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祖父の遺産が100階層ダンジョン!?〜相続しモンスターのお世話配信で大人気となるも、今一番欲しいのは従業員です〜   作者: 神崎あら


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第1話 のんびりモンスターお世話配信者?


ーー100層ダンジョン、第40大階層にて


 『ゴシゴシゴシ』

 『クオオオ』

 「お、ここが気持ち良いのか?」

 『クオッ!』

 「そうかそうか、ならもっと擦ってやるからな~!」


 俺はそう言ってタイラントドラゴンの頭を専用のブラシでさらに擦る。


 『ゴシゴシゴシゴシ』

 『クオオ』


 気持ち良さそうに目を閉じるタイラントドラゴン。

 よしよし気持ちよさそうで何よりだよ。

 祖父から100層ダンジョンを相続して、2年ほど経った。

 最初はどうなるかと思ったが、この2年意外と上手くやれている。

 無論、ダンジョンには住み込みだけど。


 「あ、まずいまずい、アレを忘れていたな」

 『スッ』


 俺はバッグの中からGoProを取り出し頭につけた。


 「さてさて、配信、配信っと」


 ダンジョンお世話系配信者"ユウタのドキドキダンジョン生活"。

 これが俺のチャンネル名である。

 開設から2年ほどで登録者80万人を誇る大手チャンネル。

 最初はドラゴンとかスライムの世話をする配信を延々と垂れ流していただけなのだが、どこで火が付いたのか、視聴者が雪だるま式に増えていき、気がつくと80万人。

 チャンネルが大きくなり収益は増えたのだが、それよりも今、俺には欲しいものがある。


 「あー、人手が欲しいよ~」


 モンスターのお世話から配信まで、俺は現状ほぼ一人でやっている。

 まぁダンジョン内には、エルフとかコボルトとか友好的かつ、ある程度の知能を持つ者もいるが、やっぱり人が欲しい。

 正直、配信とかそっち系のスタッフがあと3人は欲しいところだ。


 「ま、ぼやいても始まらないか……」

 『カチッ』


 俺はおもむろに配信の開始ボタンを押した。


ーーコメント欄ーー


 "おいすー"

 "ドキダン始まってんじゃん"

 "ユウタさーん"

 "この時間が至福"


 よしよし今日も今日とて平和なコメント欄だ。

 俺の配信はジャンル的に荒れる心配が皆無である。

 それもそのはず、モンスターをただ愛でてるだけだし。

 派手な攻略やモンスター討伐なんかは無いが、ボーッと見ていられると好評なのだ。

 ま、たまには派手さもあるけど……。


 『ゴシゴシゴシゴシ』

 『クオオオ』

 「おー、気持ちいいかタイラントドラゴンよ」


ーーコメント欄ーー


 "うんうん、今日も今日とて平和な配信だ"

 "このタイラントドラゴン、気持ち良すぎて目が細くなってる~"

 "至福!"


 同接1.2万人か。

 よしよし順調、順調。


 「あ、マスター!」

 「おー、フェリスか!」


 そんな事を考えながら、ドラゴンの頭にブラシをかけているとエルフのフェリスが大草原の中を突っ走ってきた。


 「やっと見つけましたよマスター」

 「どうかしたのか?」

 「大変です!またダンジョン荒らしが来ました……」

 「なっ、また来たのかよあいつら」


 ダンジョン荒らしとは、迷宮の財宝目当てに活動する盗賊の事である。

 ここ2年、俺はそいつらとちょくちょく戦っているのだ。

 ま、あいつらが来ると配信も妙に盛り上がるから、ありがたくはあるんだけどね。


ーーコメント欄ーー


 "キタキター!"

 "久しぶりの乱入イベやな"

 "馬鹿な奴らがまた来たか"


 「おいフェリス場所を教えろ、荒らし共に鉄槌を下してやるぜ」

 「はいマスター!」

 

 

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