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異世界の勇者は何を見る  作者: 小淵執悲
第1章 異世界召喚
19/50

19話

すいません、どんどん忙しくなっていきます

side リリス


「父上から呼び出し?」


「はい、18時に国王様のお部屋にと」


さっき力也との訓練から戻ってきたばかりと言うに…


それに父上はまだ執務中、この時間の父上と話すのは初めてだな


「分かった、すぐ向かおう」


「行ってらっしゃいませ」


お辞儀をするメイドのわきを抜けて部屋を出る。メイドの名はイル、私の頼れる相棒だ


だがしかし父上が私を呼ぶのは何故…今日力也に対して本気の殺気をぶつけたことに対するお咎め?いやいや、そんなことはないだろう。じゃあ何が…


「姉さま」



「マールか、どうしたのだ?」


「いえ、私も同じ目的地だと思ったから声をかけたの」


「マールも父上に?」


???余計分からなくなってきたぞ?なぜ私が呼ばれる…


「確か兄さまも呼ばれてるはずです。ですがなぜ姉さまが?心当たりは?」


レオンも?まあ話し合いならいるか…


「いや、我にもないから考えておる…なぜだ?」


「…おそらくは勇者関連だとは思いますが。姉さまを呼んだ理由は分からないですけど」


「マールに分からんのなら我には分からんな、考えるのは止めよう」


「…相変わらずですね」


「マールに知略で勝てる気はせん、妥当な選択だと思うが?」


「姉さまが良いなら良いですけど」


自分が認められるのはいやなはずはないか、顔が少しうれしそうだな…


「あ、兄さま」


「ん?おお、マールにリリス姉さまか」


「レオン、なんで呼ばれたか分かるか?」


「さあ?大方勇者関連だとは思うけど。リリス姉さまが呼ばれてるならメインは力也君の方かな?」


「ああ、その線がありましたね」


「マールはその手の噂に関しては興味がなさすぎるからね、すぐ思いつかなかったんだろうさ」


「?なんで我が呼ばれたら力也が出てくるのだ?」


「リリス姉さま、今あなたが兵士たちになんてうわさされているのか知ってますか?」


「兄さま、姉さまは私以上に噂に興味がない」


「そうだったね…まあいい、早く父上の執務室へ行こう」


「え、ちょ、その噂くらい教えてくれても…」


「リリス王女様は勇者にご執心、よ。姉さま」


「へっ?」


我が力也に執信?



「ま、ここ2週間毎日一緒に訓練してるしそう思われてもしょうがないかな。ほら二人とも、ついたからおしゃべりは終わり」


…我が?まあ確かに力也は絶対強くなるし、その成長は楽しみだし、いつ本気でぶつかり合えるか楽しみだけど…まあ、周りがどう思ってようが関係ないか


コンコン


「父上、レオンです。リリス姉さまとマールもおります」


入れ、と父上の声がしたので三人で入る。いつもいるはずの侍女がいない…



「すまんな、急に呼び出して」


「お気になさらず…リリス姉さままで呼んでいるとは、今日は一体何の話を?」


「うむ、勇者二人の現状確認と今後の話だな。まあ座れ」


促されるままに席に着く


「いやしかし珍しい光景だな、ここにリリスがいるのは」


「実際父上に呼ばれたのは今日が初めてだしの」


「いつもなら私と兄さま、父さまの三人ですからね」


…?いつもこの三人で話し合いをしてるのか?なんか疎外感…


まあ我は頭を使うことは苦手だし妥当かの


「うむ。今日リリスを呼んだのは他でもない、勇者黒戸力也の現状を最も分かっているであろうからだ。もう一人、瀬名英雄の方はどうも魔術師隊大隊長ナタリア・レッキアに、魔法剣士隊大隊長オルネラ・サヴィーナ両名がメインとなっていると聞いている。ルナの奴もいるが現状把握はできてないように見えるし、その二人に聞こうと思うが、この場に呼んでは流石にかわいそうだということでな、事前に話を聞いておいた」


