第十六章:彼ら
-1-
「射川?今日朝練出て来なかったけど、寝坊でもしたの?」
入間だ。
「…いや…そうじゃないよ…」
そういいながら
バイオリンをケースから出す。
「入間…。天妙寺秋桜ちゃんって知ってる?」
「え?あ…うん…まぁ…。愛理ちゃんと同じピアノ教室に通ってるんでしょ?
って…教室って射川の家のことか。」
そういいながら入間はニヤッ、と口の端をあげていたずらっぽく笑って見せた。
愛理ちゃんが教えたのだろうか?
………。
一度は出したバイオリンを再びケースにしまった。
「入間」
「うん?」
そういいながら入間は自分のバイオリンケースを棚から引っ張り出しているところだった。
「部活抜けない?」
「え?」
入間はちょっとびっくりしたように目を見開いて見せた。
「ゆっくり話がしたいんだ。秋桜ちゃんとか羽鳥先輩の話とかいろいろ…。
部活終わってからだと時間遅くなっちゃうし…それに今弾いてるのって
簡単な曲だからそんなに練習しなくても弾けるでしょ?
どう?」
すると入間は再びニッ!と笑って見せた。
-2-
かばんを引っ掛け、ただただひたすら学園中央広場のほうへ向かって歩き出す。
雨はすっかりやみ
雲間から太陽が顔をだしていた。
「入間、どこまで行くの?」
北金倉や金倉とはぜんぜん違う方向へと入間は無言のまま
歩き続けていた。
やがて現れたのは、
大きな時計台の付いた巨大な建物。
「へぇ…こんなのあったんだ…。おっきいなぁ…ここどこ?大学棟?」
「そうだよ、大学図書館。」
「ふぅん…でもなんで図書館なんかに?」
「まぁまぁ…さ、中入ろう。」
そう言って建物の東側に回りこむと
“満点星学園大学図書館”と書かれた入り口を見つける。
大学生らしき人たちがちらほらと出入りしていた。
入間に続いて中に入る。
すると電車の自動改札機みたいなものが入ってすぐのところにあるのを見つけた。
学生たちはなにやらカードを持っていてそれをセンサーにタッチしている。
「射川、学生証出せよ。」
そう言って入間も胸ポケットに刺さった生徒手帳を取り出し
それをタッチすると、センサーがピ!と音を立てて
入間は図書館の内側に入った。
慌てて自分も学生証が表紙に入った生徒手帳を胸ポケットから取り出すと
センサーにかざして中へと入った。
案内図をみるとこの建物は六階立てで地下もある。
地下と食堂もあるらしい。
中・高等部図書館とはぜんぜん規模が違うなぁ…。
入り口を潜り抜けると
一気に視界が開け、吹き抜けのフロアに出る。
「広い…」
思わず声を漏らした。
「中央には巨大な地球儀のモニュメントのようなものがあり
三方の壁には本棚がぎっちりとならび立ち
北側の壁は一面ガラス窓でやわらかい光が静かに降り注いでいた。
「わぁ…」
「もしかして射川、ここ初めて?」
「うん…てか…すごいね。入間は来たことあるの?」
「一度だけ来た事あるよ。探検がてらにね。」
「へぇ…」
そういいながらもあたりを好奇心たっぷりの瞳で見回した。
「あ!羽鳥さん!!」
入間の言葉に思わず振りかえる。
すると本棚と本棚の間から羽鳥翼が軽く手を上げてこちらへと歩いてやってきた。
「やぁ。」
「あ…こ…今日は。先日はどうもお邪魔しました」
「いやいや…そんなにかしこまらないで。」
そう言って羽鳥翼は穏やかに微笑んで見せた。
「僕がさっき羽鳥先輩にメールしたんだ。そしたら丁度少しだけ時間があるって
いうから…」
入間だ。
ああ…それでここにきたわけか。
いつメールしたんだろう?
