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異世界の勇者は何を見る  作者: 小淵執悲
第2章 学園編
49/50

9話

遅くなりましたm(__)m

「ふむ、まあそう言うことなら君達二人の席は基本固定しよう。確かにこの国、特に今は獣人に対して良い雰囲気ではないからな……一応教師(私達)の方でも取り締まりに関しては強化しておこう」


「助かります」


これでまずクラス内なら俺の目の届く範囲にいるな、少しは安心できるか

過保護とか言われてもおかしくないレベル、現にミーナは小声で「心配しすぎです」と呟いてるが俺としてはまだまだこんなんじゃ安心できないんだよな、俺の中の種族差別ってもんがそんな甘くないのが原因なのかもしれないけど


「気にするな、生徒の安全が保証できなくて教師は名乗れん……だがまあ、分かっているとは思うが常に我々が君達を守れるわけではない。黒戸力也、君の実力なら退ける事は容易だろうが、くれぐれも慢心はしてくれるな?我が校の生徒は少なからず選ばれた人間のみが通っている。弱くはないぞ?」


そう言う先生にまっすぐ見つめられる。この人は純粋に俺達を心配してるのか、それとも勇者という肩書に対して行っているのか、判断しかねていたが少しは信頼できる相手かもしれないな


「肝に銘じておきますよ。やばそうなら直ぐ頼るんで、よろしくお願いします」


「ああ、それでいい。聖名英雄、君は何か質問や要望はあるか?」


「いえ、今のところは大丈夫です」


英雄はどっちかってゆーとこれからに対する期待とかが大きいんだろうな


先生は英雄の言葉に一つ頷くと立ち上がる


「そうか、なら教室へ行こう。勇者の登場を皆が待っているはずだ」


皆、ねえ……ま、ミーナがどんな反応で迎えられるのかが問題だ。まあ入学式の時の感じからして問題は少なそうだし、学園の第二位(セカンド)の俺の侍女だって分かってればそうそう手出しはされないと思うし大丈夫かな


第一位(デイジリー)は完全な化け物(別格)だし気にしない


『心配性もここまでいくとのう』



なんだクロ、起きてたのか



『まあのう。お主が心配する気も分かるがメイドも相応の実力持ちじゃ、問題無いんじゃないか?』



確かにその通りなんだがな……前の事件の時に獣人によって被害を受けた兵士や一般市民がゼロだったわけじゃないし、強い恨みを抱えてる奴が居るかもしれない。それを考えるとな



『それもそうじゃの…ま、少しは気を楽にしたらどうじゃ?全員が全員お主の考える最悪のパターンなわけあるわけもなし』



そうだな、気を張りすぎだったか


「よし、じゃあ難しく考えずに気楽にいこうか」


「?……そうですね、せっかくの力也様との学園生活ですし楽しまない理由は無いですね」


クロとの会話は俺以外誰も分からない。そんな当たり前のこと忘れていきなり過ぎたかな、ミーナが疑問符顔に浮かべてら


「じゃあ力也、たまに一緒に修行するとき以外は極力接触は無しってのもやめにしようぜ?楽しくいこう!」


「それはだめだ、少なくともミーナに対する周りの反響が落ち着くまでは、ね」


本音的にはどうせこいつが作るだろうハーレムのイザコザに巻き込まれたくないって方がでかい理由なんだが、無理そうだな……


「そっか……俺は気にしないけどまあ力也がそう言うんじゃしょうがないか」


「……驚いたな」


「何がですか?」


「いや、君たち二人の中で覆りそうにない上下関係みたいなモノがあったことが驚きでな」


ああ、今の英雄の言葉が英雄が俺に頭が上がらないとでも思われたんかな。別段そう言うわけでもないんだよなこれが


「確かに、俺はバカなんで力也に頭が上がらないですね」


そんなことを平然と笑いながら言いやがるから変に勘違いされたままになるんだろうが。ま、どうでもいいけどさ


「ま、君たちがそれで納得してるなら何も言わないが」



『主、この男恐らくじゃが主の方が下だと思っておったような感じじゃぞ?普通あの程度の事で上下関係なんて思わんじゃろうに』



……あああ確かに、なるほどね。いいじゃねえか、面白くなりそうで



『面白く、かのう。厄介なことにならなければよいのじゃが』



厄介事でもなんでも、強くなれるなら良いじゃねえか。そういう機会も無いんじゃ英雄に置いてかれちまう



『主はそう言うがのう』




……




「黒戸力也だ、よろしく」


自己紹介は俺が最後、窓際最後列、右隣がミーナか

分かっちゃいたがミーナ以外全員人間、獣人はおろか魔族も親族もいない……まあ国なり何かが守ってやるような状況じゃなきゃ今のこの国じゃ生きられねえか



『じゃが少なからず残った獣人は居たろうに、難儀じゃのう』



しょうがねえだろ、あんな事件があったんじゃあな


「よし、これから一年間、特になんもなければ2年間を共に過ごす仲間だ、仲良くしろよ?別に馴れ合えとは言わないが……まあ問題は起こすな。文句があれば実力(ちから)を示せ、学生だからとこの国の基本的なルールは変わらない。実力()は地位だ、欲するなら地位(対価)を示せ」



