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33、罪悪感

33



下界で未来ちゃんとお茶をしていると、ラブラブなカップルに見えるらしく……


「可愛い子と歩いてんな~羨ましいなぁ~」


たまに暇なヤンキーに絡まれたりする。ガラの悪そうな金髪と茶髪。稲高の制服を来た二人組だった。


「止めてください」

「なんだ?やんのかテメー?」


こんな時にいつも引き合いに出すのは、警察じゃなくて枝本さん。


「私、害虫殲滅委員会なんです。今すぐ生徒会長を呼びますよ?」

「はぁ?枝本?」


稲高の生徒なら、枝本さんの名前を出すとだいたいの人が怯む。それほど枝本さんの存在が恐れられている。


茶髪の方が私を見て思い出した。


「おい、こいつ枝本にいつもくっついてる奴じゃね?」

「でもあの変態野郎、今は停学中だろ?」

「枝本さんは変態じゃない!!あんた達みたいな奴がいるのから枝本さんは……」


枝本さんは喧嘩が絶えない。その度に停学になっていたら、ただでさえ出席日数が少ないのに……


私は何をしてるんだろう…………枝本さんに迷惑ばかりかけて、友達なのに何一つ枝本さんの役に立って無い。


「やめなよ一葉!」

「枝本がなんだよ?あ?」

「…………」


それ以上、何も言えなかった。これ以上触発するような事は言ってはいけない。下手な事を言えば喧嘩になる。そう思うと何も言葉が出て来なかった。


「何とか言えよ」


金髪の方が私ににじり寄って来た。


困った事になった……こうゆう時、どうしたらいいんだろう?


私が困っていると、目の前に誰かの飛び蹴りが飛んで来た。飛び蹴りぃ!?


「キャアアア!」


未来ちゃんが驚いて悲鳴をあげた。二人の不良はその飛び蹴りになぎ倒された。


「先輩!?」


それは、赤い髪の先輩。赤城先輩だった。


「ちょ、先輩!!」


私の制止も聞かず、赤城先輩は二人を痛めつけた。


「赤城先輩もう止めてください!ストップ!もうストップ!」


私は赤城先輩の背中を抱えて強く引いた。そして、そのまま腕を掴んでその拳を下ろすのを止めさせた。


その後、倒れている二人を引き起こした。


「大丈夫ですか!?」


金髪の方は口から血が出ていた。


「うわ……血が出てる……」


すぐにハンカチで血を拭いて、鞄から絆創膏を出した。稲高では日常茶飯事なので、この手のアイテムは鞄に常備してある。


「あの、すみませんでした!」

「一葉、もう行こう」


赤城先輩と未来ちゃんは先に行こうとして、私を呼んだ。


「あ、うん、あの……お大事に……」


私と未来ちゃんは赤城先輩の後を追ってその場を離れた。


そのまま電車の改札まで来ると、未来ちゃんは帰ると言って別れた。


「一葉も気をつけて帰ってね」

「うん、一葉ちゃんも気をつけてね!」

「バイバイ!また明日!」


そう言って未来ちゃんを見送った。


何だか未来ちゃんと別れた後、ひどく反省した。友達を危険に晒してしまった。ちゃんと言動に注意しよう。いつもならすぐに謝って逃げたのに、今日は何故か枝本さんの事を言われたら頭に来た。


停学は枝本さんのせいじゃないのに……。


こうやって、私の中の罪悪感が膨らんでいった。


「久しぶりだな」

「お久しぶりです。あの……」


一応、助けてくれたんだよね?


「助けてくれて、ありがとうございました」

「じゃ、行くか」

「え?どこに?」


赤城先輩はどこへ行くつもりなんだろう?


「どこって、助けたお礼にホテル……」

「最っ低……」

「冗談!冗談だって」


それは本当に悪い冗談。


赤城先輩なら言いそうだと思っていたからかなり引いた。本当に冗談で良かった。


「今から俺ん家来る?」


冗談じゃね~!!


「それも冗談ですよね?」

「いや、それはマジ」

「私、そろそろ帰らないと……」


赤城の考えている事がわからない。いつも口説かれてる気はしないし、特別女扱いされてる気もしない。


何だか……友達?赤城先輩は友達が欲しいのかな?いやでも、拉致られた時は何人かの友達らしき人達がいたような?


「そう言えば最近1人ですね」

「え?」

「拉致られてた時にはいつもお友達といたような気がするんですけど?」


だから赤城先輩がハブられてるとか、そうゆう事を言いたい訳じゃない。


「は?男なんてそんなもんだろ?女みたいにケーキと紅茶でお喋りなんてしねーよ」


そっか。そんなもんなんだ。


「じゃあ男子は何をするんですか?」

「ゲームとかサッカーとか?」


えっと……じゃあ……


「稲高戻ってサッカーやりますか?」


そうすれば、私は寮までの道のりを1人で帰る事も無い。1人で帰るつもりではいたけど、赤城先輩がいるなら今度はお願いしよう。


「え……?」


私の提案に赤城先輩は微妙な反応をしていた。


「あ、じゃあいいです。あの、できれば今日は寮まで送ってもらえますか?」

「サッカーやりに行くんだから送る必要ねーだろ」


赤城先輩はそう言って稲高に向かって先に歩いて行った。


「え?本当に?本当にサッカーやるんですか?」

「やらねーのか?」


私は「やります」と言って後を追った。


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