演習場でオボロとファンサをします【オボロとのデート 前編】
さて、本日はサーバーを変えて『演習場・九尾の夕霧サーバー』に来ているところだ。以前来たときは胡蝶の朝霧サーバー。そちらは人気で、結構な人数がいるようだったので本日はこちらにやって来たというわけだ。
本当は演出上獏の夜霧サーバーのほうに行きたかったのだが、『獏』は今イベントでトレンド真っ最中だからね。
イベントのラスボスと同じ聖獣であることもあって、あちらも盛況。人の視線を必要以上に惹かないようにするとなると、真ん中の夕霧サーバーが一番適していたというところだ。
演習場なので人はいっぱいいるが、イベント期間中だから混み合っているというほどではない。入口のゲートには金色の毛並みをした管理AIの少女が座っており、手を振っている。九尾の狐らしく、ちゃんと狐のピンとした耳と九本のボリュームたっぷりな尻尾がある。
絶対座りづらそう……って思ったら、あれ自分の尻尾で空気椅子してるな。通り過ぎざまに管理AIの少女『夕霧』に手を振って受け付けに向かう。
もちろん、本日はオボロとのデートだが……ただお出かけするだけがデートではないということだ。アカツキもそうだが、案外オボロは好戦的で身体を動かすのが好きなのである。
演習場で対人戦をするつもりはないが、身体を思いっきり動かして目立つのは私も彼女も好きなのだ。あと、パートナーソロで動画を撮ってみたかったという願望もあるといえばある。配信ではなくてね。
「本日は、どのようにいたしますか?」
「連続マト当てゲームをフィールドカスタム付きでやりたいです!」
「マト当て部屋の入室状況を確認いたします………………広さ中程度のものと大がありますが、希望はありますか?」
小中大で部屋があって、さらにそれぞれいくつか部屋があるらしい。マト当てゲームは普通に技の精度をあげるための通常モードと、フィールドの状態を設定することにより不利な状況でも立ち回れるように練習できるカスタムモードがある。
オボロと遊ぶなら、身体を動かして遊ぶほうをやりたいよね! と思った結果、演習場について調べて知った知識だ。実際にあるとは書いてあったが、演習場の受け付けでどんなものがあるか確認していたりはしないので、ちょっとドキドキした。そんな機能ないですって言われたらどうしよう……みたいな。杞憂だったみたいで本当に良かった。
「かしこまりました。それでは『と–C』のゲートへお進みください。地図はメニュー欄から確認できます。ナビゲートも設定できますので、適宜有効活用をしてください」
受け付けの人から『と–C』の受け付け番号? お札? みたいなものを受け取って、手で指し示されたほうに歩き出す。後ろに並んでいた人達に「お、エレヤン」と反応されていたようなので、居場所が拡散されるのも時間の問題かもしれない……いや、上手く動画が撮れたら編集して投稿するんだけどね?
「目撃情報スレへの書き込みは構いませんよ〜」
「ご本人から許可出た!?」
私の声に、近くにいた男性プレイヤーの二人組が反応する。
いや、私ちゃんと公認してるから……。最初期は確かに無断で晒されてたから思うところはあったけれども、「ふっ人気者はつらいわね(キラキラエレガントムーブ)」って感じで開き直ってるから。
私の公認スレはすでに存在しているので、そこでどうぞ楽しくお話ししていてください。
「マナーを守っての書き込みなら私もとやかく言いません。誹謗中傷じゃなければ自由にしてください。あと、エレヤンじゃないです」
「エレヤンの否定が後に来るあたり満更でもないのでは?」
「ちなみに誹謗中傷した場合は?」
「通報してぶっ潰す」
ギリギリ親指を下に向けるのは理性で回避したが、彼らに振り返った際は多分お怒りマークをつけて満面の笑みだった。断言できる。まあ、これもパフォーマンスの一環でやっていることだからいいんだけどね。もはやこういうキャラが定着しちゃってるし……。
「エレヤン様……敬語、敬語外れてますよ」
「リアルエレヤンムーブだ。もはやこれはファンサでは?」
「オボロちゃんもこっち向いて〜!」
「わふん?」
オボロが首を傾げながら呼ばれたほうをじっと見つめ……ウインク。
「うっ」
「うっっっ」
カッコ胸を押さえる男性カッコ閉じ。
あれは死んだな……オボロのファンサは超絶キュートだからね。仕方ないね。
「さて、屍になったファンは放置して、行きましょうかオボロ」
「くうん?」
「放っておいていいのかって? むしろご褒美じゃないですか? 私達のファンは軽率にお墓に出入りできる生き物なので大丈夫ですよ」
「きゅ〜ん……」
心配げなオボロの頭を撫でる。早めにマト当てデートしたいんだけど……大丈夫大丈夫と私が言っても少しばかり迷っていたオボロは、ちょっと考えてから彼らの元へ歩いて行き、ほっぺたをペロリと労うように舐めてからこちらに戻ってきた。
チャカチャカと床に当たる爪の音が心地良い。
そうして、さっきのオボロの行動で完全にトドメを刺されたファン達を放置し、私達はマト当てゲームの部屋へ向かったのであった。
長くなりすぎて前後編化してしまった……!!
皆様は間に掲示板回挟むのと、全員のデートが終わってから時系列順に掲示板回を投稿するの、どちらがお好みですか?
また、どの辺りの場面の掲示板を見たいとかあったら一言添えてくださると嬉しい限りです。
さらに、『』でセリフを書いてくだされば、自然に挿入できそうなものは掲示板回のほうで採用することがございます。ご自由におしゃべりしてくださいな!
ゆるい読者参加型みたいな感じになると思われますので、汎用的な言葉を使用してくださるととても助かります。
【コメント返し】
→ザクロちゃんの好物はやはり赤色系の宝石。特にガーネットを好みます。自分の身体を構成している宝石でもあるので、見た目も味も好き! って感じですね。




