双子、隠れて特訓する件について
シュバルツ王国では、7歳以上からアカデミーに通うことが許可されています。アカデミーでは基本的に6年間学問や武術を学び、卒業していきますが、いずれかの秀でた成績を修めた者だけが5年間で卒業できます。又は、更に深く学びたいという者は追加で1年間学問或いは武術を専攻して学べる仕組みになっています。
その話をメイドから聞いた双子はますます外に出たくなり、メイドたちにどうすれば外に出られるのかと聞いてもメイドはみな苦い顔をし、離れていくのでした。
「ねぇ、兄様」
「どうしたの、姉様」
「私たちやっぱり、この不思議な力を極めるべきだわ。そしてお父様とお母様にわたし達の力を証明して、アカデミーに通えるようにしてもらうの」
「そうだね姉様、ぼくも同じことを思っていたよ」
「まずはこの力が一体何なのか、調べるところからね。私たちは今6歳。あと一年で力をつける必要があるわ」
「じゃあ、まずは図書室へ行こう」
双子は暇さえあれば図書室へ篭もり様々な本を読み漁るのでした。しかし幼い頃から歴史などの学問を学んでいた双子にとって、図書室の本の半分は読み終えているものでした。
「歴史系の本はからっきしダメね」
「魔法の本もてんで役に立たないや」
「もっと視野を広げる必要があるわね、兄様」
「そうだね、姉様。馬鹿らしいかもしれないけど、ぼくは童話を読んでみるよ」
「わたしは地学の本でも読んでるわ」
この機転の効かせ方が、双子の運命を変えることになります。
「姉様!このルーン文字の童話に、すごいことが書かれているよ!」
「兄様!太陽と月について書かれている本があったわ!」
「まずは姉様からどうぞ」
「ええ。太陽のことなんだけど。この世界のカタマリ、星のことをジアースと呼ぶらしいわ。そしてジアースと月は太陽の周りを自転しながらぐるぐる回っているらしいの。驚いたわ。わたしはてっきり月や太陽が動いているものだと思っていたから」
「それは驚きだね。僕たちが太陽の周りを回っているだなんて」
「兄様の方は?」
「魔法についてだよ。この本によると、魔法は火、風、水、雷の4属性の他に月の魔法と太陽の魔法があるらしいんだ。伝説のように言い伝えられてるみたい。月の光は1日前後までの時空の移動、幻影、記憶操作ができて、太陽の光は熱の操作、天候の操作、サンシャインソードを持つ権利が与えられるらしい。本当かどうかはわからないけど、ぼく達も魔法を使えるかもしれないんだ」
「月の光は防御的な、太陽の光は攻撃的な力があるみたいね。魔法の範囲は月とジアースの回転に関係がありそうね。」
「太陽の魔法だと、世界中に効果が現れるのかな?姉様、ぼく達強くなれるよ」
「そうね、兄様。空き家で隠れて修行しましょう」
こうして双子の修行が始まりました。が、双子の力はあまりにも強く、童話にある呪文を唱えると月の魔法は3日先までの未来に行け、太陽の魔法は世界全体を一瞬にして凍えさせるほどでした。これにより呪文の改良が必要だと感じた双子は呪文に独自のルールを導入し、なんとか特定の範囲内で魔法を扱えるようになりました。
「月の光よ、1時間後の未来まで我を導け!ワンハワー・フューチュラ!」
「太陽の光よ、直径200mまで、灼熱の大地と成せ!トゥーハントル・オーバーヒート!」
「月の光よ、オークの幻影を成せ!オーク・ファントム!」
「太陽の光よ、世界を雨の天候と成せ!ザ・ワールド・レイン!」
...。
双子の修行は続きました。規模の拡大・縮小、技の精度、威力、全てを鍛錬しました。
それから半年後、双子は義両親に魔法を見せることにします。