『あの男も言うのう、なかなか面白い事を。一応味方しかいなかった城はやはりぬるま湯だったようじゃな』



一応ねえ……ホント面倒だったよな、英雄に惚れた奴とか特に



『ああ、思い出したくもないのう……』



まああれはまだ濃い奴ばっかでも数人で少なくてかなりマシなレベルだったし英雄(あいつ)の本領はこれからだよ



『聞くだけで十分だし見たくもないのう』



ま、関わりはしないように釘刺してあるし巻き込まれる事は無いだろ……

今はミーナの問題があるから他の人間関係的面倒は嫌なんだよ


そう考えると頭が痛くなって思わず頭を抱える。傍から見たら先生の話が終わった瞬間頭を抱える変人だ


「どうかされましたか力也様?」


「いや、別に何も……ちょっと元の世界の英雄の偉業を考えてただけだ」


「ああ、話に聞くアレですか……ははは」


少し教えてあるミーナの目が遠くなる


ま、今日は授業は無いらしいしどっか訓練にうってつけの場所を探しに行くか


「おっす、よろしくな新たな番号持ち(ナンバーズ)第二位(セカンド)さん」


立ち上がろうとした瞬間前の席の奴から声をかけられる


かんっぜんに予想外、獣人を連れる奴に声をかけるだと?なんだ、怖くないのか?



『落ち着くのじゃ、獣人に恨みを持たん輩がおったとしてもなんら不思議は無いだろうに』



分かってる。でも人間ってのは集団で生きる生物なんだよ……わざわざ地雷原に踏み込む馬鹿が居ると思うか?



『現に目の前に居るようじゃのう』



「……おう」


「あらあら~?いきなり話しかけられてビックリしちゃったかにゃ~?」


今度はミーナの前の席の女かよ、一体何なんだ


「おお恐っ、なんつー目ぇしてんだよ。少なくともクラスメイトに向ける目じゃねえな」


「すいません、でも今のご時世を考えれば力也様のお考えは分からない訳じゃ無いので、どうかご容赦を。ですが確かに過剰な反応ですよね。申し訳ありません、ガイア・サラマンドさんにリズ・シャルガフさん」


ミーナが頭を下げながらそう言う。俺がこいつより焦ってどうすんだ全く……


「おお~、ちゃんと私達の名前覚えたんだね。まあ黒戸君の方は覚えてくれてなさそうだけど?」


女の方がニヤニヤとした顔でこちらを見てくる。こいつがもし獣人だったら耳がピコピコ動いてそうな勢いだ

しかし男の方はまあいい、人の好さそうなヤンキーって感じだな。矛盾してるこの二つの感想を同時に抱かせる不思議な奴だ


サラマンド、前の世界のヲタク知識ならサラマンダー、炎のトカゲが思い浮かぶがこいつも髪色からして完全に火属性。分かりやすくて問題無いが話しかけてきた理由はわかんねーな、バカっぽそうだ


「まあな、まあ今ので覚えたさ」




……なあクロ、俺の勘違いか?シャルガフって言ったらドゥーカの光属性だったと思うんだが?



『安心せい主、私もそう記憶しておる』



じゃあなんでこいつの髪と目は青い(・・)んだ?この色じゃ、水か氷だぞ



「ああ、私の名前?気にしないでリズでいいよん」


「おれもガイアでいいぜ」


気にしないって無理な話なんだが、まあ触れて欲しくない事なら誰でもあるか


「……別に俺のことは好きに呼んでくれていいが、お前ら大丈夫なのか?」


「ん?ミーナちゃんの事か?」


ガイアはわざとらしく反応したかと思えばミーナの方を向く。別段害意は無いか?


だが今のこいつの言葉でクラス内の何人かは反応したかな、まあ少ないしいい意味か悪い意味かも分かんねーからどうしようもないか


「それなら大丈夫よ、別にすべての人間が他を嫌ってる訳じゃないしねん」


「…ま、あれこれ考えても仕方ねーか」



『そうじゃのう、まあ孤立するよりましなんじゃないかのう』



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