全然気が付かなかった。
入間って本当ミステリアスだ。
頼りになるけど、逆に言うと
頼りになりすぎてたまに不安に思うこともある。
「竹人君。日曜日に大事なことをひとつ言い忘れていたんだ。
愛理ちゃんには話してあったからついうっかりしてね。
かといってメールで送るのもどうかと思って…。
入間君。竹人君を連れてきてくれてありがとう。
これで話がようやく進むよ。」
「いえ…」
「あ…の…それで大事なことって?」
息を飲んだ。
また想像を超えた不思議な出来事の続きが始まるのだろうか?
少し怖い…。
僕が軽くおびえているとその様子に気が付いたのか
羽鳥先輩は僕を安心させるかのように穏やかににこりと微笑んで見せた。
「愛理ちゃんと秋桜ちゃん、それから双子座が先に入ってるんだけど
竹人君にもお手伝いしてほしくてね。
詳細は今晩誰かしらいるからその人に聞くといい。」
「?あの…なんの話ですか?」
「今晩、眠る前にその指輪の石にキスをしてみて。
そうすればみんなの力になることができるから。」
「は?指輪に…キス?ですか…?」
何を言っているのかさっぱり分からない。
「じゃあ…ごめん。僕そろそろ授業があるから…」
そう言って軽く手を振ると羽鳥先輩は僕らに背を向け
階段を小走りで下りていってしまった。
「え…?
ねぇ…入間…知ってる?一体どういうことだろう?」
「ふふふ…楽しみじゃない!
僕も一緒に行くよ!」
「え?どういうこと?」
「いよいよだ!
夢幻空間!!」
「…なに?夢幻空間って…」
「行けば分かるよ!!良かった!羽鳥先輩の許しが出た!!」
入間が興奮気味に言うが
一体何のことなのかさっぱり分からない。
「よし、射川!帰ろうか?」
「え?あ…う、ん…」
入間がさっさと出口のほうへ歩いていってしまったので
慌てて小走りで追いかけた。
-3-
「入間…帰る前に…僕の相談乗ってくれない?」
「え?ああ!!ごめんごめん!!つい羽鳥先輩の許可が出たから
うれしくて浮かれちゃったよ!!
どうしよう…広場にでも行こうか?」
「うん。」
それにしてもさっきから…入間の言う“許可”とはどういうこと何だろうか?
二人が訪れたのは学園のちょうど中心部分にある広場だ。
巨大な円状の石が敷かれ放射線状にベンチが円の中心に向かってベンチと石像が交互に置かれている。
円盤の中心には満点星学園の紋章が掘られていた。
それを見てふと、
中心宮に似ていると思った。
一般人も立ち入れる区域になっているせいか
公園代わりに遊んでいる小さな子供たちと
それを見守る母親たちがいる。
なんとなく穏やかに時間が流れていた。
ベンチのひとつに腰を下ろすと入間もその隣に座って見せる。
「で?どんな話かな?僕で分かることならなんでも答えてあげるよ?」
そう言って入間はウィンクして見せた。
「ははは…」
思わず苦笑い。
だが気を取り直して…。
「あのさ、一体何が起ころうとしてるのかわからないんだけど…
さっきの羽鳥先輩の、“指輪にキス”っていうのも良くわからないし
その後、入間が言ってた“夢幻空間”って何のこと?」
「ああ…ええとね、
まぁ…僕から説明してもいっか。
正直僕もまだ行ったことないから具体的な状況はよく分からないんだけど
聞いた話だと
この学園そっくりの世界がもうひとつあって、そこで星集めをするって話だよ」
「……うーん…
そもそも入間はいつも誰からそう言った情報を仕入れてるの?僕より全然詳しいじゃない。」
「羽鳥先輩だよ」
入間は即答してみせた。
「そんなに仲良いの?」
「まぁね。射川はこっち帰ってきたばかりでまだ…ないか?