確かに、実力があるとはいえ若い二人がこの場にいたら王族4人に圧倒されるとしか思えんからな


「なるほど。ですがやけに早いですね…この話し合いは11月に行う予定では?」


「うむ、だがこの2週間の成果を聞いたところによると、瀬名英雄、彼は既に大隊長クラスとまではいかないまでも、各隊長クラスまでの実力はあるとのことでの」


「!?…父さま、流石にそれは異常では」


マールが驚いた声を出す


まあ気持ちは分かる、あっという間にこの国の戦力だ…


「うむ、たった1週間のうちにわが軍の隊長クラスとわ…今はまだ実戦経験がないからその程度だが、実戦を積めばすぐにでも大隊長クラスに上がってくる器、だそうじゃ。抜かれるのにあと一か月程度、とまで言っておったわ。流石にそこまでではないとは思うがな」


「…ですよね、流石に言い過ぎでは?」


レオンも信じ難いようだな


「だがしかし、報告には魔法の撃ち合いによる模擬戦では魔術師隊リア・シャルガフに対して3-7で負けたとある」


「…光のドゥーカ、シャルガフの長女をですか…20才と若いながら大隊長とやりあえる存在ですよ?その相手から3本も取ったと?」


大隊長ほどではないが隊長格の中ではトップの彼女に対して…


…これは、もう一人の方はどんだけハイペースで突き進んでるんだ


「うむ。今はまだ遠距離でしか戦えないらしいが、魔法剣士隊の大隊長を師事し、今後さらに力をつけるだろうと報告を受けた。これに関してはもはや疑う理由はないと考えておる」


「そうですね。確かにそこまで強いのであればある程度自由にしても大丈夫でしょう。残る問題は…」


「力也の実力、というわけかの」


なんともまあすごい幼馴染を持っておるの、力也は


「うむ、どうだ?彼はいまどの程度のレベルにいる?」


なんて答えるべきか…今日やっとで身体強化を覚えました、と言ったら一気に立場がなくなりそうだが…だが実力的に見て既に軍でも上位、問題はないか。本人の意思が分からない以上事実を言うしかないか


「現状、本日の訓練でやっと身体強化を扱えるようになったところかの」


「…随分と差がついたな」


少し落胆したような、ほっとしたような反応、父上は少し勇者の力が強すぎると思ってるのかの?


