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飼い猫が超絶イケメンで困っています!  作者: 酔い氏


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19/19

( ΦωΦ )♡#16 もち

最近全く更新してませんでした。すみません。

これから不定期に更新して行くので、よろしくお願いします。

新しい物語も書き始めるので、そっちも見てくれると嬉しいです。

その日は、珍しくルナが朝から人間の姿だった。

美琴が朝食を作っている間も、キッチンの椅子に座ってぼんやりしている。

「あれ?今日は猫じゃないの?」

「うん」

「珍しいね」

美琴が不思議がっていると、不意にインターホンが鳴った。


「俺が出るよ」

ルナは立ち上がり玄関へ向かうが、

「いや、私が出るよ」

「知らない人だったらや。」

「ルナ、番犬みたいになってるよ」

「俺、猫」

「はいはい」

結局、美琴が玄関へ向かった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


モニターを見ると、知らない男性が一人。

その後ろに、若い女性が立っている。

「……えーと、どちら様でしょうか?」

美琴がカメラ越しに聞く。

女性はインターホンに向かって答えた。

「突然すみません。美琴さん、ですよね?」

「はい」

「ルナくん、いますか?」

背後にいたルナが動きを止めた。

「……誰」

声が低い。

美琴が振り返る。

「ルナ?」


ルナはモニターを見つめている。

知らない。

少なくとも、ルナの記憶には覚えがない


女性は優しそうな顔をしていた。

黒く艶やかな髪に柔らかい雰囲気で、その隣の男性もザ・優男のような雰囲気だ。


カメラ越しは話しにくいので美琴が玄関へ移動すると言うと、ルナも渋々ついて来た。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


