やさしいおもいで
タイトルは変更予定
章配置(挿話箇所?)は後で移動します( º﹃º` )
ードレッドノート邸・10年前ー
くるしい、もう息ができない
わかるの。わたしは今日、神さまの元へ召される。
さいごのおねがいをしたら、母上は泣き崩れ
「クリスが何をしたというのだ!殺すなら私を殺せぇっ!!」
父上は枕元の神さまの像を折りくだいて泣き出してしまった。
兄上はわたしの手を握りひたすら神さまに祈っている、顔色が悪く小声だけどこれ神さまを呪っているような...やめて頂きたい、わたしはもうすぐその方のみもとへと参るのだから...
五つの頃からだんだん体がうごかなくなって、ご飯も食べられなくなって、昨日の昨日?おととい?ついにわたしの命をつないでいたポーションが飲めなくなってしまった。
今はもう息をするのもやっと...
ねむるのが怖くなって、ついに今朝きづいてしまったの、わたしには明日はもうこない。
だから元気だった頃、かぞく皆で遊びに行った湖の丘の上、空がとてもきれいで近かったからあそこで逝きたいと、さいごのわがままを。
「あぁクリス、弱い母を許してください。わたくしにはとても...!ゔぅぅぐっ!」
母上はわたしを抱きしめてたくさんキスして、玄関までお見送りしてくれた。
どうしてもじぶんが許せなくて「こんなからだに生まれてごめんなさい」と謝ってしまった。
母上は雄叫びを上げ、血涙を流し床パンを始めメイドさんに連れて行かれてしまった。
母上、そんなことをするから公爵家のレディ・オーガなんて呼ばr...なんでもないですごめんなさい。
「ふ、ふざけるなよ何が神だ。クリスは渡さんぞ...どうしても連れて行くというなら、この私を倒してからにしろ...!」
兄上は怒りで血を吐き、それでも這ってついてきたが玄関で力尽き救護室へ搬送されていった。
「ですが旦那様、あの土地は去年売却して治療費に...」
「先立つ娘の最期の願いだ。頼めば少しくらい邪魔しても構わんだろうさ、落ち目とはいえ仮にも公爵だ」
結局父上と家令のセバスさんがお見送りにきてくれることになった、メイドさんたちも泣き崩れて動けなくなってしまったから。
わたしが久しぶりのお外にかんどうしてお空がきれい、風がきもちいいと言ったら父上が馬車の上半分を切り落としてしまった。
父上、そんなことをするから脳筋団長なんて呼ばれるんですよ?...笑い事ではないです。
ボロボロ(になった)の馬車で街道をゆっくり走る。座席や扉や窓の位置を考えずに切り落とされた馬車が振動でだんだん壊れていき荷車のようになってしまった頃、目的の丘に到着した。
『マクベス☆リゾート建設予定地』
そこにかつての面影はなく掘り返され平になった丘の上は大規模な建設工事の最中だった。
ボロボロの馬車から降り、死にかけのわたしを抱いて座り込んだ父上がよほど異様に見えたのか遠巻きに作業員の方が集まり始めた。
「ち...ちう...え、も、よ...いの」
「すまない、クリス最後までダメな父であったな...許してくれ」
もう、息が、こえがだせな だれか、だれでもいい。父上にわたしは幸せだったとつたえ て
「商会長!こちらです!急いで!どいてください!道を開けて!」
「ハァッ、ハァッン...!マールさぁん、おじさんは急に走れないんだよぉ」
「んん?随分と身なりの整った不法侵入者で...?お、おいその子大丈夫か?ちょっと失礼」
父上は放心しているのか答えない。
知らないおじさんがわたしの手首やおでこにふれて難しい顔をしている、その暖かさになぜか安心した。もう、いいかな...?
「神経系の疾患の末期か?まずいな、もうもたない。マール、あれ持ってるか?ザルダーク子爵んとこの」
「こちらに。しかしこれは子爵領で出土し輸送中のギルバート伯への献上品では...」
「全然よろしくない、さすがに献上品の横領はまずい、良くて斬首。」
「では...」
「でもこの子を見捨てて食べる飯はきっととてもマズい。
それを寄越せ、いいか?君は何も見ていない。周りの君らもだ!全責任は私がとる。」
「先史遺産『刑務監視帯』起動」
『自動言語設定完了、受刑者クリス=ドレッドノート神経接続完了、刑務内容と罰則の登録を...』
「救急救命措置を目的とするため省略、機能転用で心肺蘇生と神経干渉機能での信号増幅を」
『了解、装着者クリス=ドレッドノート様の蘇生及び神経補助に移行します』
首に何か巻かれた感じがしてそこでわたしの意識は途絶えた。
ーーーーーーーー?ーーーー!!!
目が、覚めた?天国についたのだろうか?
「「「クリス!!」」」
「父上、母上、兄上!?なぜこちらに!
......まさか追ってこられたのですか!?なんて事を」
起き上がり叫ぶ!あぁぁわたしのせいで公爵家が
「...!!?クリス、平気なのか?」
「平気ではございません!わたしのせいで公爵家が!」
「ね、ねぇクリス?母は生きておりますよ?もちろん、あなたも...」
母上がポロポロと泣き出してしまった、それを皮切りに皆泣いて抱きついてくる。く、くるしい!
夢じゃ...ない...?
皆で抱き合って泣き明かした後、話し合いが始まった。現状の整理とこれからについてだ。
あれから3日が経ち、その間眠っているだけのわたしはみるみる回復し今に至るとのこと。
父上の話では工事現場の責任者と思われるあのおじ様がこの首の先史遺産を使って助けてくれたのだという。
ちなみにその父上は今、壁にめり込んでいる。
無礼にもその公爵家の恩人の名前を聞き忘れた罪により母上に処された。
いや看取った娘をいきなり蘇生されたら、礼だけ述べてとりあえず全速力で連れて帰宅するのもわかる気はするのだけれど...
幸い勤務地がわかっている為、セバスさんが手配した使者がそろそろ連れて戻るだろうとの事。
わたしはたくさんおめかししてもらい、そわそわしながらお礼の言葉を考えていた。
その時、扉がノックもなく開きセバスさんが転がり込んできた。
「ハァ、ハァ!ゲホッ!!旦那様、緊急事態でございます!当家の大恩人トド=マクベス様が!旦那様!?なぜ壁の中に!」
「何事だ騒々しい、あの御仁はトド=マクベス殿と言うのか?それで連絡は取れたのか?」
「はぁっはぁっ...そ、それが...先史遺産横領罪により本日ギルバート伯爵領都にて公開処刑と!!」
「...もう一度、言ってくれないか?」
「本日ギルバート伯爵領都にて公開処刑との事です!」
壁が爆発し、内より鬼神が顕現した。
「マクベス殿が捕まっているという事は、用途を知っているはずだ。
そ、それをこちらに連絡もなしに、こ...公開処刑だと!?そこまで軽んじるか私を、そしてクリスの命をヲォォォォォオオオ(言語化不可)
...1対1での決闘を申し込む、応じなければ宣戦布告する旨、ギルバート伯に緊急通信を飛ばせ」
「かしこまりました」
それだけ告げ、父上は窓をぶち破って消えていった。
ギルバート伯爵領都へ向かったのだろう。
次話マクベス視点で過去編ラストまで予定です〜