「だが、瀬名英雄の方がもう一人、黒戸力也に負けられないと言ってより一層奮起しだしたと聞いたんだが?」


「そうじゃな、力也はおそらく既に軍でも上位に入っておる。身体強化なしでもうちのアーロンの狂化を除いた全力でも倒せなかった」


「アーロンとは、あの孤児だった?」


「うむ。狂化までを入れれば隊長クラスでは抑えるのは難しい。じゃから我の手元に置いている例の獣じゃな」


まあ我の近衛で圧倒的に強いのも奴だ


「ほう…だが、狂化した時に黒戸力也は抑えられるのか?」


今日の身体強化を扱った感じ、初めてであのレベル、魔力の操作に関しては申し分ない。元の世界で身に着けていたであろう武術を鑑みて、それに身体強化を合わせれば…


「ほぼ確実に、抑えられるかと」


「!…今日身体強化を可能にしたばかりなんであろう?」


「それにしては異常に扱いが上手くての、我の炎装を用いた攻撃は完全にいなされた。このままいけばすぐにでも大隊長クラスにはなるだろうな…」


最後なんて我の8割程の身体強化に付いてきたからな…炎装を見て魔力を一気に増やされたときは焦ったわ


「…姉さんが目を付けただけはあるのね」


「なにを言う、お主も力也に目をつけているだろうマール」


「…」


あらら、だんまりかの


「ふっ、世界ランク31位、魔獣殺しの狂戦姫にそこまで言わせるのか、彼は」


…その名は嫌いだ、大体なんなんだ狂戦姫って、狂って


「拗ねるな拗ねるな、大将軍に次ぐ強さの証明、二つ名がつくくらいなんだから、誇りに思うものだぞ?普通」


「父上、からかわないでくれ、狂戦姫と呼ばれるのを我が好いてない事を知っているだろ?」


「くっくっ、すまなかった。だがどちらの勇者もしっかりと成長しており何よりだ。今後の話に入ろうか」


…楽しんでるな、父上


「二人の今後だが、魔獣の討伐を解禁しようと思う。今後多く戦っていくことで実戦に慣れてもらおう。その後、来年の4月より学園の2年に編入させるのは予定通りとしよう。それまでにデイジリーと対等くらいになってくれると助かるが…」


正直厳しいか?あの家族は異常だ…それに異世界人に多いのが成長速度がある一定で頭打ちになる…今まで全く戦闘を知らなかったものにそれを教えることで急速に成長するのは皆変わらない。ただ今回の勇者が異常な速さなだけだ…だがある一定を超えると熟練度がものを言う…どれだけ努力しようが時間の壁は超えられないだろう


だが力也は…しばらくは止まりそうにないな。あらゆる武器の扱いを学んでいるらしいが、それと創造属性は相性が良すぎる。もう一人を追い抜くのに時間はいらんだろう。それに二人が大隊長クラスになるのは…流石にこのままいけば学園編入ぎりぎりになるだろうな、大隊長二人の目は流石に勇者びいきが過ぎる


「まあ当面はこのままいく。12月のクリスマス、そこで各国の上役を呼びパーティーを開く予定だ。そこで二人のお披露目といこう」


それは予想通り、かな…それまでに力をつけてくれればいいが、あの二人なら大丈夫であろう


「何か異論か質問は?」


「父さま、私の実験に関して黒戸力也の方が興味を持ってきていた件に関しては?もう私じゃ匿い切れないんですけど」


マールの実験???


「それか…もう一人は特に気にかけた様子はないんだな?」


「はい」


「なら匿わなくてよい…最悪実験を諦めることにはなるが、興味を持つくらいなら潰しには来ないだろう。もう一人のように正義感に溢れてる、というわけではないんだろう?」


…この言い方、もう一人の勇者に見つかったらやばい感じの実験をしてるのか?


だがばれることに関してマールはあまり嫌そうではない、やはり力也に目を付けているな…


「分かりました。その成果はまた別の機会に話します」


「うむ。レオンは何かあるか?」


「やはり12月までは魔獣の討伐には向かわせないほうが良いように思います。他国にばれやすくなるうえ、クリスマスまで隠していたとなると色々と問題も生じるでしょう」


「ふむ、そうか…リリスはどう思う?」


「二人がその域に達しているのならあまりこの城内に閉じ込めておくのは得策ではないかと。兵に偽装させて軍の訓練という名目で動かせばいいのでは?我も良く近衛を連れて行くのでごまかせるかと」


「そんな簡単に騙せるものではないが、確かに閉じ込めておくのは得策ではないな…」


「…そうだな、大々的に勇者と知らせず軍に同行させればたとえばれたとしても他国から言われたときになぜそのようなことを知っているのか追求すれば国交のひずみとなり下手を打てば戦争だ。他国もそれは望まんだろうし、なにっも言ってこないとも考えられるな」


…レオンと父上についていけなくなってしまった。我は力也に魔獣との戦闘をさせたいだけなのだが


ん?マールがこっちを見て少しため息をついたように見えたが気のせいか?


「そうですね…ならば軍やリリス姉さまの近衛に偽装と言う条件付きで許可を出しても良いかと…」


「そうだな…そこらへんの細かいことを少し決めていかなくてはな」


「はい。まず二人の戦闘能力に関して正確に把握し……」



…もう付いていけん







side out

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