玄関を開けると、絵に書いたような美男美女がいた。

女性が微笑んだ。

「私、もちっていいます」

「……もち?」

ルナの顔が少し曇る。

その名前を聞いても、何も思い出せない。


女性は少しだけ寂しそうに笑った。

「やっぱり、分からないよね」

ルナの警戒心が一気に上がった。

「みこと、下がって」

「え?」

「この人、なんかやだ」

女性が少し驚く。

「……そっか」

それでも怒らない。

むしろ、少し嬉しそうだった。


「ちゃんと警戒できるようになったんだね」

「なに言ってる」

ルナは警戒心MAXで美琴を庇うように前へ出た。

「ルナ」

何かが引っかかった。

でも、分からない。

ルナは眉を寄せる。

女性は泣きそうな顔で笑った。


ゆっくり近づく女性に、ルナは身構える。

そして突然もちはルナを抱きしめた。

「……っ」

ルナが固まるが、お構い無しに抱きつく女性。

「やっと見つけた」


〜

ふわっと香る匂い。

どこか懐かしい。

雨の日、狭い箱、暖かい毛、一緒に眠った匂い。

毛を舐めてもらった。

寒い夜、くっついて寝た。

〜


「……」

ルナの目が見開かれる。

「……ねー、ちゃん?」

女性は泣きながら笑った。

「うん」

「…ほんとに…姉ちゃん……?」

「そう。もちだよ」

ルナの記憶が一気に蘇った。

兄、姉、姉、そして自分。

四匹でくっついていたあの頃。

「……もち」

声が震える。

「もち姉ちゃん……」

女性――もちが、もう一度強く抱きしめる。

「やっと見つけた」

「……なんで」

「ずっと探してた」

ルナは戸惑いながらも、もちの服を掴んだ。

匂いが同じだった。

間違えようがない。

姿は違う。

声も少し違う。

それでも、もちの匂いはルナの記憶に残る匂いと同じだった。

「……生きてた」

「うん」

「姉ちゃん、生きてた」

「ルナも」

二人とも泣いていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


その後ろで。

美琴は完全に置いていかれていた。

「……えっと」

男性が苦笑する。

「初めまして。黒瀬歩望です」

「あ、初めまして……」

「もちの飼い主です」

その言葉に、もちが振り向き、少し照れた。

「もう飼い主っていう感じでもないけどね」

「そうだな」

歩望は自然にもちの手を取る。

ルナはそれを見て、少し目を丸くした。

「……?」

もちが嬉しそうに言った。

「私たち番…人間で言うパートナーになったのよ!来週、結婚式なの!」

「……」

ルナが完全に固まった。

美琴も驚く。

「来週!?」

「前々から決まっていたけれど、ここに来るのに少し時間がかかってしまって…遅くなってごめんなさいね。」

ルナが複雑な気持ちになっている隣で、もちが笑う。

「そんな顔しないの。私が望んだことだから」

もちが歩望の肩へ寄りかかる。

少し驚いたような歩望は流れるようにもちを撫でていた。

その様子を見て、ルナは少しだけ笑った。

「……よかった」

それは心からの言葉だった。


ルナはずっと気になっていた。

兄弟はどうなったのか。

幸せなのか。

捨てられたあの日から、どこで何をして生きていたのか。

そもそも生きているのか。

その答えの一つが、目の前にあった。

姉は幸せそうだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そして、もちは少し困った顔をする。

「実は……今日来たのには、もう一つ理由があるの」

「?」

「セト……お兄ちゃんも生きてるわ」

「……!」

ルナが立ち上がる。

「どこ?」

「今、私達の家にいるの」

歩望が説明する。

「お兄ちゃんはまだ人間になれなくてね」

「……猫のまま?」

「うん」

ルナは少し黙る。

「じゃあ、兄ちゃんも一緒にーー」

もちが申し訳なさそうに目を伏せた。


「それが……今回来た理由の一つなの。」

「なに?」


「お兄ちゃんを、引き取ってくれないかな」


「……え?」

美琴も驚く。

もちが続ける。

「私たちは来週結婚するし、これから生活も変わる。お兄ちゃんはすごく大切。でも、私たちだけではずっと面倒を見るのが難しくなる」

歩望も頷く。

「それに」

もちがルナを見る。

「お兄ちゃんは、ルナをずっと探してたの」

ルナの目が揺れる。

「……俺を?」

「うん」

「でも、俺がここにいるって……」

「最近ようやく確信できたの。」

もちが笑う。

「だから迎えに来たわ」

ルナは何も言えなかった。

自分を探していた兄。

ずっと一緒だった兄。

寒い夜、自分を抱えてくれた兄。

今度は、自分が迎えに行く番なのかもしれない。


ルナは美琴を見る。

「……みこと」

「うん」

「兄ちゃん、ここに連れて来てもいい?」

美琴は迷わず笑った。

「もちろん」

その答えを聞いた瞬間。


ルナの顔が、子猫みたいに嬉しそうになった。

「……よかった」

そしてもちも、涙を拭きながら笑う。

「じゃあ、また今度お兄ちゃんを連れてくるね」

ルナは頷いた。

その直後、ふと何かを思い出したように、ルナがもちを見る。


「…あ!…姉ちゃん!」

「ん?」

「前に外にいた白い猫って…」

もちが目を丸くする。

「あ」

「……あれ、姉ちゃんだった?」

「うん」

もちがにっこりと微笑みながら答えた。

ルナの顔が引きつった。

「……俺、めちゃくちゃ威嚇した」

「知ってる」

「……」

「すごく怖かったよ」

「ごめん……」


ルナは気まずそうに目を逸らした。

その横で、美琴が吹き出す。

「だからあの日、あんなに怒ってたんだ……」

「……姉ちゃんが悪い」

「あら?どうしてかしら?」

「としごろの俺にそんな鳴き声で寄ってくるから…」

もちと歩望が顔を見合わせる。

そして、二人そろって笑った。


久しぶりに再会した姉弟。

まだ会えていない兄と姉の話へと移っていく。

この度は手に取ってくださり、ありがとうございます。

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