第1話 始まり
一般的に何時起床だと早起きと言われるのだろうか。
9時始業だとしたら何時に会社に着いていたら良いのだろうか。
10分前でも遅刻ではないが、そんなに遅く来るなと言われることもあるだろう。
30分前でも遅刻ではないが、そんなに早く来るなと言われることもあるだろう。
感覚は人それぞれ。
なんだけど…
「そういうこと考えなくても良くね?」
同僚の新井が苦笑しながら言った。
「おはよ。難しいこと考えるの好きだよな。俺はそんなことより今日の仕事の方が憂欝。」
新井は伸びをしてからパソコンの前に座った。
「今日入院前薬剤窓口業務やもんな。頑張って。」
私、佐藤はパソコンの前に座りながら言った。
今日入院予定の患者様が持参薬を持って病院に来ることになっており、受付でアレルギーの有無や持参薬の有無、手術で入院なら前日に下剤を服用したかどうかの確認を行う業務があるのだ。
私達、病院薬剤師の仕事の1つである。
「今日は5人だから1人でさばけるんじゃない?重なったらヘルプ呼んで。」
「ん、了解。抗がん剤のミキシングはあったっけ?」
「2人分だから飛来先輩1人でやりきっちゃいそう。」
当直をしていた柏原先輩が隣に座ってきた。
美人で優しくて薬剤師として憧れの先輩だ。
「おはよ。夜ちょっと大変だったよ。」
「おはようございます。大丈夫でしたか。」
「ちょっと機械トラブルあったけど乗り切った。何とか生きてる。」
小さく笑う顔がとても可愛らしかった。
「おはよー!当直何もなかった?」
飛来先輩が元気良く挨拶しながら入ってきた。
「機械トラブルぐらいでしたよ。」
「おー、そっか。対処できたなら問題ないね。」
飛来先輩はパソコンの前に座った。
「今日も1日頑張りますか!」
「はーい!」
こんな感じで私達の仕事は朝を迎えるのです。