前も話したと思うけど羽鳥先輩、頻繁に部活に顔出してるんだよね。
差し入れとかさ。
そのときにもいろいろと話すしたまに二人きりで会って話したりもするよ。
いつだったかドライブに誘ってもらったこともあったしね。」
「ええ!?そうだったの?!」
驚いた。
そこまで入間と羽鳥先輩が親しい仲だったなんて。
ドライブ?!
「入間…君は一体何者なの…?」
「え?僕?僕は僕だよ。何言ってるんだよ、射川。変なこと言うなぁ」
あははと明るく入間は僕の言葉を笑い飛ばしてみせた。
「ふ…ふざけないでよ。おかしいじゃないか。
僕はイネ=ノの世界に行った。
そこでいろいろなものを見てきたし体験だってしてきた。
なのに君はそれ以上の知識を持っているかのように見えて仕方がない。
僕の支えとなってくれるのは本当に感謝してる。
ありがたいと思う。
けれど、
逆に不安なんだ。
いつも入間が僕の先に立って何かをしてくれてる。
それがまたアキレスの二の舞にならないかって、すごく心配なんだ…」
そういいながらひざの上で作ったこぶしをぎゅっと握って見せる。
「ああ…射川…なんか心配してくれるのはうれしいけど、
ホント、僕射川が思ってるような怪しいやつじゃないから安心して?
ただ羽鳥先輩といろいろと話をしたから情報をたくさん持ってるってだけだから。」
「入間…」
「で?あとはほかに聞きたいことない?」
「う…うん。そうだね…
というか…いったい何が起ころうとしてるの?
琴ちゃん、だっけ?あの女の子を助けるっていう話は分かったけど具体的に何をすれば言い訳?」
「うーん…星集めっていってもぴんと来ないか?
あのね?
1年の頃のこと覚えてる?
一昨年。
僕ら学園の雑木林を探検して蛇と鷲の石像を泥まみれになりながら見つけたじゃん?
蛇と鷲。この二つの共通点は何だと思う?
詳しい人なら一発で分かると思うんだけど、射川はどうかな?」
「え?蛇と、鷲?…なんだろう…二つとも動物でしょ?
動物の石像…石像…。
あ、そうだ…射手座の石像もあったよ!僕はその石像の前で気を失って…。
…ああ!!分かった!
星座か!?」
「そう。蛇座に鷲座。
二つとも星座として存在してる。
実はね、この学園の敷地内には本物の星図盤とまったく同じ位置に石像が置かれているんだよ。
で、ほら、図書館に地球儀みたいなでっかいやつあったでしょ?
あれが学園の中心。
つまり全天の中心、ポラリスって訳。」
「…ポラリス…。北極星か…」
「そうそう。そういうこと。
でね、夢幻空間の中ではその星座の石を集めることになる。」
「星座の、石?」
「そう。星座の守護石。具体的にどう集めるかはまだ僕も行った事がないから
よく分からないけれど。
その石集めをみんなは星集めって呼んでるみたい。」
「星集め…ねぇ…」
「とにかくさ、今晩、眠る前に射川はその指輪の石にキスすればいいんだ。
そうすれば夢幻空間に入れる。
僕もそうするから」
「え?入間も入れるの?」
「もちろん。
射川がくれたこの指輪があるからね!
全力で射川をサポートするよ」
「ああ…まぁ…いいけど…
それに付いて危険が伴ったりはしない?
なんか心配なんだけど」
「さぁ…まぁ命を落とすようなことじゃないだろうから
そこは大丈夫だと思うよ?」
「そう…ならいいか。」
やっとのことでひとつ、ため息を付いて見せた。
-4-
「あれ?!お兄ちゃん!?
