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【漫画単行本4巻・書籍1巻発売中】神獣郷オンライン!〜『器用値極振り』で聖獣と共に『不殺』で優しい魅せプレイを『配信』します!〜  作者: 時雨オオカミ
友からの誘い『秘密の賭博場で潜入捜査をせよ!』

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開き直った臆病者はこうなる……え、マジで?

「まずは準備を」


 一歩前に出る。

 リリィも細長い杖……? のようなものを取り出して蛇楽を見据えている。そして、私は蛇楽が動かないことをいいことに、扇子を掲げて舞を捧げ始めた。


「神前舞踊――『緋扇の舞』」


 全員が攻撃力の上がる緋色のオーラを纏ったことを確認して、扇子を返して次の舞に移る。


「神前舞踊――『疾風の舞』」


 敏捷をあげる舞を重ねて、さらに舞の種類を変化させていく。

 まるで、本当に神前で舞を踊る舞姫のように。


「神前舞踊――『泡沫の舞』」


 状態異常を防ぐオーラが全員につく。

 三種類のバフで底上げされた力をメニューをチラッと見て確認し、リリィのほうへ滑るように視線を流した。


 そういえば、リリィとともに『戦闘』らしい戦闘はしたことがないよなあ……と、思って。

 だって前に樹海で一緒にピクニックをしたときは、ほとんど彼女はスカウトするほうに尽力していて、戦うということはなかった。初手土下座だったもん……彼女が戦う姿なんて全然見てないから、想像がつかない。


 杖を持っていることと、「歌うことなら」と言っていたことで、『吟遊詩人(バード)』系かなあ……と、なんとなく思うくらいで。


「はい、さんはい。こっとん、私達の物語を聴かせてあげましょう。そう、たとえ相性は悪くとも」


 リリィは、なんと杖を振って……いや、あれは杖じゃないな? 

 そっか、あれ指揮棒だ!! 理解してスッキリした。


 指揮棒を振って歌い始めた彼女に合わせ、鎌を持ったこっとんもヨイショと二本足で立って、よちよちとタップダンスを披露する。拙いタップダンスではあるものの、可愛らしいロップイヤーのうさぎがよちよち動いているだけでそれはもう『カワイイ』の概念なんだよ。


「ほ……保母さん……!」


 綺麗なソプラノでクラシックオペラのように歌い上げていくリリィに、思わず手を祈りのポーズにして拝んでしまう。すると、歌い終えたのか全体に『防御』バフをかけた彼女は呆れたようにこちらを見る。


「多分、わたしとケイカさんは同い年ですわよ」


 パサリと、ゆったりとしたツインテールを背中側に手で払うリリィ。呆れたような態度を取りつつも、しょうがないなと如実に伝えてくる慈愛のこもった瞳……。


 これは……まさか……まさか私がリリィにバブみを感じるなど……!! そんな!! 


 しかし、これは幼稚園でピアノを弾きながら幼児の歌と踊りを微笑ましく見守る保母さんムーブ!! もうそれにしか見えない!! 


 オタク心で汚れている私でごめんなさい!! でもそういうのしゅき!!! 


「ケイカさーん?」

「はっ! なんかごめんなさい」

「ヨダレ、ヨダレが出ていますわ。淑女にあるまじき振る舞いですよ」

「なんですと!?」

「冗談ですのよ」

「冗談だった!?」


 くすくす笑う彼女に、「くっ、悪戯げにからかってくるリリィ……イイ!!」ってなってしまう。そんな私は和解したそのときからリリィとこっとんを推しています。お互いがお互いのファンって永久機関じゃない??? 


「バフはひととおりかけましたし、この状態で攻撃して様子を見てみましょう?」

「そうですね! 攻撃力がそれなりにあるジンの電撃が、どれだけあの翼を削ることができるかも相手の力量を測るのに見る必要があるでしょう」


 もはや勝つつもりなどないが、とりあえず実験目的の軽い気持ちで手を出してみることにする。あの様子じゃあ、本当に防御特化なのだろう。本気でこちらが攻撃したとしても、所詮はパーティメンバーのほとんどが極振りか、極振りに近いステータスをしているのだ。倒してしまうような恐れはないだろう。


「ちなみに、ケイカさん」

「うん?」

「この中で一番、一撃の攻撃力があるのは、実はこっとんですの」

「え!?」


 ジンに指示を出す前に、リリィが指揮棒を前に突き出して「こっとん」と一言だけ口にした。


 瞬間――トンと軽い足音がしたかと思うと、鎌を振りかぶったこっとんがすでに蛇楽の元へ飛び込んでいた。


「ちょっ、大丈夫なんですか!?」

「臆病者を舐めないでくださる?」


 蛇楽の翼がいくつかピクリと反応し、二枚が重なって蛇の口のような形状になりながらこっとんに迫る。しかし、それを脚で蹴って空中を舞ったこっとんは、くるりと回って遠心力を利用して鎌を思いっきり振り切った。


 ズバッと切れた翼が地面に落ちて、もはや巨大な繭となった蛇楽の翼が小刻みに震える。しかしその震えは、恐怖から来るようなものではないようだった。まるで笑っているかのように震える翼に、こっとんが引き際を悟ったのか切った勢いを利用して鎌で翼を弾き、後ろ飛びでこちらまで帰ってくる。


「はあ……こっとんちゃんものすんごい小回り利きますね」

「ピンクムーン・ヴォーパル・バニーになりましたもの。臆病者の行く先は大別してふたつ。ひとつは、支援特化になること。もうひとつは……」

「やられるまえにやれタイプになること、ですか」

「ええ、その通りですわ」


 にっこりと笑った彼女に、私の笑みは逆に引きつった。

 開き直った美少女達は強いなあ……。



息抜きで

【写真付き】リアル乗馬クラブスタッフが書く、創作に役立つかもしれない『馬』知識【連載】


ってエッセイはじめてみました〜。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です! バフ盛りィ!…失礼、バフ盛りと出てしまいました。 動かないのをいいことにいくらでも積めますからね、、、 そしてさらに歌での二重バフ!さぁどうなるのか、、、 …!?首狩り兎…
[良い点] 赤い月でなくて良かったです(・・;) このウサギ達に何度全滅させられたことか… [一言] 探偵もので有名な方の作品でサムライが活躍する漫画があるのですけど、それに面白いウサギがでていまし…
[一言] 首刈りうさぎ!?
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