「Sky」をプレイする室生家の人々《蟹の語り部》
室生 初音: 地方の芸大生 三年生の後期のみ、
室生本家で世話係のアルバイトをしている。
ハザマ様 =室生 透青
室生家の巫覡をしている。
中の人は月島秀青で芸大の助手をしていた
御影 様
陸 様 お役目様の内孫三人衆の内二人
霊的能力を持つ
結界師の朝は早い。
時計の針は朝の六時を指している。
豆から挽き、サイフォン式で丁寧に淹れたコーヒーをすすりながら、俺はスマホを取り出した。
『Sky 星を紡ぐ子どもたち』のアプリを起動させ、本日のタスクを確認する。
(今日のデイリークエストのエリアは何処だ?)
・捨てられた地を訪れしばしの間若木を愛でる
・闇の花を10個焼く
・赤い光を捕まえる
・蟹の語り部を解放する
(なっ!? 今日は捨て地かよ。よりによって『蟹の語り部』の解放とは……手こずりそうだ)
そんなことを内心ぼやいていると、婚約者の初音が起きてきた。
「おはようございます、御影様。私にもコーヒーをいただけますか?」
「ああ、そこにあるから勝手に飲んでいいぞ。……ところで初音、お前もSkyやってたよな? 今日のデイリー、もう済んだか?」
「クエストですか? 全部こなしたはずなんですけど、一個だけ完了にならなかったんです! あのゲーム会社、バグが多いのできっとそれじゃないかと……」
初音は、不満げにむくれている。
「どれ、俺がやってみようか」
彼女のスマホを借りて操作してみる。他のクエストより難易度は高いが、無事に精霊を解放し、報酬のキャンドルを受け取ることができた。
「バグなんてないぞ。ちゃんと報酬も出た。初音、そもそも違う精霊を解放したんじゃないか?」
「ええっ? そんな事ないですよー。捨て地の方舟付近にいる精霊ですよね?」
(初音? お前、何処の精霊解放してんだ?)
「方舟? いや、難破船の所だぞ。通称『蟹ボイス』の精霊だ」
「えっ? 蟹……?」
この婚約者は少し天然なところがあって、よく勘違いを起こしては一人で悶々と悩む癖がある。俺は小さく息を吐いて、スマホを返した。
「初音……お前が解放した精霊は『蟹ボイス』じゃなくて、『蟹歩き』の精霊だ。間違えんなよ」
「あっ…………」




