ヒーローは遅れてやって来るモノ
本作は主人公以外は基本全員シリアス()
ー 魔王城・謁見の間 / 同時刻 ー
「グッ、かハッ」
魔王の【呪力塊】を受けた騎士が再び転がる。
完全に遊ばれている、それは誰の目にも明らかだ。
だが打つ手が無い...
盗賊は初撃を返され瀕死。
勇者は罠に掛かり結界に幽閉、これは本来魔王城全体の防御に使われるものであり個人での突破は...絶望的だ。
聖女はその驚異的な技量で以て、盗賊の生命維持とその場を守る騎士の回復を同時にこなすも当然の魔力枯渇。
生命力を魔力の代替に回復術を強引に行使しているらしくもはや死に体。
だが、この場に絶望している者はいない。
盗賊は秘薬により意識だけは繋ぎ止め、命を賭けた一撃の機会を待つ。
勇者は自力での脱出を放棄、自らの無力さに血涙を流しながら愚直に力を溜め込む。
騎士は単身での打倒は不可能と割り切り装備も生命力も魔力も犠牲にしてひたすらに耐える。
聖女はその時を信じ、聖なる乙女の全身全霊を対価に放つ究極神聖魔法の詠唱を終えている。
いつだってそうだった
約束は必ず護ってくれた
勇者を越える攻撃力、騎士を越える防御力、聖女を越える回復力、盗賊を越える知略、を兼ね備えここに至る全てを飄々と薙ぎ払ってきた英傑トド=マクベs
...『『『『パキン!』』』』
「「「「え?」」」」
ー魔王城突入の前にこの腕輪を配っておきます。これは先史遺産『遺言』もし私に何か...いえ率直に言います、死亡又はそれに準ずる状態になった場合自動で...
「 System start up. 自動言語選択、日本語。次元隔壁球状展開、思考加速処理、所有者を装置内VRに接続
『遺言』再生します」