今日は早かったね!!」
玄関に入ると明人がスリッパの音をパタパタと鳴らして
リビングから飛び出してきた。
「うん…」
「どうしたの?なんか元気ないじゃん?」
「え!?…そう?そんな事ないよ。さてと、着替えてこなくちゃ」
そう言って明人の横を通り過ぎると階段を上って自室へと向かった。
部屋に入ると
かばんとバイオリンケースを机の上に置いてネクタイを緩め
そのままベッドに全体重を投げ出した。
ボフン!と音をたてて倒れこむ。
天井を見上げてまたひとつ大きなため息をわざとらしく付いて見せた。
「ほらぁ~!やっぱり元気ない!!」
「明人!!」
驚いて体を起こす。
「今、すっごくおっきいため息付いたでしょ!
廊下にまで聞こえたよ!!」
しまった。つい油断してドアを閉めるのを忘れてしまっていた…。
すると明人は部屋に入ってくると
ベッドにチョコンと腰をおろして見せた。
そしてまぁるい瞳をぎょろりとさせながら
僕をまっすぐに見つめてみせる。
「学校で何があったの?新しいクラスに馴染めないとか?」
「あ…いや…そういうんじゃないよ。」
「じゃあ、どういうの?」
そういって明人は僕の太ももに頭を乗せて上半身横になるポーズをとってみせる。
その様子がまるで猫みたいだ、と僕は思った。
「別になんでもないよ。
もうすぐでクリスマス会があるからその練習で疲れただけだってば。」
「…うそつき」
そういうと明人は僕の左手を手繰り寄せ、
僕の小指に付いた紫色の石を人差し指でチョン、と突いて見せた。
「本当のこといってよ。僕リィーンだって言ったでしょ?
心、読めるんだから。
入間先輩に何か言われたの?」
思わず心臓がドキリと鳴った。
明人ってこんなに勘が鋭かったっけ?
思わず困惑する。
明人に打ち明けたら絶対に首を突っ込んでくるに違いない。
もう、明人を危険な目には合わせられない…。
これ以上は、もう無理だ。
だがしかし…。
明人の左手小指にはまる透明の石がついた指輪がそれを全否定しているかのようだった。
指輪をしている以上、その者たちは全員その使命に関わらなければならない。
そう訴えかけられているかのような気がした。
「アキ…」
もう一度深いため息を付いた。
「分かった。話すよ。だけど約束してくれる?
もうこの話に首を突っ込まないでほしい…
いいかな?」
「うん」
明人はそういって目を閉じた。
「あのね…日曜日…勉強会だって言ったけど
実は羽鳥先輩の家に行ってたんだ。」
「え?!」
いきなり明人は飛び起きて
僕の顔の目の前に自分の顔を近づけた。
「それ、本当なの!?」
「う…うん。」
「なんで言ってくれなかったの?!
僕も行きたかった!!」
「だからね…これ以上明人を巻き込みたくなかったんだよ…。
それでね、羽鳥先輩からいろいろと話を聞いたんだ。
この指輪についてもね。」
「あ…指輪…」
そう言って明人は自分の指輪に目を落とした。
「これは星座守護神の証。
明人のその指輪は蛇使い座守護神の印。
僕は射手座守護神…。」
「うん」
そういいながら明人は再び顔を上げて僕の瞳をじっと見つめた。
なぜだろう。
思わず緊張する僕。
小さなため息を付いた。
「それで、ね?ええと…何処から話そう。
そうそう。
学園にね、星座の石像があるんだ。
射手座とか鷲座、蛇座…おそらく蛇使い座もあるはず。
その星座の守護石を集めると羽鳥先輩のフィアンセの力になるんだって。
そのフィアンセっていうのがね、銀河系守護神だっていうんだ。
けれど、なぜか小さな女の子の姿のまま成長が止まってしまっている。
その時間を取り戻すために僕ら星座守護神の力が必要なんだって。」
「その守護石とやらはどうやって集めるの?」
「うん。僕も詳しくは分からないんだけど
“夢幻空間”っていうところに行って集めるらしいんだ。」
「“夢幻空間”…。」
そういいながらなぜか明人は顔をうつむかせて見せた。
が、
次の瞬間にはまたパッ、と顔を上げ僕の顔をじっと見つめる。
「それで?夢幻空間で守護石を集めるんだね?」
「そう。そういうこと。眠る前に指輪にキスをして…」
そこではっとする。
しまった!!
