Ep.9 迷宮1
迷宮の入り口は、普通の洞窟の入り口の様だった。
「洞窟みたいだね」
「ここの迷宮は洞窟が変異した形だな。床や壁がレンガで出来たような、地盤が変質したものもあるぞ」
ピチョンピチョンと水滴が垂れている中を、「光の球を出す魔法」で照らしつつ進んでいく。
カタカタ…という音が近づいてきて
「スケルトンだ。クロト、倒してみろ」
スケルトンは弱いのが定説なので、剣で切り掛かってみる。
ズサッ
骨のものとは思えない鈍い音がして…
「っえ?」
刺されていた。スケルトンの刀が自分の体を貫通している。
最初は理解できなかったが、痛みが出てくるにつれて現実が分かってきた。
「うわぁぁぁぁ!」
「クロト!落ち着いて下がって、回復魔法を!」
とルミナスが言うが、痛みと恐怖で体が動かない。ルミナスが魔法でスケルトンを消し飛ばし、回復魔法をかけてくれた。
「おい!クロト!大丈夫か?」
「全く大丈夫じゃないよ…ケホッ」
ホッとしたように息を吐くルミナス。
「いいか?スケルトンやゾンビなどのアンデッドは、生前の人間の強さに依存する。強い戦士が死ねば、それだけ強い魔物が生まれるんだ。本で読んだだろう?」
忘れていた。
強い魔道具に魔法を手に入れて、浮かれていたのかもしれない。
改めて、この世界の厳しさを思い知ったのだった。
魔法での攻撃のみにしろ。私が前衛をする。
とルミナスに言われて、後について進む。
正直さっきの戦いが怖すぎて、足がすくんでいる。
「おっと、また魔物だな」
と、出てきたのは、大きなヘビ。
「でっかいヘビだ!」
「私がヘビの攻撃を受け止めるから、クロトは魔法で頭を狙え!」
「了解!」
ヘビが尻尾でルミナスを叩こうとする。
バシン!と剣で弾き返すルミナス。
今度はルミナスが飛び上がり、剣のツカでヘビの下顎を叩く。
よろめいた隙を見つける。
「ドナーシュラーク!」
頭を消し飛ばし、とどめを刺した。
「よしよし」
「こういう高位の魔法は、かなり練習を積んで魔力を大量に消費して打つものなんだが、さすが、と言ったところか。」
「まあね!」
とそんな感じで、私たちはズンズン奥に進んで行くのだった。




