだ!!くってしまえ!!」
「そう言ってくれると思って隠れてたんだ。出ておいで、シロ・クロ。ご飯だよ。」
満面の笑みになったシャトナークが、拍手を2つ打つと森の影からまるで馬のごとき大きな白犬と黒犬が、口からよだれをたらし、2体が出てくる。
「けっけっけ。とりあえず、シロ・クロ!!従兄弟の手足を噛み千切って、だるまにしてまえや!!その後じっくり女をいたぶるぞ!!!」
そうだ、だるまになって動けない従兄弟の目の前で女を切り刻んでやる。そして、じっくりじわじわと従兄弟の肉片をそいで、俺を罠にはめた事を後悔させてやるんだ。
「ねぇってば、シャトルーズ。いつも言うけど、シロとクロに勝手に指示出さないでよ。シャトルーズみたいな性格にそだったら困るじゃない?」
「うっさぇ!!じゃとっととお前が、伝えろ!!」
弟の異能は俺のものなんだよ!!
「シロ・クロ。食べといで。」
シャトナークが、指をパチンと鳴らすと2匹の犬が、従兄弟に徐々に近づいていく。
「獣相手か・・・・。」
従兄弟は、俺たち兄弟と犬2匹に注意を払っているが、奴の棍は、すぐには拾えないところにある。そして投げナイフは後1本だ。どうにか1匹は防げてももう1匹は、防げ無いはずだ。
「はっは!!さぁーどういう罠にひっかけるんだい?あっちの糞女虫とまた連携か?さぁー死ね。死んでしまえ!!」
俺が、叫ぶと犬達が一気に跳躍し、襲い掛かるが、従兄弟は不適な笑みを浮かべ、すばやく腰から何かを犬たちに投げつける。
「獣ならスクワッシュでなれてるぜ!!」
跳躍中に突然、飛んできたものを避けれるわけもなく、2匹とも従兄弟に噛みつこうとしていた牙で噛み砕いた。どちらも袋が破け、白い粉が舞った。
「「ギャウゥン!!」」
「は!?」
2匹ともバランスを崩し地面に崩れ落ち、前足で鼻を押さえるかのようにして、もがいている。それをみて理解できない俺は、間抜けにも口が開いてしまったようだ。
「うがぁ!!なんだ!この痛みは!!」
シャトナークも犬達を指示した場所で、犬達のように手で、鼻を押さえもがきだした。シャトナークの異能は、5感を共有するのだから、犬達にもシャトナークのような痛みに襲われているのだろう・・。
「小麦粉と唐辛子と胡椒ミックスだ。嗅覚がいい生き物には、地獄だろ?」
「はぁ?なんでそんなもん持ってるんだよ!!」
その準備の良さは一体なんなんだ?万が一、この試験内容が、サバイバルだと知っていたなら野獣用によういしているかもしれないが、そんなことも知らないはずだ。
「それは、なぁ、スクワッシュ。お前が暴走しすぎたときようだよな?」
従兄弟の視線は、俺の背後に向かっている。しまった!!痛みと怒りで、周囲への注意を払い忘れていたか!!
「あぁ、1週間は鼻が利かなくなるしそれ匂うのはごめんだな・・・。」
そんな声が聞こえると同時に俺は、首筋を強打され、意識を失った。