これ以上明人を巻き込みたくなかったのに…
夢幻空間に入る方法を教えてしまったら元も子もないじゃないか。
「そういえば入間が羽鳥先輩とドライブしたんだって」
思い切り話しをごまかした。
「え?入間先輩?」
突然話が飛んだので明人は少し驚いた表情を作って見せる。
そりゃ当然だわな…。
少し焦る僕。
「入間さ、僕よりいろいろと詳しいからどうしてそんなに詳しいんだって
聞いたら、羽鳥先輩と結構仲がいいみたいでさ。
一緒にドライブしたり出かけたりしてるみたい。
意外だよね」
「ふぅん…
じゃあ、入間先輩も夢幻空間に入れるんだ。」
「え?な…別にそんなこと一言も言ってないよ。
入間は入れないじゃないかなぁ?だって星座守護神じゃないし…ねぇ?」
「お兄ちゃん?僕をだまそうって思ってるだろうけど無駄だからね?
お兄ちゃん、嘘つくのすっごく下手なのは僕が一番知ってるんだから!
要するに眠る前にこの指輪にキスすればおにいちゃんと一緒に
その夢幻空間に入れるんだね?」
「あわわ!!ちょ…だめだよ!?
アキはだめ!!」
「なんで!?だめって行っても行くからね?!」
「もうこれ以上アキを巻き込みたくないんだってば!!
分かってよ!!」
「やだ!」
「アキ!!」
するとアキは目を潤ませて見せた。
泣き虫なのは相変わらずなようだ。
と、いきなりアキは僕の体に抱きついて見せた。
「また…またお兄ちゃんいなくなったら僕いやだからね?!」
「……アキ…」
「次おにいちゃんいなくなったら、僕自殺するよ!!」
「な!!
何言ってるんだよ、アキ!!」
そこで頭によぎったのは
イネ=ノが残した日記の中にあった
“明人君が自傷行為をしていた”
“カッターナイフを取り上げた”
などの文字。
明人は冗談で言ってるんじゃない。
本気だ。
「アキ…」
そっと自分の両手を明人の体に回すと
きゅっと、抱きしめて見せた。
「ごめん…すっごい心配かけたんだよね…
本当にごめん。アキはずっと待っていてくれたんだよね。
もう大丈夫だよ。僕はどこにも行かないから。
大丈夫、ずっとここにいるよ。」
「う…」
明人の体がかすかに震えだしたかと思うと
明人は大声で泣き出してしまった。
「アキ…、もう大丈夫だから!!ね?!
だから泣かないで?」
しかし明人は泣き止むどころか更に大きな声を立て
僕のスーツをぎゅっと思い切り握って見せた。
と、突然泣き止んだかと思うとストン!と明人の力が抜けた。
すぐにその異変に気づく。
「アキ?…アキ?!」
アキは目を閉じたまま動かない。
「何騒いでるの?」
そこへお母さんが入ってきた。
「あ!!お母さん!アキが!!また…」
「ええ?」
すぐに駆け寄ると明人の頬を軽くたたいてみせる。
「明人?明人?!」
まただ…。
イネ=ノの日記にも書いてあったけれど
明人がたまに突然気を失う症状がでる事がこっちの世界に帰ってきてから
ちらほらと。
イネ=ノ曰く心配ない、とはあったけど、
だからといって心配しない家族などいない。
明人を僕のベッドに寝かせる。
「竹人、着替えちゃいなさい。」
お母さんはこの症状にはすでに慣れた様子で明人に布団をかけながら言った。
「え、あ…うん…」
自分がまだ制服姿だったということに言われてやっと気づく。




